第2章 告白ルート回避したい
もう迷いは無いから・・・
文化祭の振替休日の今日、時計の針は午前10時を指している。起きてから3時間経つが僕はまだベットの上でぼーっとしている。昨日の疲れもあり、ベットから離れる気力も朝飯をとる元気もない。もう一度寝ようにも、目は冴えているから寝れない。
「よし…」
無理やり腰を起こして、机に向かい、ノートを広げる。姉に見せるために書いた人物相関図(?)のようなものを見返す。僕と冴島を繋ぐ矢印にバツを付け、“告白しない!!”と赤文字で濃く書き記した。
「絶対告んない…告んない…告んない…」
呪文のように唱えて、決意をより一層固める。
次の大イベントは“修学旅行”となってる。修学旅行まではあと1ヶ月ちょっと。こんな状況になるまではスケジュール帳なんて書いてこなかったし、文化祭から修学旅行までがこんなに短いと感じてなかった。
文化祭が終わったことによって、西野との実行委員という接点も無くなった。冴島とは生物委員という接点はあるけど、それ以外では特に無い。つまり、朝の十五分くらいの委員会活動を何事もなくやり過ごせば、僕の勝ちだ。でも、また変な選択肢が出てきたらどうなるかわかんない。新キャラの三人もどう僕に関わってくるのかも今のところ不明だ。
…リリリ…リリリ
着信音がなった。
「ゲッ」
発信元は豊村幸次。休日に何の用だ。
「もしもし…」
『もしもし!!桐島ー?』
僕のスマホにかけてるんだから、聞かなくても僕しかいないだろ!!!
「うん、何か用?」
『ああ。今週の土曜日、試合見に来ないか?』
「豊村がでるの?」
『うん。空いてるかー?』
「予定は無いけど…」
『じゃあ、来てくれー。先輩も誘ってるからな』
先輩って緑山三知先輩…?!?!
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