陸上の渚 ~異星国家日本の外交~

作者 龍乃光輝

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★★★ Excellent!!!

日本と同等の文化、軍事力を持った未知なる異星国家との交渉を描いた作品。
群像劇ではあるが日本の言語学者と異星軍人の二人が主な視点。食料問題で異星と揉めた時点でゲームオーバー、交渉する異星国家の周辺国の仕掛けを回避せねばゲームオーバーと中々厳しい。
日本人みたいなメンタルの異星国家とのやりとりが微笑ましい。
掴みは弱いので5話までは読んで欲しい。

★★★ Excellent!!!

 地球に迫る巨大隕石の衝突により、人類は全滅した……かに思えたが、隕石落下の瞬間、日本は本土ごと見知らぬ惑星に転移していた。異星フィリアに転移した日本人たちと、現地の異星国家イルリハランの双方の視点から描かれる、日本国憲法や国際法などが絡み合う外交シーンが興味深いです。

 生身で空を飛ぶ異星人リーアンと歴史的ファーストコンタクトをした言語学者の羽熊洋一。彼とリーアンの女兵士ルィルの二人がまったくのゼロからお互いの言葉を学んで、お互いの文化や習慣に触れていく光景に好奇心をくすぐられます。

 そして個人レベルの交流から、次第に国家レベルの交渉へと舞台が移る。地面を本能的に忌避する異星人リーアンたちは地下資源が欲しい。一方、日本人たちは貿易を開始しなければ食糧問題で危機に陥る。お互いに交渉カードを隠しながら、無用な戦争を避けるために歩み寄っていく過程にリアリティがあります。

 人種の違いはあれど国民性が似ている日本とイルリハランは急速に信頼を深めていくが、隣国レーゲンが日本の地下資源を狙い侵略を開始し、否応なく戦争に巻き込まれてしまう。

 一刻も早く異星社会で国家として認められるため、自衛隊、政治家、そして通訳に抜擢された羽熊たち、多く人々が日本の命運を賭けた外交交渉に挑む姿に胸が熱くなりました。

(「未知の惑星へ」4選/文=愛咲優詩)