概要
35歳ニート女子、鎮守将軍になる。
環(たまき)北辺の地・井津端国(いづはこく)で民衆が反乱を起こし、春山城が焼かれる。七年前の疑獄事件で讒言を受け、罷免されて無職となっていた軍事貴族:春野は、元上司保円(やすまど)の推挙により反乱鎮圧のための鎮守将軍に任命される。地元民のことばや事情に精通した春野の功により、反乱軍は降伏するが、都からは尚も殲滅を命じる飛駅が来て――。
北の財に殺到する王臣家。上皇を排斥しようとする摂政。国家という肥大した欲望に晒されて、北辺とともに生きることを選んだ春野は、保円や葛原氏の利害と切り結びながら、旧友たちと死地を切り拓こうとする。
「<渡り>の城柵――望春に駆けよ――」15年後舞台の続編。
完結済。
北の財に殺到する王臣家。上皇を排斥しようとする摂政。国家という肥大した欲望に晒されて、北辺とともに生きることを選んだ春野は、保円や葛原氏の利害と切り結びながら、旧友たちと死地を切り拓こうとする。
「<渡り>の城柵――望春に駆けよ――」15年後舞台の続編。
完結済。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!しなやかに、したたかに、花を咲かせよ
『〈渡り〉の城柵ーー春望に駆けよ』にて、遠辺国を襲った大地震から、十五年。遠辺国の人々は、徐々に復興を成し遂げていた。
環国の政変によって官職を失っていた風声春野は、遠辺国の地元民が環国に対して起こした反乱を鎮めるために、鎮守将軍に任命された。そこは、環とは言葉も習慣も異なる夷似枝の民、春野の愛する工人・里宝春の暮らす土地である。
春野は、乱を鎮めて彼らを守り、平和を築くことができるのかーー。
古代日本、東北の対蝦夷政策を想わせる設定です。漢字の使い方に違和感を覚える方がいるかもしれませんが、読み進めるうちに慣れてきます。作者さまの正確な歴史観、民俗観に裏打ちされた描写が素晴らしい。何よ…続きを読む