Day3 グループ研修

「修学旅行の自主研修グループは自分たちで組むじゃない?それで、西野くんと組みたいんだけど⋯⋯」


「いいじゃん!佐向さんって結構積極的なんだな。もう誘ったのか?」



「無理よ!文化祭の時も、勇気出して一緒に回って欲しいって誘ったのに断られちゃってるの。また失敗したらって思うと怖くて言えないわよ。」



 佐向さんは、文化祭の時も今も「好き」という気持ちにただひたすら、純粋に向き合っている。その姿が一周目の僕と重なり、佐向さんに近づいた目的、“西野に告白させないようにする”ことを忘れ、応援したいと思ってしまった。


 けど、告白してしまえば、冴島が焦って西野に告白するかも。⋯⋯いや、もしかすると防げるかも?


 冴島と西野が付き合った要因が僕の告白劇を西野が“目撃”したこと、つまりそこさえ回避できれば冴島×西野ルートにはならない!


「『じゃあ、俺がセッティングしておくよ。』」


「ほんとに?!」


 ──リリン

 好感度ゲージが15上がった。よし、ここまでかなり順調。僕が西野を誘って、佐向さんをグループに招くという手順でこの道を攻略する。


「西野、自主研修グループ決まった?」


「いや、まだだよー」


「僕もなんだ。良ければ、一緒に組んでくれない?」


「トオルと桐島くんグループ組むの?!なら、私も入れて!」


「え、冴島さん?!」


 冴島が入ってきたことにより、西野の返事を待たずに僕達はグループを組むことが決まった。

 西野とグループを組めたことは良かった。だけど、このグループに佐向さんを入れたら、冴島にとっては不都合だ。佐向さんを入れることにより、冴島のぼくに対する好感度は爆下げ確定だ。


 うわぁぁあ、この状況⋯⋯どうしよう?!

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