あとがき 第2部



 まきやです。


 長編「シキラク(色楽) 第2部 トウマ」をお届けしました。


 これで、終わりなの? はい、この物語はここで終わりです。


 もともとは完結していた長編への追加なので「何事?」「後付け?」と思った方もいたでしょうね。その通りです(笑)


 事情を説明します。



◼️ストーリーについて


 最初のあとがきで「明かしていない設定がある」と書きましたが、このユミとサエの話はその物語のひとつです。


 ケイカのシキラクは1部で完結していますが、プロローグから始まるトウマの物語は、途中がすっぽりと抜け落ち、謎のままでした。


 それを補完する為に2部があります。


 トウマとサエの関係性、二人の立場と葛藤を描くために、たとえ残酷だったとしても、2部が必要になりました。


 そしてラストは1部のあの場面に繋がります。支流だった2部が本流に合流するのです。これがもうひとつのシキラクの流れです。


 トウマとサエ、この少女たち二人の物語を知ってしまうことで、話の解釈は大きく異なるでしょう。


 それこそ作者の表現したかったシキラクの、もうひとつの側面でした。



◼️キャラクターについて


・サエ

 2部で印象が変わって見えるのは、トウマよりもサエかもしれません。

 

 冷徹な少女も人並みに恋し、迷う時代がありました。しかし運命はますます冷たく、そして新たなサエを生み出します。



・屋代

 2部で登場する数少ないキャラの一人。


 両親代わりの彼の愛情は、最後に狂気に似た感情に変わりました。けれどトウマを誰よりも愛していたのは間違いなくこの老人です。


 プロローグに出てくる掌典長と、家計的に関わりがあるような裏設定があります。



・サエの父

 あの少女の父を説明するのは、難しかったです。あまり場面には出てこないのですが、サエの心の足枷になるなど、後半では重要な人でした。



◼️小説的な話


 少し間を空けて書いたせいか、一話の文字数がだいぶ減りました。


 もとの構想が短編だった事と、世界観についてこと細かく書く必要が無くなったからだと思います。


 後半になるとサクサク進むのは、作者の癖としか……。



◼️最後


 実はもうひとつ、書いていない物語があります。アイルロースこと女老楽師と老人の出会いの話です。


 さすがに2部のように解釈が変わる程おおきな話には至らないでしょう。おそらくこれまでの人物に深さを与える、サブストーリーになるはずです。


 シキラクについては、ここで一度封をしますので、再執筆の時期は決めていません。


 もし短編として書き終えたら。改めてそちらのあとがきで、皆さんと再び出逢いたいです!


 それが、あとがきを残せる作者の最大の幸せのひとつですし、ここまでお付き合い頂いた皆様へのお返しになると信じています。



 さて、本当に最後の最後です。名残惜しいのですが、お別れです。


 作品に完結マークはしますが、実はひとつだけ、お話を用意しています。


 それを公開するタイミングは、大変図々しいのですが、どなたかがこの作品にレビューを残してくれた翌日にしたいと思います。


 もしそれも叶わなかったとしたら――下書きURLを送りますのでDM下さい(笑)

(結局見せたいんじゃん💦)



 10万字を越える作品に触れて頂き、本当にありがとうございました。この経験(ハートも★もコメントもレビューも)、すべてがまきやの血肉になりました。


 皆さまにはさらなる作品公開と、私からの拙いレビューで、御恩をお返しさせてくださいね。


 ではまた!




2019年6月26日   まきや

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