陽炎の森(現代偏)

村上俊介

陽炎の森(現代偏)1 真一朗はムササビの撮影に古河の渡良瀬の森に行き江戸時代にタイムスリップをし、そこで一年を過ごし、メイと言う女性と恋仲となり、そのメイを連れ一年後同じ渡良


陽炎の森(現代偏)1


真一朗はムササビの撮影に古河の渡良瀬の森に行き江戸時代にタイムスリップをし、そこで一年を過ごし、メイと言う女性と恋仲となり、そのメイを連れ一年後同じ渡良瀬の森、

から現代に戻ってきたのです、向こうで1年の月日がたったのですが、戻って来たのはタイムスリップした日の同じ時間だったのです、現代に連れて来たメイは見るもの全てに、

驚いていたのです、


カワセミの撮影の準備をし、山に入る服装をし、リックサックを担いで田園調布の敬二の邸宅にいったのです、家に入りこんな格好ですみません、明日は奥多摩の川べりにすんで、

いるカワセミを撮影にいかなければならないのですというと、いいんですよとダニングルームに京子が案内したのです、


そこには大勢の人が集まっており、敬二が皆さん、小さい頃から病弱の為古河の田舎で生活し、やっと元気になったので、昨日もどって来た娘のメイと婚約者の村上真一朗君です、

彼はフリーのカメラマンで、明日からカワセミを撮影する為、メイと奥多摩にいくので、このような服装をしています、今日は二人を紹介する為にお招きしました、ゆっくりと歓談、

して下さいと挨拶し、それではとシャンパンで乾杯したのです、


後でみんなが挨拶にくるので、紹介するよと敬二がいい、さあ料理に箸をつけてというので、パーティは洋食がおおいのに和食ですかというと、メイの為に和食にしたのですよ、

向こうの和食と比べて見てと言ったのです、みると、タイの塩焼き、刺身の船もり、イセエビ、お寿司がテーブル一杯に並べてあります、二人が凄いご馳走ですねというと、

喜んでもらえてよかったと敬二は上機嫌です、


二人の男が傍にきたので、敬二が専務の窪田君と常務の鈴木君だよと紹介したのです、窪田が娘さんがいるとは聞いていましたが、社長に似ず綺麗な娘さんですね、宜しくと二人が、

挨拶したのです、二人で返礼すると、敬二があいかわらずくちの悪いやつだなあ、家内似で良かったよと笑ったのです、それから次々と人が来てほとんどの人と挨拶したのです、


最後に夫婦が前に来たので、敬二が宮本幸一さんと奥さんの道子さんだよと紹介するので、伊織さんと笑美姫様の子孫の方ですかと聞くと、そうです、私しで23代目になります、

と挨拶し、前に座り持っていた桐の箱を開け、折りたたんだ2つの手紙を取り出し、一つを真一朗にもう一つをメイに渡したので、祖先から預かった手紙です、申し送り状に平成、

25年になったら、お二人に渡すように書いてあったのです、


敬二さんと同じで25年前に年号が平成になりこの年号を500年前の祖先が知っていなんて信じられない事なのに、昨日敬二さんから電話を貰い、本当の事だったんだとビックリした、

のです、これでやっと役目がはたせます、どうぞなにが書いてあるか読んで聞かせてくださいと幸一がいったのです、


まずメイが手紙をひらくと、メイ、この文をあなたが読んでくれるものと信じて書きとめました、あなた達がそちらの世界に戻ってから、伊織殿と婚礼を挙げ、江戸の屋敷で暮、

らしています、伊織殿も小倉藩の江戸家老として毎日奉公していますが、諸国巡察の為近々西国に下ります、そなた達との諸国巡察が懐かしくおもっています、真一朗殿といつまでも、

仲むつまじくして、元気な跡取りを生んでください、


また真一朗には伊織から、真一朗殿、貴殿に出会って、色々な事を学びました、わが小笠原藩にも蘭方、漢方を取り入れた医学所を開き広く学ばせています、すこしは町衆の役に、

たっているとおもいます、また念願かなって笑美姫と婚礼を上げる事ができました、毎日二人の話しをして懐かしんでいます、そちらに二人がもどられてすぐ親父殿が危篤になり、

いそいで熊本まで立ち返り、


なんとか臨終に間に合いました、私が行くのを最後の力をふり絞ってまっていてくれたのでしょう、会ったとたん、刀の鍔を真一朗殿に渡したかを聞かれ、間違いなく渡したと答え、

ると、そうかいま頃はそれを持って500年先へついているだろうと喜んでいましたよ、そして起こすようにいうので、そのまま寝ていてくださいというと、自力でおきあがり、

座禅を組みそのまま黄泉の国に旅立ったのです、親父殿らしい壮烈な最期でした、


メイ殿と仲むつまじく過ごしてくだされ、またこの時代に戻りましたら、是非たずねてくだされ、私達の子孫が何か困った事が出来たら、是非真一朗殿の策を授けてくだされと書いて、

あったのです、二人で読むと、皆が500年をさかのぼって着いた手紙ですね、ご先祖様が目の前にいるような気がしますと感激していたのです、


宴会も終わり、4人で一息ついていると、京子、日本酒が冷やしてあるので持って来ておくれと敬二がいったので、あ、忘れていましたと、小瓶に入れた、三陸のりと酒盗をリックサック、

からとりだし、目の前に出し江戸時代から持って来た酒の肴ですというと、ほうひとつは塩辛ですね、もうひとつはというので、天草から取ったのりですというと、


それは楽しみだといい、京子が日本酒を持ってきて注ぎ、それでは改めてと盃を重ね、敬二が三陸のりをつまむと、これは酒の肴にピッタリだと目を丸くしています、京子も一口食べ、

ほんとうだ、おいしいといい、これは江戸時代に広く食べられているのですかと聞くので、メイがいいえ、旦那様の工夫ですと答えると、真一朗君は料理も得意なのと敬二が、感心して、

いたのです、


翌日は電車に乗り奥多摩にむかい、奥多摩の渓流にわけ入ったのです、メイに鈴をつけると、迷子にはなりませんよというので、秋口なので冬眠の為、山の下の方までクマがえさ探し、

に降りてくるよ、鉢合わせになるとクマは臆病な動物なので人を襲う事もあるのさ、こうやって鈴をつけておけば、クマに聞こえる為、鈴の音の方には近づかないんだよといったのです、


都会から離れているのでとても静かです、まるで渡良瀬の森にいる見たいですね、懐かしい感じがしますと言うので、だから自然の物を写真に取るのが好きなんだよと笑ったのです、

それではそろそろ昼にしょうかというと、おにぎりはもってきていませんよというので、大丈夫だよと、川の石でカマドを作り、谷川の水を飯ごうにいれ、枯れ木に火をつけ、

折りたたみの竿をだし広げて、


いわの窪みに投げ流していると直ぐにぐぐ~と引きあげると、立派なイワナです、メイがすご~いと感心していたのです、4匹を釣り上げ、お腹を裂き塩をまぶして、木の串を刺し、

カマドに立てかけ、お湯が沸いたので、その中に口径食の味噌汁の元をいれ、もうひとつの飯ごうにこれも口径食の米をいれ蓋をしたのです、暫くしてイワナもやけ、米も炊きあが、

つたので、折りたたみのおわんにご飯と味噌汁をついでメイに渡したのです、


メイがすご~い、便利な物があるのですねとビックリしているので、イワナも食べてごらんというと、一口食べおいしい、諸国巡察を思い出しました、楽しいとはしゃいでいたのです、

ここにはイワナが沢山いるので、多分朝方にはカワセミがそれを狙ってくるはずだ、後ろの岩陰にテントを張ればいい写真がとれるよと、少し離れた場所にテントを張り、明日の朝の、

準備をしたのです、


山の陽はあっという間にくれるのです、夜空は満天の星空です、夜はカレーを作ると、メイが美味しい、そんなに小さいものがこんなになるのですね、旦那様が色々知っているのは、

こういう生活をしているからですかと得心がいったようです、この仕事が終り、婚礼をあげたら、諸国巡察に行った時と同じ道すじを辿どろう、この時代は結婚すると、新婚旅行に行く、

ことになっているのだよというと、メイがそうなんですか、今はどうなっているのか楽しみです、と嬉しそうに言ったのです、








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