陽炎の森(現代偏)6 そういえば杏里は苗字はなんと名乗っているのだろう、あの時代は苗字帯刀は許された者しか持っていないはずだが、庄屋の苗字を名乗っているのかも知れないと思った
陽炎の森(現代偏)6
そういえば杏里は苗字はなんと名乗っているのだろう、あの時代は苗字帯刀は許された者しか持っていないはずだが、庄屋の苗字を名乗っているのかも知れないと思ったのです、
それに携帯電話も持っていないだろう、住民票か運転免許証等の身分証明するものが無ければ買えないからねとメイにいうと、そうですね、この時代は戸籍がないと色々困る、
のですねというので、
後でマンションに電話して聞いてみるよ、ホテルで働いているから電話の取り方くらい知っているだろうといい、そうだここで携帯電話を買って送っておこう、メイも必要だから、
二台買おう、いまから行こうというと、東京でなくてもいいんですかと聞くので、全国どこで買ってもいいんだよ、全国に店があり、壊れた場合どこに持ち込んでも修理してくれる、
んだよと話し町に出かける事にしたのです、
フロントに夕食まで出かけてくると、部屋の鍵を預けホテルを出たのです、駅前の携帯ショップに行き、スマートフオンか電話にするか迷ったのですが、思い切って自分の持って、
いるのと同じスマホにしたのです、使い方を教えなければいけないので、違う機種だと自分も分からないかもしれないと思ったのです、家族用だといって2台を購入したのです、
30分もすれば全て手続きが終わります、
出来たので、一台をメイに渡し、一台は自宅に送ってくれるよう頼んだのです、ホテルに戻りメイに簡単な使い方を教え、真一朗の携帯へ電話をさせ話すとすごいと感心しています、
これで迷子になっても大丈夫だねと笑うと、迷子にならないようにしっかりくつついていますと言ったのです、昼の勤務ならもう家に帰ってきてるはずです、
自宅に電話しましたが出ません、ヤツパリ怖がってでないか、まだ帰ってきてないかと思ったが、暫く待っていると電話をとったらしく、ハイと女の声がしたので、真一朗だよ、
というと、大きな声でああよかったどうしようかと迷ったのですが、ず~と鳴っているので覚悟して取ったのですというので、そうか、かかってきても電話はとらなかったんだ、
というと、
ええ、大体10回もなって取らなければ諦めるのでそのままにしているのです、でも今回はず~と鳴っていましたから、何か緊急の用事なら真一朗さんに伝えなければならないし、
連絡方法がないのでどうしょうと思っていたのです、良かったというので、そうだと思って今日スマートフオンという携帯電話を送ったから明日には届くよ、使い方知らないよね、
というと、
大丈夫です、私が携帯電話を持っていないので機械に弱いのだと上役が勘違いして、自分のスマホで使い方を教えてくれて何度か触っています、慣れたら買うといいといっているの、
ですが、身分証明がないと買えないので困ったと思っていたのです、この世界は戸籍がないと困ることだらけですといったのです、
それでは充電の仕方も分かっていると聞くと、ええと答えるのでまず、箱から出し、充電しておいて、明日こちらから携帯に電話するよ、ところで苗字は何と名乗っているのと聞くと、
すみません、こちらの世界に来て皆、苗字があるので、困ってしまって、真一朗さんの苗字を借りて、村上杏里と名乗っていますというので、よかった、それでいいんだよ、マンション、
の郵便受けに村上真一朗とメイと書いてあるので、
その下に村上杏里と書いて貼り付けておいて、それから会社には電話と住所は必ず届けなければならないでしょうと聞くと、ええホテルの住所とホテルの番号を届けたんです、
かかつて来たら自宅ではない事がわかってしまいますが、そうなったら仕事をやめるしかなくなります、しかたないと思っていたんですというので、それでは引越した事にして、
新しい住所と電話を届けてというと、
何から何までありがとう御座います、これで安心ですといい、メイさんは旅行を楽しんでいますかと聞くので、メイに電話を変わったのです、楽しそうに話してじあと電話を切った、
のです、これで安心ですね、でも私と違って一人でこの一月近くこの時代で暮らして来たなんて、杏里さんはよっぽどしつかりしているのですねと感心しているので、歴史上の、
女性で鎌倉時代の源の頼朝の正室で北条正子という人がいるのだが、
杏里はそっくりなんだよ、といってもテレビのドラマの中に出て来たアンという女優なんだけど、おそらくプロデュサーがその北条正子にピッタリのイメージだったので使ったのだと、
おもうよ、あの顔立ちはうりざね顔といって、その時代の美人の代表だったのさというと、
私はうりざね顔ではありませんとふくれるので、メイは江戸時代の美人の代表みたいなもんだよ、時代によって美人の形態も変わるというわけさと話すと、ああ良かったと嬉しそうな、
顔をしたのです、食事の用意が出来ましたと部屋にお膳が運ばれて来たのです、みるとうなぎの蒲焼と海鮮料理です、女将が入って来て、この蒲焼のタレは当時からつぎたし、つぎたし、
で伝わったものです、
なんどか火事にみまわれた事があったそうですが、これだけは持って逃げたそうですと笑ったのです、500年前の村上真一朗様がお作りになったものが始まりで今にいたつているという、
わけです、それを500年後に村上真一朗様に召し上がっていただけるなんて、感無量ですと言ったのです、
食前酒でメイと乾杯し、蒲焼に箸をつけ一口食べると、ふつくらしていてとても美味しいので、二人で美味しいです、さすが500年つぎたしたタレですねと感心したのです、ここは海にも、
近く新鮮な魚も取れるのですよ、さあ箸をつけてくださいというので、食べるとどの魚もあまみがあり歯ごたえがありとても美味しいので、さすが取れたては違いますねというと、
村上真一朗様も同じような事を言っておられたと日記にかいてあります、
まるで本人が500年の時をこえてこの時代に来たみたいですねと笑うので、何か知っているのかも知れないと思い、その公儀のお役人は一度しか来なかったのですかと聞くと、ええ二度、
は来られた記録は宿帳にもありません、ところでその時代に宮本武蔵という剣豪がいた事をご存知ですかと聞くので、ええと返事すると、その人には宮本伊織という子供がいたそうでが、
真一朗様とは仲がよろしかったそうです、
なんでも大事にしていたご自分の刀の鍔を真一朗様に上げたらとても喜んでいたそうですと話すので、それは親父殿の鍔ではありませんかといって、しまったと思ったのですが、知らん、
顔していると、ヤツパリ500年前にお立ち寄りくだされた、村上真一朗様ですね、500年の時空を越えてきてくださったんですねと言うので、どうしてそう思うんですかと聞くと、
懐から一通の折りたたんだ手紙を取り出し、真一朗に渡したのです、これはその後諸国巡察に立ち寄られた、宮本伊織様と奥方の笑美様がここに逗留された時にたくされたもの、
です、というので広げると、真一朗殿が掃除なされたこの宿場は、ご指南されたうなぎの蒲焼の名産地として大変繁盛しています、ここの女将より真一朗殿の事を聞かれたおり、
うつかり、遠くに旅立たれたというてしまったのです、
女将が亡くなったのではなく元の世界にお戻りになったという事ですねと聞くので、なぜ分かった聞くと、あのような人がこの世界の人のはずはありません、きっと神が私達を助ける、
為につかわされたのでしようというので、500年後の世界から来た事をはなすと、驚きもせずお戻りになりここにお立ち寄りくだされば、いいのですがというので、きっと来ます、
その時の為に文をしたためますとこれを書き女将に渡したのです、
笑美と柳生の者達と西に下り、巡察をしております、比較的平穏な街道がおおく、真一朗殿の悪人を退治するのではなく、善人に変える索にて長く平和が保もてるのだと実感しています、
そちらの世界でもメイ殿と諸国巡察してくだされと書いてあったのです、昔から引き継いだ文でございます、そろそろ500年経ちますのでおみえになるころとお待ち申していたのです、
と女将がいうので、
よく信じられましたねというと、このような事を冗談では書き残こせません、信じるしかないではありませんかと笑ったので、渡良瀬の森からタイムスリップしその時代に行き、
戻って来た事をはなし、メイはその時代から連れて来たというと、信じられない事ですが本当にある事なのですねと感激したのです、ところで女将さんにしては若いですがと聞くと、
27才です、母がなくなりまして、私が女将を引き継ぐ事になってしまったのです、小さい頃から家業を手伝わされていましたから慣れているのです、旦那様はとメイが聞くと、まだ一人、
なのです、気が強いせいか、なかなかいい人をみつけられなくてというので、こんなに美人の女将さんですから直ぐにみつかりますよと話すと、真一朗様みたいな人がいればいいのです、
がというので、メイが旦那様を取らないで下さいというと、
わかりませんよ、これも縁ですからと笑うので、旦那様がいなくなるとメイはこの時代では生きていけないのですと頼むので、馬みたいにしつかりたずなをつけておくのですよ、男の人、
は油断すると、馬みたいに何処かにすぐ行ってしまいますと笑うと、そうしますとメイも笑ったのです、
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