第2話 「だから止まるなと言ったよな」
■ところ 家 〜 一つ目の信号過ぎ
■じかん 001日目 08:14 〜 08:17
■たいとる 「だから止まるなと言ったよな」
家族共用の自転車は今父親がそのまま出張先に乗って行ってるので走るしかない。というかなんでパパンは自転車で出張してるの。パパ馬鹿なの? パパ馬鹿なの?
通学路に信号は五つあるが三つ目の信号以外は交通量多い方の車道と平行に渡るので青信号が多く、引っかからずに着く公算が高い。
口に咥えたままのパンをつまみ、改めて口の中に詰め込む。トーストを口に咥えたまま、遅刻遅刻〜! なんて言ってる余裕もない。
蒸し暑い夏も過ぎて、陽射しは強くても日陰だと涼しく、過ごしやすいここ数日。カラッと晴れた青空は夏の名残りをまだ残している九月中旬の月曜日。近くの大きなビルが唸り、そのまま
走り出す。
他の学校の生徒が自転車でりらせを追い抜いていく。走るのは嫌いじゃないけど、好きでもない。残暑らしい暑さはこのところ
「お
ドレッドノート
少し息の上がった声で「もしもし」とりらせが言うと音声
「あー、走ったまま聞いてくれ」と、
運がいいのか悪いのか、ちょうど最初の信号が赤に変わり、駐車場に白いセダンが数台
これは意識が加速したのか。
多分周囲の他の人たちも同じような感覚を味わったのではないか。とりらせは思う。
急に周りがスローモーションのように思えたというあれ、走馬灯のようにというあれ、短時間に大量の感覚情報が
進行方向の信号は赤で、りらせの近くで他の学校の生徒も足を止めて、足の裏には点字ブロックの凹凸の感触があって、ガバガ・マートはそれはもう誰もが
りらせは走る。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます