四日目
めざめ、四日目
ポケットの中で瓶がごろりと転がり、目が覚めた。
全身を相反するものが駆け巡る。もう何も知りたくない、もう何もしたくないという重み。もう少しで思い出す、もう少しで僕が僕を取り戻せるという焦り。それが頭の中でぶつかり合い、狂ってしまいそうだった。
僕はポケットの異物を取り出した。茶色い瓶。死ねる毒の瓶。
「……ミノリに会いに行こう」
折衷案として、真実に遠そうな場所を選んだ。
出がけにデザインナイフが目にとまり、持って行くことにした。袋を自力で開けられないミノリでも、鋭いナイフを袋に突き立てて破るくらいはできそうな気がした。
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