マルッセルの劇場へようこそ

（※8万文字時点でのあらすじである為、ネタバレを含みます）

フリーライターをしている主人公のダグラス・カインは、橋の修復工事と観光雑誌からの依頼を受けて、とある街へとやってきた。

その街の中央には、巨大な劇場がそびえたっており、街の中は平日だというのに、まるでフェスティバルかのように華やいでいた。

ダグラスは、下宿先となるウェスカーさんのお宅で荷解きをした後、うっかり居眠りをしてしまっていたが、ふと目を覚ますと、外から聞こえて来る奇妙な音に気がつく。

その音は、玄関のドアの向こう側から聞こえており、ドアを開けてみると、そこには見知らぬ中年男性が佇んでいた。

声をかけるが返事はない。
そればかりかその男は一点を見つめたままゆらりゆらりと体を揺らしているだけであった。

後にウェスカー…続きを読む