陽炎の森(現代偏)8 女将が呼びに来たので、一階の居酒屋に行きこ上がりに4人で座り、酒と肴を頼み、乾杯したのです、この歌謡ショーをやる時は是非知らせてくれ、絶対くると沢山のお


陽炎の森(現代偏)8


女将が呼びに来たので、一階の居酒屋に行きこ上がりに4人で座り、酒と肴を頼み、乾杯したのです、この歌謡ショーをやる時は是非知らせてくれ、絶対くると沢山のお客さまが言って、

おられました、是非またゆめさん、真一朗様、メイ様やって下さいと言い、ゆめが宜しくお願いしますというので、メイが旦那様これも何かの縁です是非やりましょうというと、そう、

ですね、折をみてまたやりますかと承諾したのです、


ご先祖様との諸国巡察の話しを聞かしてくださいとゆめがいうので、ゆう殿の活躍振りを話すと、すご~い、男なんか太刀打ちできない、腕の持ち主だったのですね、今の世は男は、

草食男子と言われていて、男がだらしなくなって来ているのです、なかなか真一朗さんのような男はいないのですよとゆめが言うと、ゆう殿も同じ事を言っていましたよ、血は争え、

ませんねとメイが笑ったのです、


女将に私達の相手ばかりしていていいのですか、女将さんには色々仕事があるのでしょう、私達は構わなくてもいいですよというと、支配人に大切なお客様だといったら、後の事は、

仲居頭がとり仕切るので、大丈夫だと言ってくれたのです、私も仲間にいれてというので、そうですか勿論大歓迎ですよといい、真一朗が酌をすると、私のご先祖様はどんな人だった、

か聞かせてくださいというので、


実は掃除をした悪人というのは地蔵の親分なのです、当時ご先祖様には娘さんが一人おりまして、地蔵の親分が代官に取り入る為、代官屋敷に奉公するように女将にいっていたのです、

奉公と言っても妾に差し出すのですから、女将はがんとして聞き入れなかったのです、そこで女将の旅籠に人が泊まらないよう嫌がらせをしていたわけです、笑美姫さまが地蔵の親分、

の家に乗り込み、子分以下用心方を打ち据えたのです、


地蔵の親分は下帯を切られ、あまりの剣の腕に縮みあがったので、宿場を追放し、戻って来たら命はないと言い含めたのですが、兄弟分の桑名に行き助っ人してくれるよう頼んだの、

です、おまえが悪さをするからだと、逆に盃を返すといわれ、この宿場に戻ってきて、笑美姫に命乞いをしたのです、笑美姫は反省しこの宿場の為に尽くすなら許してやる、家業も、

そのまま続けても構わない、


二度と悪さしないと反省の証文を書き爪印を押させ、約束を違えたら命はないといい許したのですと話すと、そうだったんですか、地蔵の親分は町衆に親切で、こまった人の面倒を

よくみてくれ、ご先祖も大変世話になったと書いてあり、悪い事はひとつも書いてなかたのですと女将がいうので、善人になった地蔵親分の過去の悪は書き残してはいけないと、気を、

使ったのでしょう、掃除は笑美姫がしたのです、


私はうなぎの蒲焼のタレの作り方と焼き方を教えただけですよと笑ったのです、巡察方の頭は真一朗様だったのでしょう、笑美様が真一朗様のお世話になっている殿様の姫だとしても、

巡察方では配下ですから、頭である真一朗様が掃除した事になるので、ご先祖様は真一朗様に感謝したのです、笑美様は女子でございましょう、ひよとしたらご先祖様は真一朗様に、

惚れていたのかもしれませんと女将が言ったのです、


メイがそうだと思います、笑美姫様も旦那様を好いておられましたが、跡取りの男がいない為、旦那様と一緒になってこの時代に来るわけにはいかなかったのですというと、女将が、

でも宮本伊織様に嫁がれたのでしょうというので、それはその後に殿様の側室に男子が生まれたのだと思います、その前に旦那様のお手がメイについてしまったので、諦められた、

のだと思いますと言うので、


なにをいつているの、僕は最初からメイが好きだったのだよ、笑美姫様は初めて私に剣で負けたのだから、尊敬しただけで恋心はなかったんだよというと、本当ですかと聞くので、

そうだよと答えると、まあ仲むつましい事、妬けてきますねと、ゆめが女将に酌をすると飲み干し、センスで熱い、熱いと仰ぎ、ゆめさん私達も早くいい男を捜しましょうと返杯、

すると、ゆめが飲み干し、真一朗さんよりず~と優しい男を見つけましょうといったのです、


その後女将さんの娘さんはどうなったのですかと聞くと、地蔵の親分の世話で、回船問屋の次男坊との婿取りが決まり、婚礼を上げ、婿に来てくれたそうです、その間の子供が、

また後を継ぎ、500年続いて私が生まれたというわけです、真一朗様がこの宿場に来なくて、その娘が代官の妾になっていれば、私はこの世に存在しない事になります、ここに、

いるのは真一朗様のお陰なんですよ、


しかも今まで一杯ご先祖がいたのに、私だけが真一朗様のもてなしが出来たのです、感激ですよと目頭を押さえたのです、メイがよかったですね、いい人を見つけ、また500年この、

ホテルが続くようにして下さいと、女将の手を優しく握ったのです、女将がすみませんしんきくさくなって、さあぱ~とやりましょう、ところでメイ様は踊りが出来くらいだから、

三味線は弾けますかと聞くので、ええとメイが答えると、


仲居に自分の部屋から三味線をもってきてくれるよう頼み、もつて来ると結構古いものだそうですがとメイに渡したのです、メイが音合わせをして、女将さんこれはいい三味線で、

すよといい、それでは大四日市音頭というのがあり、歌詞はこの居酒屋のメニューの裏にありますといい、歌いますから、三味線で会わせてくださいと歌い始めたのです、節は、

東京音頭とほぼおなじです、メイが歌に会わせて三味線を弾くといい感じです、


回りの人が女将に合わせて歌い始めたのです、そのうち踊る人も出て来て大賑わいです、歌が終わると、やんや、やんやの喝采です、凄いですね、現代の歌にもすぐ合わせられるなんて、

とゆめが感心しています、女将が真一朗様も一曲というので、まいったなあ、それでは、九州の歌で炭鉱節をうたいますと、月が出た出たと歌い始めると、メイが三味線で伴奏すると、

また皆が歌つて踊り始めたのです、


歌い終わると、この歌は皆知っているのですかとメイがいうので、今の若い人以外はほとんど知っている有名な歌だよと言ったのです、めゆさんもと女将がいうので、それでは芸者、

ワルツをというと、それなら女将が私が弾けますから、真一朗様メイ様と踊ってくださいというので、メイの手を握り少し広い場所へでて、腰を抱いたのです、メイが心配顔をして、

います、


女将が三味線を弾きゆめが、歌い始めると真一朗がリードし踊り始めると、あちらこちらで踊り始めたのです、メイが軽やかな踊りですねと、すぐリズムを覚えるので、踊りながら、

これはチークダンスといって、こうやると男と女が仲良くなるんだよと笑うと、あら一杯女の人と踊っているのですねと足を踏んずけるので、イタイというと、女将がにこにこ笑って、

三味線を弾いていたのです、


終わると、一斉に拍手がおきメイが女将さん、三味線が上手なんですねというと、これも女将のたしなみなんですよと笑ったのです、傍にいたお客からリクエストがあったので、ゆうが、

女将さんの三味線に合わせて歌い、大盛り上がりをしたのです、盛り上がっているので、居酒屋の前は人だかりです、その内居酒屋の外でも三味線に合わせて踊る人が出て来て、お客が、

いや~、楽しいホテルだなあ、また寄らせてもらうよと、女将に声をかけたのです、


遅くなったので、他のお客さんに迷惑になるといけませんから、このくらいでお開きにします、まだ時間がありますからゆっくりしてくださいと挨拶し居酒屋を出たのです、女将とゆめ、

がそれでは、これで失礼します、後は二人みずいらずで楽しんでください、部屋には寝酒と肴の用意をしておきましたというので、別れて部屋に戻ったのです、部屋に戻ると、


お膳に酒と塩辛が乗っています、それでは寝酒といくかというと、楽しかったですねと酌をしたので、真一朗がメイに酌をして、500年後を辿るのもいいねというと、そうですね、

こんなに幸せでいいのでしょうか、何だか怖いですというので、いいんだよと抱き寄せ唇を重ねたのです、











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