第12話 ダンジョン

 「うーん。いい香り。ダージリンだね。」


 『いえ。アッサムです。』


 「あれ!?ヒューマンとか獣人がダンジョンに入って行くね。」


 『ドワーフたちが住んでいた頃は、外敵に警戒し頻度に入り口の位置を変えていましたが、ダンジョンになって入り口が変わらなくなったため、ドワーフの残した宝目当てで冒険者と名乗るものたちがゴミのリサイクルを行っています。』


 「ふむふむ。アッサムは美味しいねー。」


 『…。』


 「それにしても、モンスター化ってすごいね!いろんな形の奴がいるんだねー。しかも強いし!」


 『はい。ゴブリンは交配の中でいろいろな因子を取り込んでますので、狂気で表面に現れた因子の姿になります。しかも、擬似装備まで魔力で作り出しています。』


 「何というか?ダンジョンができてから、いくぶん国どうしの戦いが減った気がしない?」


 『はい。ダンジョンの方が国の収益率が高いですから。』


 「なるほどー。なら、ダンジョンに対して、アレってできるのかな?」


 『残念ながら、スキルの付与はできません。ですが、コア・・という擬似生物を設置することでスキルを付加することができます。どうでしょうか?』


 「イエース!ソレいってみよー!」


 白い空間に銀の液体が1滴生まれ、選択さんに吸い込まれポチャリとダンジョンに吸い込まれていく。


 『ダンジョンの最奥に擬似生命を設置しました。』


 ミキサーワームの侵入を防ぐため、ダンジョンの外壁を亜空間で閉鎖します。

 ダンジョンで倒されたモンスター数で宝のグレードを変化し、ダンジョン内の同階層一定の範囲にランダムで設置します。

 コアを守るため、モンスターの復活を早めます。

 コアを守るため、深い階層には守護者の部屋を10階層ごとに設置します。


 「どきどき。どーなった?どーなった?」


 『問題が発生し、国が2つ滅びました。』


 「なぜに?!」


 『冒険者がこずモンスターが倒されないダンジョンでは、コアの狂気パラメーターが下がらずに上昇し続けて、ダンジョンすべての魔素をモンスター化して噴き出し、近場の国になだれ込みました。この現象をスタンピードとします。』


 「ま。そのぐらいならいいかー。」


 『そうですね。スタンピードが起きるのは200年に1度ですが、ゴブリンキングの進軍なんて20年に1度は起こってますしね。』


 ふー。紅茶ってリラックスするねー。

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