概要
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- ★★★ Excellent!!!我々とは、繰り返す生き物なのだろうか。人間の意味を問うSF。
人口爆発による、食糧、水不足が嘆かれる、少し未来の東京に、ある巨大な建造物が現れた。主人公、泊翔馬はその正体を探ろうと、バイクを走らせる。
突如東京に落とされる核爆弾。逃げ惑う人々。その時、正体不明の建造物は、宇宙船という正体を晒し、地球を飛び立つ。
……という、緊張感の高い幕開けなのですが、その宇宙船の中で暮らす人々の生活は、非常に穏やかで人間的。お金は意味を失くし、仕事もなくなった人々は、限られたメニューではあるが宇宙食を楽しんだり、ゲームに興じたりします。時折、変わり果ててしまった地球に思いを馳せつつ、今を生きるその様は、人とはどこに行っても、変わらないものなのだろうかと考えさ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!カレー、シチュー、肉じゃが、餃子、おでん
作中に登場する「宇宙食」のメニューです。この五種類しかありません。カレーはカツカレーも登場します。餃子は水餃子。
作者さんの作品は、こういった小ネタ的なものに独特のセンスが発揮されており、楽しくてつい、読み込んでしまいます。
小ネタが生きてくるのは本筋がいいからで、そのストーリーテラーぶりは想像のはるか上を行きます。また、どのキャラも人間臭くて魅力的です。
突飛な展開をするようでいて、あざとくはないのです。ここが最大の魅力かも知れません。真摯に書いていたらこうなった、という感じで、とても好感が持てます。
このレビューからは内容がよくわからないと思いますが、読んで損はありませんので、気…続きを読む - ★★★ Excellent!!!「終わりの始まり」から飛び立っていく一筋の希望
まるで、いきなりラストシーンかと思ってしまうような展開から広がっていくSF作品。
宇宙船内での日常。絆を深めていく仲間達との穏やかな生活の中に、どうしても見え隠れしてしまう故郷へ向ける悲しみ、行く先の不安の表現が絶妙です。
やがて不安は現実になり、人類は決して避けて通る事の出来ない重大な選択を強いられてしまう。
人類が繰り返してきた歴史、そして運命の中で掴んだ「絆」を背負った主人公は、存亡を賭けた戦いに身を投じる。
新天地へ向かいながら繰り広げられる巨大宇宙船内での生活、出会い、出来事などの中に散りばめられた多くの複線、そして「ペーパーパソコン」や「スカイ・ビーグル」と言った未来世界を彩る…続きを読む