Days
Day1 冴島さんは気にしてる?
「おはよ!冴島さんも今日の調子はどうだい??」
「おはよ、桐島くん。今日、なんか元気だね」
あ、あれ・・・、朝のファーストコンタクトは失敗?
冴島はびっくりしたという顔をしていた。
「ん、うん・・・アハハー」
調子を戻していつも通り、朝の生物委員の仕事をする。冴島とは文化祭以来LINEはしていなかった。なんとなく僕からLINEを送りづらくて・・・。(こういう所が“主人公”になりきれないんだろうなと思う・・・)
「なんか、今日はかっこよく見えるよ」
「え、え?!」
「髪、切ったの?」
「少しいじっただけだよ」
冴島は僕をじっと見つめて、「そっかー」と言って、むしった草を袋にばんばん詰めた。
「“余り者”の桐島くんはもう誰かのものなんだねえ・・・。私はぜんっぜん前に進めないのに君はー・・・」
ムスッとした顔で袋をきつく結んだ冴島はずんずんとゴミ捨て場の方へ向かう。その後ろを僕は追いかけて訊ねる。
「どういうこと?」
「桐島くんは文化祭の時に言っていた、“誘いたかった人”と上手くいったってことでしょ?それならそうで教えてくれればよかったのに。文化祭以降もLINEくれないしさ、、」
「LINEしていいの?」
「していいのって、LINEくらい私からも送ったりしてたでしょ。気にしないでよ。」
自惚れだと思うが、文化祭以降LINEを送っていなかったことを冴島が気にしてくれてたことがうれしくて嬉しくて・・・。あー僕って単純だなって思いながらも「送る!!送るよ!!」と心の中で何度も言った。
「よお!桐島!カノジョ出来たってほんとかー?」
南田がのんきな顔をして突っ込んできた。穏やかな朝がぶち壊された。冴島もいるから変な事言うなよー!!
「ちゃんと報告してもくれても良くない?!」
「いや、これは違うって!」
僕の訴え虚しく、冴島は背中を向けて去っていく。
「あれ、オレ、不味いことしたー?冴島さん追いかける?」
「邪魔だー!!それに追いかけられるわけないじゃん!!」
南田のアホヅラが憎ったらしい。
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