Day1 緑山先輩の攻略法

「どこでその話聞いた?」

「バレー部の奴らから回ってきたぞ?」

見せられたのは、僕が棚澤先輩に絡まれて緑山先輩が制止してる場面を写した写真だ。

いつの間にこんな写真・・・・・・


「桐島が緑山先輩と付き合ってるらしいって騒いでたぜ。お前、冴島が好きだったんじゃねーの?」


「・・・・・・(なんて言えばいいのか)」



「きりしまくーん!」


ウワサをすれば───緑山先輩が校門からやってきた。南田はいつの間にかいなくなっていた。


「桐島くん、おはよ!」


「おはようございます、先輩は今日早いんですね」


「朝、いつも桐島くん花壇の整備してるから、早く来れば会えるかなーって思ってね」


「えっ・・・///」


緑山先輩は本心が読めないからちょっとこわい。


一日カレシのはずだったが、色んな人に僕らが付き合っていると広まってしまったのは先輩は知っているのだろうか。──わざわざ教えなくてもいいかもな。僕はとにかく攻略キャラを攻め落とさなければならないのだ。付き合ってることになってるのは逆に好都合かも。僕が否定も肯定もしなければいいだけだから。


「『僕も朝から先輩と会えて嬉しいです』」


「・・・そ、そう?それは良かったよ」


──あれ、先輩は照れてるぞ?


「『髪型変えました?とても似合ってますね』」


「気づいた?今日は巻いてきたんだ〜」


好感度のゲージが上がっているのがわかる。

もうちょっと攻めてもいいかも。


「『休日の先輩も素敵でした!』」


「素敵って・・・笑、今日の桐島くんはキザだね」


褒め方がまずったのかと思ったが、先輩は嫌そうじゃなかった。


「そうだ先輩、『今日のお昼一緒に食べませんか?』」


「えっ・・・うん、いいよ」

先輩は思わせぶりな事を言うのは得意だけど、攻められるのは苦手らしい。



・・・リリンッ

ハートが表示され、数字が50から61に変わった。

初めてハートのゲージの詳細が分かった。これがいわゆる、トキメキゲージってやつ?冴島のゲージはぼやけて数字が見えない。

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