第26話 ふにょふにょ

 「選択さん。選択さん。」


 『何でしょうか?』


 「選択さんから、ふにょふにょした紐みたいなのが伸びてきてるよ?」


 『これは異世界召喚です。』


 「異世界召喚?」


 『自分たちの力で乗り越えることを諦めて、創造の空間を経由して異世界からの勇者を召喚し世の中を良くしてもらおうという強欲な技です。』


 「なるほどー。良くするなら見守ってみますか。」


 『ただ、この勇者ですと、弱すぎて即ゴブリンの玩具おもちゃです。』


 「見守るとか言って、そっこう手をだしちゃいますか!アレいきましょー!」


 『では、戦闘のピンチに限界突破の力を出せますが、翌日から一週間動けない勇猛スキルで、どうでしょうか?』


 Yes or No


 「イエース!」


 『勇者の行動により、いろいろと派生しましたのでまとめてお伝えします。』


 「おねがーい。」


 『広めた物としましては、揚げ物全般、アイス、プリン、生クリーム、チョコレート、刺身、寿司、お好み焼き、インスタント麺、缶詰、餡子、トランプ、チェス、数字、ラジオ体操、冒険者育成機関、冒険者ギルド、闇ギルド、生活魔法、必殺技、ドラキュラ伯爵を退け獣人の国の開放、刀、ランドセル、園児服、ビキニアーマー、メイドスーツ、バニースーツ、水着、着物、女性もの下着全般。』


 『失敗した物としましては、もんじゃ焼き、たこ焼き、リバーシ、花札、将棋、じゃんけん、コマ、ポンプ、車輪、歯車、エンジン、蒸気機関、魔法による大気圏突入、獣人の国解放によるワインの高騰、オーク討伐し過ぎて食料危機、ダンジョンコアの破壊が3件、保育園、小学校、民主主義、農業全般。』


 「なんか、いろいろ突っ込みたい…。」


 『特に農業は、ゴブリンが畑を荒らすのでどうしようもなかったようです。やはり、迷いの森のようにゴブリンが進入しずらい地域でないと無理ですね。』


 「必殺技って何?魔法?」


 『見栄みえでしょうか。攻撃する前に叫ぶとカッコイイ!みたいな感じです。効果はありませんが、気分的に2倍の威力です。』


 「はー。良くわかりません。まー、とりあえず、勇者が女好きなのはわかったー。」


 『晩年の勇者の言葉ですが、浮亀うきがめに渡って合法ロリサイコー。だそうです。』


 「うん。女好きというか、変態だったかー。ヒューマンとドリアードじゃ子孫できないしねー。」

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