第23話 歌姫

 「なんか?海で盛り上がってるねー。」


 『マーメイドが歌姫を選ぶ祭典を行っています。単純に最も魅了する歌を歌ったものが歌姫です。』


 「どれどれ?」


 ぼえぇぇぇぇぇぇっ♪


 『素晴らしい歌声ですね。』


 「いやいやいや!ないわー。ぼえぇぇぇぇぇぇって!ないわー。」


 『これは失礼しました。運命様の力で魅了のキャンセリングが行われているようです。こちらで、魅了フィルターをします。』


 らんらんらん♪ららら~♪らんらんらん♪ららら~♪


 「ほほー。いいね!思わず録音しちゃいたいくらいだよ!」


 『できますよ。』


 「ほへ?」


 『録音できますよ。』


 「まじでー?!」


 『録音だけでなく、スナップショットや録画、ストップなどもできます。』


 「ストップ!」


 ら…


 「スタート?」


 …らら~♪


 「おー。選択さんの新事実?!できるできるとは思ってたけど!さすがだよ!」


 『お褒めいただきありがとうございます。バックミュージックとして雑音をカットした歌声を流します。』


 「ええ歌やー。じゃー、浮亀うきがめを常時表示したりもできたりする?」


 『はい、できます。新たな表示を運命様の右前にポップアップし表示します。どうですか?』


 「おー。完璧です。」


 浮亀うきがめ。か、かわええー。


 『私も1つ表示をしてよろしいでしょうか?』


 「もちろん!選択さんと僕の仲じゃない!」


 『では、浮亀うきがめの表示の下にクラーケンを表示させていただきます。』


 何?!この巨大なでろんとした物体。うん。仲が良くても趣味は違うってしょうがないよね。うん。


 「これは、これでいいよ・・・ね。」


 『ありがとうございます。祭典の歌姫が決定したようです。今、再生してる歌声のマーメイドが選ばれました。』


 ららら~♪

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