導かれし者たち
ドラクエとは関係ないです。
時として、酒飲みは導かれたかのように始めていく店や、運命的に出会う飲み屋の中の出会いとかがあります。あるんです(言い切る)。
先日、神田のデイドリームさんというRPGカフェにお邪魔しました。
その日は特に遊びに行ったわけではなく、会員登録をしたうえで見学をさせてもらうために行ったのですが、到着した時間がやや早かったために店が開いてなかったんですよ。
で、小腹も空いてるしどこか飲み屋で軽く一杯やっていこうかと思ったところ、すごい魔窟とでもいうような空気を醸し出している店があって。
何の躊躇もなく入りましたよね()。
それでその店は実際凄い魔窟だったわけですが、まあ何と言うかこのエッセイを読んでいる人はなんとなくわかっているかと思うんですけど私は魔窟が好きなんですよ。悪い意味での魔窟じゃない方が。
悪い意味の魔窟ってのはまあありていにわかりやすく言えば後ろめたい人が集まっちゃうような変な場所のことなんですが。その日入った魔窟は良い方の魔窟でして、要するに個人的にはすごくいい店だったんですよ。
ちゃんとした酒がある(これ重要ですよ?)、食べ物がおいしい、店のマスターが客席に混じって飲んでるというなかなか最近見ない好条件。
そして入ってくる常連客もなかなか曲者ぞろいで面白い。かなりの良物件だったわけです。
そんなわけでそこで一杯やって、会員登録をした後また魔窟に入り直して飲み直すという()。
結局その店だけで4時間ぐらい楽しく過ごしまして。充足した気持ちで地元に帰ってきたわけです。
帰ってきたんですが、そういう日ってのは他にも何か起こるかもしれないというのが私の経験則。なもんで駅から出るなりなじみの店に向かってみたわけです。
そしたらいたわけですよ。偶然の出会いが。
なじみの店に入ると客が一人で、マスターが暇なんですよとか言ってるんですが、その一人だけいたお客さん。
かわいらしい女性の方で、首から肩まで全部露出してるタイプのあの肩から上の部分をスパっと切り取ったような服を着ておられまして。とても色っぽい。そしてその肩からちらりと緑の鮮やかな入れ墨が覗くのがまた色っぽい。
普通に考えたらかわいくて色っぽいけど危険を感じるような人ですが、いる場所が私が安心している行きつけの店なので悪い人ではないのは確か。ということで同じカウンターに座ったんですが。
マスターとアルバイトの女性と、色っぽい女性と私で会話しつつ飲むことしばらく、その色っぽい女性がガチでアニメが好きなオタクであるということがわかりまして。なんと肩の入れ墨も劇場版の攻殻機動隊作品である『イノセンス』の円盤のジャケットイラストでした。
そして後からもう一人男性がきて、5人であれこれ話して仲良くなったという。
こういうことがあるから飲み歩くのはやめられないんですよね。
実のところ私がたまに飲み歩くのはこういう出会いを求めてというのが一番の目的です。いろんな出会いからいろんな知識と経験を得ていく。それがとても面白いわけです。
そんな酒と夜の街に導かれるのも、悪くはないという話です。
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