先輩の好きな人・・・?
──豊村の試合の日。チームメイトと朝早くから会場入りしている豊村とは別に僕は、緑山先輩と駅で待ち合わせをした。
豊村からの突然の誘いの次の日にすぐ緑山先輩がクラスにやってきた。淡々と話が進んでいくのは、恋愛ゲーム効果なのだろう。
「桐島くん!」
「はい!(・・・///)」
一瞬目を逸らしてしまうほど、休日の先輩は可愛かった。制服じゃない先輩は新鮮で、僕なんかが隣を歩いてもいいのだろうかとつま先が帰る方向へ向きそうになる。
「また桐島くんとこうして話せて嬉しい。せっかく文化祭実行委員で仲良くなれたのに、それっきりだと寂しかったし・・・。それに、桐島くん文化祭可愛い子とまわってたでしょー!いいなー。
私も誘おうと思ってたのに((ボソッ…」
「・・・ん!?ほんとですか?」
「ホントダヨー」
先輩は分かりやすく棒読みで言う。
「今日は一緒に試合見に行けてうれしいよ。」
「はい、僕も嬉しいです。でも、先輩は大丈夫なんですか?バレー部の試合を見に行っても・・・・」
確か、先輩はバレー部の元マネージャーで、豊村と噂になっていたと聞いた。それは誤解だったが、そのせいで豊村は部内で浮いてしまったけど、豊村は無理に誤解を解こうとはせず、鬱憤は試合で結果出して晴らすと意気込んでいた。だけど、先輩が応援に行くことによって、より誤解が解けなくなってしまうのでは無いかと僕は不安に思っていた。
「豊村くんから聞いてるんだねー。」
「すみません・・・」
「ううん。すでに知っているなら丁度よかった。桐島くんにお願いがあって。」
「はい、何ですか?」
「あのね、言いにくいんだけど・・・」
先輩は黙って数秒立ちどまり、僕と向き合いになり、僕の両手首をつかんで言った。
「お願い・・・!!一日だけ、私の彼氏になって!」
え、えぇぇぇぇぇ!?!?
──ピコン、ピコン
「(────)」 「(────)」 「(────)」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます