セカンドレイプ(※よそ様の作品のネタバレを含みます)
ひでえタイトルだな()
しかして今回、本当にセカンドレイプの話をします。と、その前に今回よそ様の作品を持ち出して話したいと思うのでその作品をご紹介。
『モグラの穴』 作者:柊圭介様
https://kakuyomu.jp/works/1177354054891071234
14歳の帰国子女の少年が9年のフランス生活から祖国であるはずの日本に帰ってくることでいじめを受ける。少年の心の苦痛の物語です。
で、ここからネタバレを含んでいきます。読みたくない方は読まないようお気を付けを。
ところで皆さん、セカンドレイプって知ってます? 単純な言葉の意味通りのセカンドレイプとは違いますよ。セカンドレイプとはレイプ被害者に対してレイプ当時の状況を思い出させるなどで苦痛を与えることを指します。でもって、日本の裁判とかはレイプ被害者にとってセカンドレイプに相当するとか言われてるわけです。裁判で包み隠さずすべてを話して確認を取るわけですから、そりゃセカンドレイプと言われますわな。
そのセカンドレイプなんですが、このモグラの穴という作品においても出てきます。正確に言うとこれってセカンドレイプなんだなあと私が思ったというシーンがあるのです。
あ、誤解の無いように言っておきますが、このエッセイはモグラの穴に対しての批判とかじゃないです。モグラの穴は素晴らしい作品で、一気に最後まで読み切りました。ついさっき()
で、そのセカンドレイプ該当に思えるシーンがこちら。主人公の紘一へのいじめが明るみに出て、周りの大人にいじめの事実を確認されるシーン。です。このシーンではすでにいじめの全貌(完全にすべてではないにしても)を知っている担任の先生が紘一に対して「何があったか話してごらん」的なことを促します。結局最初は言い出せない紘一に対して「実は聞いていたよ」的なスタンスで先生が何があったかをしゃべるんですが。ここで紘一が言い出せないのは「自分が何をされたかを思い出したくもないし知られたくもない」からですよね。でも言えと言われている。相手はすでに知っているのに。最終的にこのシーンで紘一はせき止めていた心の堤防が決壊して全てを吐き出して、周りの大人や物などすべてにその感情をぶつけて暴れてしまうんですが。これ、要するにセカンドレイプですよね、と。自分で思い出したくもないようないじめの事実をましてやそれがある事実を知ってる人から言ってみろと言われる。よくあるような話ですが、ここでのこの教師や両親の態度はもはや完全なセカンドレイプだと思うわけです。
んで。何が言いたいかというとセカンドレイプイクナイとかじゃなくて。実のところ私も子供のころはいじめにあっていました。それで紘一と同じように先生とか両親からの「何があったか話してごらん」攻撃を受けたんですよね。で、思い返すにこれは立派なセカンドレイプだったんだなあなどと思ったのです。
私のいじめに関する話はまた別の機会に話すとでもして、思い返すとあれは実はこうだったんじゃないか? という記憶が多くあります。つまりセカンドレイプが人生にごろごろ。でもってそれってやっぱり社会的な環境で生まれているものかなあと思ったのです。
いやあ、現実はクソだなあ(笑)
そんなことを思ったので、今後はセカンドレイプを自分がする側に回らないように気を付けたいなあと思ったわけです。
あ、柊圭介様のモグラの穴はすごくいい作品ですのでぜひ読んでみてください。
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