陽炎の森(現代偏)3 小田原に着き、駅のコインロッカーに荷物を預けると、へえ便利なものですねえと感心しているので、荷物を持って歩くと大変だからね、駅には絶対あるんだよと笑った


陽炎の森(現代偏)3


小田原に着き、駅のコインロッカーに荷物を預けると、へえ便利なものですねえと感心しているので、荷物を持って歩くと大変だからね、駅には絶対あるんだよと笑ったのです、

駅から繁華街にあるいて行き、たしかこの先にひようたん屋があったはすだがと歩いて行くと、お休み処ひょうたん屋と書いてあります、メイがあらありましたね、早く入りま、

しょうと近づくと、


ドアが開きいらっしゃいませと、若い女の人が座敷に案内したのです、なにが美味しいんですかと聞くと、今はしらす丼が旬ですよと言うのでそれと、ビールとツマミは何かあり、

ますかというと、鯉こくソウメンがありますというので、まだあったんだあと二人がいうと、江戸の前期からここの名物なんですというので注文したのです、


ビールが来たのでグラスに注ぐと、これはお酒ですかと聞くので、そうだよ、麦から作る酒で江戸時代が終わってから外国から入ってきて、今では日本で作っているよ、初めて、

だとチョット苦くかんじるかもといい、飲んでご覧と勧めると、メイが一口飲み、美味しいといったのです、ワインと違ってのみ安いですねといったのです、鯉こくソウメンが、

来たので見ると、


あの時代のままです、鯉の皮があぶってあり、香ばしいので、これは美味いというと、メイも一口食べ、あの時のままですと喜んでいたのです、それを見ていた女性が、この店、

の女将です、喜んでいただきありがとう御座いますというので、こちらのご先祖様にみみという方はおられませんでしたかと聞くと、どうして知るっているのですか、そのみみ、

というご先祖様が、


江戸に出て居酒屋を開き、ノレンわけで5店舗ほど店を出してこれを名物にしていたそうです、いまも東京の銀座を始め何店かひょうたん屋の名前でありますよと答えたのです、

いや、江戸時代の料理を研究していまして、今のみみさんの話しを聞いたものですから、立ち寄っごたのですとというと、そうでしたか、先祖様のお陰で今でもこうやって、

商売していられるわけですと女将がいったのです、


お腹も満腹になったので、おいしかったですというと、よかったら持っていってくださいと、タッパに入った鯉こくソウメンを差し出したので、おいくらですかと聞くと、

お代はいりませんよ、あんなに美味しく食べていただいたのですから、店からのサービスですというので、遠慮なく頂戴しますと受け取ったのです、


駅に戻り、タクシーに乗り小田原城に向かったのです、城はなく石垣と堀だけが残っていたのです、見ると壮大な堀割りです、ここはあの上杉謙信公も落とせなかったのだよと、

いうと、でも豊臣秀吉公は北条を攻め滅ぼしたのでしょうと聞くので、それは20万の兵にかこまれればどんな城も落ちるよ、関が原でさえ、8万対10万なのに、それをひっくるめた、

兵の数で攻められれば籠城は無理だよと言ったのです、


駅に戻り電車に乗って箱根湯本を目指したのです、真一朗が後ろを見ないで、この車両の一番後ろに乗っている娘はどうも、私達をつけているみたいだよ、東京の自宅の回りでも、

見たような気がするなあというと、なぜでしょうとメイがいうので、気のせいかもしれないよ、湯元の温泉宿まで着いてきたら声をかけよう、しらん顔していようと言ったのです、


箱根湯本でおり、老舗の旅館を案内所でさがすと、歩いて5分の所に寿旅館があり、江戸時代からあるという事なので泊まる事にしたのです、あの娘も箱根湯本でおり、旅館に、

歩いていくと、後ろから着いてきていました、旅館に着き部屋をたのみ、いつごろからあるか聞くと、昭和の始めからだというので、メイに私達が来た時はまだなかったみたい、

だねと言ったのです、


部屋に案内されると、メイに少し待っていて、あの娘がここに宿をとるか見てくると部屋をでて、様子をみていると娘が入って来て宿を頼んでいたのです、女中が部屋に案内して、

いるので、一緒にエレベータに乗るとギョットして下を向いたのです、真一朗と同じ階で降り、右端の部屋に入っていったのです、部屋に戻りメイにヤッパリここの旅館に泊まる、

らしい、今から部屋に行きここに連れてくるよ言ったのです、


部屋に行きノックするとハイと返事したので、村上真一朗ですというと、ドアを開け後をつけてすみませんと謝るので、どうしてなのと聞くと、中へというので、女性一人の部屋、

へ入るわけにはいきません、私しには連れがいるのでこちらに来てもらえないかなというと、わかりましたと部屋を出てメイの待っている部屋へ連れていったのです、


部屋に入り座るようにいうと、座り、すみません、かってに後をつけてと頭を下げるので、訳を教えてくれますかというと、ハイ、私は杏里といいます、この時代の者ではありません、

江戸時代の古河の渡良瀬の森から来てしまったのですというので、いつですかと聞くと、真一朗様がこちらに来た時ですと答えたので、どうしてと聞くと、


覚えておいでではないと思いますが、最初に笑美姫さまと私の家に立ち寄られたので、あわてて庄屋を呼びにいった娘です、おかしな格好をしておられたので、流れ坊主かと思って、

いたのですが、こちらに来てこの時代の服装だと分かったのです、あの日庭で馬の鳴き声がしたので外にでたのです、馬がいたので鞍を見ると常陸屋さんの紋だったので、逃げて、

きたと思い、


捜しているのではないかと家の馬に乗りたずなを引いて届けにいったのです、常陸屋のご主人が出て来て、この事は黙っていてくれと頼み3両を渡したので、そんな大金受け取れない、

というと、困るものではないので持っておいきと無理やり懐にいれられたのです、お礼を言って家に帰り馬をつないで、ひょっとしたら渡良瀬の森になにかあるのかと思って見に行った、

のです、


くすのきの後ろから覗くと、家にこられた時の格好でメイ様と抱きあっておられたので、逢引かそれで黙っているように言われたのだと思い、帰ろうとしたら月が欠けてきたので暗闇、

になれば、見つからずに済むと待っていると、もの凄い風が吹き、気がついたらこの時代に来ていたのです、わからないように後をつけると町の方に行き、あの自動車に乗ってどこか、

へ走りさったのです、


見た事も無い町並と人の格好を見て呆然としていたのです、皆が私の格好をジロジロ見るのでまずいと思い、傍にあった洋服屋に入りこの時代の服装をたのんで、小判をだすとそこの、

主人がみて驚き2つ隣の店に連れて行き、そこには古銭、切手、高値で買取ますと書いてあったのです、小判を見ていろいろいじっていましたが、間違いなく慶長小判だといいこれなら、

30万で引き取るというので、


この小判は使えないのか聞くと、当たり前だよこれは江戸時代だから今から500年の前の金だよ、よくあったねと聞くのでとっさに代々家にあったものだと答えたのです、3両だすと90万、

の札と買えてくれて、洋服を先程の店で買い、着替えたのです、全然違う世界に来て呆然として、これからどうしょうと思ったのです、


真一朗様とメイ様は逢引ではなくこの世界に来る為にあそこにいたのだ、常陸屋はそれを知っていて口止めしたのだと分かったのです、そして真一朗様はあの時代の人ではなく、この、

時代の人だったんだ、そういえば最初に来た時東京の品川から来たと笑美姫にはなしていた事を思い出し、品川にいけは会えるかもしれないと思い、駅に戻り色んな人に品川までの行き、

かたを聞き品川まで来たのです、


幸い小判を変えた90万は大変なお金で今まで生きてこられたのです、品川に行きましたが、場所がわからなくては捜せるはずもありません、途方にくれていたのです、お腹がすき、

食べ物やを捜していたら懐かしいノレンがありましたので入ると、魚屋かと思ったら、ご飯に魚を乗せて食べる、めし屋だったのです、絵がかいてありましたから、指差して頼み、

みようみまねで食べてみましたら美味しくて夢中になってしまったのです、


そしてふと見ると真一朗様とメイ様がいたのです、神様の引き合わせと後をつけ場所が分かったので安心し、安い宿を見つけそこで暮らす事にしたのです、なんどか声かけようと、

しましたが言い出せず今までになってしまったのです、婚礼を上げられ二人で旅に出られると知り、旅の途中なら声かけ易いと見つかるように後をつけたのです、


そして今日声をかけてくださり嬉しかったのですと、涙を流すので、そうですかもう安心ですよ、なんとか元の時代へもどれるように考えて見ましょう、私達はあの世界で旅したところ、

をめぐっているのです、杏里さんも一緒に旅しましよう、それが終わったら帰る道を探しましょうとメイが優しく手を握ったのです、この時代は字が読めないと大変です、幸い庄屋に、

手習いに行き、字が読めますのでとても助かっているのですと杏里が話したのです、


真一朗がこの時代の格好と化粧もよく似合っていますよと笑うと、杏里さんは美人だからですよ、旦那様浮気はダメですよと、真一朗の手をメイがつねったので、イテテというと、

仲のよろしいことでと杏里が笑い顔をとり戻したのです、







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