第9話 森の守護者誕生

 「うわー。このクワガタ25cmあるー。あっ!こっちには大きなカミキリムシ!」


 『運命様。迷いの森の虫探しに逃避しないでください。』


 「いやー。だって、戦いばかりしてて、げんなりー。」


 『好戦的でない種族もいます。しっかり、観測してください。』


 「えー。うそだー。」


 『たとえば、この迷いの森でトレントの交配が進みエルフが誕生しています。エルフはヒューマンに近い姿をしていますが、耳が長くスレンダーです。寿命が長いため温和な思考を持っています。』


 「ほほー。どれどれ?」


 エルフは土をこねくり回してしていた。こねこねしている。エルフさんたち曰く土偶というものを作っている。その土偶は体のバランスや顔のバランスがとてもおかしい。こんな不気味なの作って何が楽しいんだ?こいつらアホに違いない。

 ある日、森の入り口に並べられている土偶をゴブリンたちが、ごぶごぶと楽しそうに投げてパリーン、パリーンと割っていたら、温厚なエルフがぶち切れた。


 エルフたちは小石サイズのトレントの種を弓につがえると、種を高質化した矢に成長・・させ放つ、放たれた矢は風を操作・・してゴブリンたちを打ち抜いていく。


 『これは原初の魔法です。森に住んでいるので植物と風に親和性が高いようです。』


 「気にするところそこ?あんな不気味な土偶が森に並んでいたら、ゴブリンじゃなくても破壊すると思うけど…。」


 実際、エルフ以外の種族は、土偶を見つけると呪いの人形として壊していた。


 『ほかにも戦わない種族がいます!マーマンの交配が進みマーメイドが生まれています。マーメイドは上半身がヒューマンですが下半身が魚で水中に町を作っています。』


 「なんか、、、違うんだよね。エルフもマーメイドも、ただの引きこもり・・・・・じゃん。」

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