第32話 ヒューマンの王

 ヒューマンはダンジョンの周りへと移動し国を造った。氷の大地からゴブリンを探すよりもダンジョンから魔石を取り出したほうが効率がはるかに良いからだ。

 魔石は魔道具に使われ、熱や動力に使用された。最初のうちは、まともに動くものではなかったが、魔道技術の発展によりゴブリンの魔石からでも大きな熱量を発生できるよになった。


 「ヒューマンと獣人は共生関係になったの?」


 『はい。手先の不器用な獣人は魔道具や装備を得るため、力の弱いヒューマンはダンジョンからの魔石を確保するために共生関係になりました。ただ、ダンジョンの周りにこれだけ多くのヒューマンや獣人が集まれたのは、ヒューマンに偉大な王が誕生したからです。』


 「おや?大光教オーバーライトの関係者?」


 『はい。腐敗した権力者たちを切り捨て、貧しい人々を導きダンジョンの周りに国を作りました。』


 「おや?街で大きな岩を運んでいる生物って…。」


 『召喚される途中で外装が術者のイメージによって固められてしまっていますが、サンドリンです。ヒューマンはゴーレムと名付けていて魔法生命体と勘違いしていますが、間違いなくサンドリンです。魔石を対価に簡単な雑用を行っています。』


 「他の生物が訪れないほどの秘境に生息していた生物が共存していると、なんだかホッとするね。」


 『はい。星の氷も溶けてきました。これから、もっと、もっと、良くなっていくでしょう。』


 ――ハッピーエンド








第33話 運命と選択


 「知的生物の文明がだんだんと上がってるねー!」


 『はい。ゴブリンですら、青銅を造り始めました。』


 大魔王が大魔王がーーー!!!


 「ん?なんかエルフが騒がしい?」


 『そうですね。ふむふむ。なるほど、なるほ…あー。あー。ワーニング!!ワーニング!!』


 「選択さん!急にどうしたの?!」


 『大変なことになっています。』


 「僕がちゃんと聞くから、安心して。」


 『わかりました。エルフの長老が大魔王が降ってくると予言してましたので、この星に何か降ってくるのかと検索したところ、この星を吹き飛ばすほどの巨大隕石が向かっています。』


 「えー。それは創造する前に知りたかったね。」


 『いえ。創造する前の星では巨大隕石の衝突する未来はありませんでした。ただ、宇宙に飛び立った錦鯉が隕石と衝突し、隕石の軌道が変わった・・・・・・・ため、隕石が他の星の重力につかまり、を描くように衝突コースに入りました。』


 「おっぅ。」


 『運命様。どうしましょう。』


 「選択さん、僕は期待しているんだ。生み出された生命がどんな困難も乗り越えると。」


 『つまり?』


 「次の星を創造しよう!  Yes or No !!」


 『…。』


 「Yes or No !!」


 ――錦鯉エンド



最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 From 酔玉 火種

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ゴブリンから始まる生命創造 ~ゴブリンとかオークとかの増殖率が凄まじい…見て見ぬふりができません~ 酔玉 火種 @yoidama-hidane

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ