【虚】(Kulona cell (くろな)様)

【大会出場の経緯】

https://kakuyomu.jp/works/1177354054883925466


こいつは楽しみを求めていた。だが、自身の能力故に楽しむ事が出来なくなっていた。まともに何かをしようとしても相手は同じ事を考える。つまらない。どんな強者を相手にしても結果は同じ。そして、何度も死のうと思ったが自身にも干渉できない為。死ねなかった。そして、相手だけが自身の攻撃で死んで行く、、、そんな中強者が集まる大会があると聞き、参加をする事にした。己を楽しませてくれる奴が現れると信じて。だが虚はある項目を確認する。

「ほう、死んでも蘇生か」

つまりこの大会で死ぬ事は不可能である。だが、

「俺を楽しませてくれ、、、せめて普通に全てが俺の思い通りなんて面白くない、、、」

虚は勝っても負けても良いのだ。自分を楽しませてくれる存在と出逢えれば。




【虚の戦闘描写など】


俺は虚、、、名前は無いがそう自分で読んでいる。常に楽しみを追い求めているのだが、どうも楽しめない、、、その理由は俺の能力にある、、、自らを虚といった存在、、、それは生物なのかも分からない。そいつは実体も無い、、、そして現在も俺は近くにいるウサギを見る、、、だが、そのウサギも俺と同じ様に自分を見ようとしている、、、

「はぁ、、、またか、、、」

虚は念力で声を出す。まずこの存在に発声器官などは存在しない。今ある姿も仮に作っているだけだ。そしてウサギもふーっと息を吐く、、、そう虚と言われる存在の能力だ。この能力は無意識に発動してしまい、他の存在は虚と同じ思考をするようになる。

「ウサギじゃつまらないな、、、何も楽しめやしない、、、他を辿ろう、、、」

虚は空間を移動した。もともと実体が無いのもあり移動はワープだ。そしてウサギも自分の住処へと足を進めた。そして、虚は他の世界に来ていた、、、

「この世界に俺を楽しませてくれる輩がいれれば嬉しいのだかな、、、」

そう虚は呟く。虚は別の空間も移動が出来る。そして虚の能力は別の空間でも発動する。例え相手が別の空間に居たとしてもだ。虚がこの世界に来る前にこの世界には勇者と言われる存在がいた。だがその勇者達は既に虚と思考が一致していた。

「この世界に俺を楽しませてくれる輩がいれば嬉しいんだが、、、」

多少の言葉のニュアンスは違えど思考は一致した。そして虚が勇者達の前に降り立つ。そして、

「虚という存在を殺す」

虚は自分自身を殺すと言い放ち自分を攻撃しようとする、、、そして勇者達も同じ様に虚を狙う、、、だが、

「やはりダメか、、、」

虚が手を緩めると勇者達も手を緩めた。そう虚のもう一つの能力、、、それは自分は直接干渉できず相手も干渉できないと言うものだ。他の存在は虚に攻撃を放っても一切干渉はできないそれは勿論自分もだ。虚は話す事は出来る、、、そして相手にも伝わる、、、そして思考を同一化させることはできる。だが、直接は干渉出来ないのだ。

「ここもダメか、、、俺を楽しませてくれ」

虚はそう言う。だが相手も同じ事を呟く。

「ああ、そうか、、、俺は仲間と戦いたい、、、本気で」

そう口にした。すると勇者達は仲間達と本気で戦い始めた。虚も仲間と言うものが見えた様に本気で戦っている。だが、虚は何も起こっていない。干渉出来ないのだ。そして仲間なんていない。虚は勇者達を想像して戦っているのだ。本気で。どうやって痛めつけようかと、、、その間虚は本気で楽しそうに戦う想像をしていた。そして、それに合わせて勇者達も傷を負っていく。だが暫く時間が経つと、、、虚は、、、飽きたかの様に

「はぁ、、、つまらない!つまらない!やはり俺は駄目なんだ、、、こうやって他人に干渉し、自分は干渉出来ない!そして、他の奴は俺と同じ事を考える!そんなの全部結末が分かってるじゃねえか!何が自分の思い通りになればいいだ!ふざけるな!」

虚は中身が変わったかの様に癇癪を起こす。そして、

「こんな人生意味なんて無い、、、!俺がいても駄目だ!死ぬ、、、俺は死ぬんだ!うおおおぉぉぉ!」

虚は気が狂ったかの様に暴れ出し死のうともがき始めた、、、そして暫くの時が経った、、、そして、、、

「、、、またか、、、」

周りには勇者達の自殺した死体が転がっていた。だが虚は無傷である。何故なら、、、直接干渉出来ないのだから。

「また次を当たるか、、、」

そして虚は次こそは自分を永遠に楽しませてくれるものがいると信じて探しに行った。

そして、、、とある日の事だった。

「やぁぁぁ!」

(スッ!)

最初に、自分に攻撃を入れた奴が現れた。そいつは認識されない能力を持っていたのだ。しかし、虚に攻撃は入らない。そいつは攻撃を虚に当てる事は出来ない。直接干渉出来ないのだ。そのまま虚はそいつの存在に気がつかないままその世界を去って行った。もしも、そいつが攻撃を当てられたとして無駄だっただろう。そして虚には実体なんてものは存在しない。虚の能力は一度でも存在を察知した時から無意識に発動する。ダメージを受けたということは何かが起こった、、、つまり現象を認識する。虚はその現象ごと認識して無意識にそいつの思考を奪うだろう。一度消滅系の奴と出会って虚は虚を消滅させると言う事を考えた、、、だが、結果は駄目だった。そいつは空にひたすら消滅の攻撃をしたのだ、、、そして虚は消滅しなかった。そう、干渉出来なかったのだ。虚は自分を楽します強者を求めて今も彷徨う。




【虚の目的】


「ほう、、、この大会には色んな個性を持つ者がいるのか、、、皆今まで戦ってきた者達とは格が違うな、、、」

虚は大会のエントリー表を見て考察をしていた。

「不死、、、かこれはこれで決着はつかなそうだな、、、俺を永遠に楽しませてくれそうだ、、、」

虚は今回のこの大会の目的は自分を常に満足させてくれる奴を捜しての事だった。そいつが見つかれば虚は満足だ。そして元の世界に戻った後に自分を満足させた対戦相手の世界に行き永遠に付き纏う事を考えていた。はた迷惑な話である。

「ふむふむ、、、俺の干渉をも無効化か、、、面白い」

虚は、自分の直接無干渉の特性も良く思っていなかった。物を掴むことも相手に触れる事も触れられる事も出来ないのだ。勿論直接の攻撃も不可能であるが故に自分の出来る事、手段が限られるのだ。それは楽しむ方法も減ると言う事なのだ。そして干渉無効を突破したとして何なんだと言う話だ。虚には実体が無い。存在ごと消滅させるなりなんなりしなくては虚は倒されないのだ。さらには今まで何度も強敵と戦ってきた虚である。流石に一瞬で消される事は無い位の対抗する力はある。それに普通の移動で次元を移動する速度だ。回避する事は可能であろう。だが虚は自分をそこまで楽しませた相手を認めるだろう。だがずっと干渉無効を解除されたならばで虚は楽しみを増幅させる。存在に干渉出来る事は虚にとっても嬉しい事なのだ。虚は次元魔法で戦う。次元の狭間で押し潰すなり、場外に飛ばすなりして攻撃する。そこからが本当の虚だ。虚は敢えて干渉無効を解除出来る相手に遭遇したならば自分から当たりに行く可能性も高いだろう。自らのさらなる楽しみの為に。

「俺の同一意思を無効化できる者は少ないか、、、そして発動も俺より早いのは難しいか、、、」

虚は少し肩を落とす。自分の同一意思は発動では無く常に存在認識発動である。相手がいると認識した時点で発動する。そして、神をも従える強さの同一意思が故に中々無効化するのは難しいだろう。あくまでこれは状態異常の毒とは違うのだ。これに対する耐性を持つ者は少ない、、、。虚にとってはこの個性が一番嫌いだった。自分と相手が同じ事を考える。だがあくまで同じ内容なので相当ぶっ飛んだ思考の奴だったら捉えるニュアンスによっては違う動きになる事もあるが相当ぶっ飛んだ思考の相手でない限りそれは無いだろう。どいつと相対しても相手の反応は自分の思考と同じ、、、これほどつまらない事は無い。

「移動に関しては問題ないか、、、」

虚は次元を跨いで普通にすり抜けて移動する。一種の瞬間移動的な移動の仕方だ。そして、、、

「ほう、こいつは下手をすれば俺は消されるな、、、」

虚が興味を持ったのは現実を改変するという能力を持った者だった。無限次元を持ち、全ての事象も弄れると言うのだ。それを二回使えば虚は消される。一回目だ干渉無効の無い世界に改変した上で消されるのだ。無限次元なので抗うことは虚でも難しいだろう。だが、虚には同一意思があった。

「!?こいつは!」

虚はある存在のエントリー表を見て心を躍らせた。

「精神生命体、、、多重意思か、、、素晴らしい!」

虚は酷く感動した。多重意思と言うことは何個か意思があると認識していても全ては認識出来ず相手は思考能力が多少落ちようとも関係無く動けるだろう。こいつならば虚の同一意思に対抗できる。そして、

「ニュクスか、、、これは俺には効かないな、、、先ず俺は生物では無いし直接干渉無効がある」

だがそいつはどんな武器でも呼び出せるらしい。それならば干渉無効を突破する武器もありそうだ。そして未来予知も可能と、、、それならば虚が回避する先も予想可能だ。だが、虚には実体は無い。相手に見えているのはあくまで映し出している姿だ。予知が出来たところで問題は無いだろう。だが最後のニュクスといやつで引きこもられたら勝ち目は無いだろう。負ける事も無いが。だが虚はこいつと戦えれば満足だろう。そうなのだ同一意思に対抗出来る者それだけで虚にとっては感動物だ。

「色々興味深いな、、、どれでも良いんだ、、、飽きた世界に改変を、、、」

虚は写しだした仮の実体に笑みを浮かべエントリー表の前から立ち去った。

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