第16話 土の宴
『エルフからお酢作りを学んだドワーフが米酒の作成に成功しました。』
「お?!意外なところからきたね。引きこもり種族同士のお付き合いがあったの?」
『いえ。種族同士というより、個体同士のお付き合いでしょうか。何事にも先駆者とはいるものです。』
「さぁ!エルフよ!本性を見せるがよい!」
『酒造りは、ドワーフにより秘匿されました。』
「なぜに?!」
『ほかにくれてやる酒はねぇ!だそうです。』
「まじかー。」
『まじです。』
「ちょっと、どんな様子か見てみるとかな。うわぁ、酷いな。飲みっぱなしだ。」
『今は土に感謝する宴の期間になります。』
「また精霊ですかな?」
『はい。土の精霊に感謝して宴を開いています。』
「そもそも、土の精霊って何の役に立ってるの?」
『魔鉄を精錬するときに窯の断熱効果をあげて温度を維持したり、鉱物資源を調査するときに方角や深さの確認で使っています。』
その程度のことに感謝して、僕には感謝しないとは…ぐぬぬぬぬ…
「あれ?空に巨大な岩が浮かんでるね?」
『あれは岩ではありません。
「へー、背中に住めそうだよね?」
『100人くらいなら住めるでしょう。現在は鳥しか住んでいませんが、1万年も甲羅が成長したら町くらいの規模で住めるようになります。』
あ、放尿で虹ができた。
あ、あくびした。
あ、目をしょぼしょぼした。
あ、短い手足パタパタした。
「か、かわいいかも?」
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