太郎とお里と夫婦の竜　～島原天草ノ乱ヨリ這イ出シ大蛇～

島原天草の乱――戦国最後の戦いにして、日本史最大の一揆、そして切支丹悲劇の戦い。
幕府軍に参加した青年太郎は、原城陥落の日、唯一の肉親である父を殺された。
仇は父と因縁のあるらしき怪僧、森宗意軒。

故郷の小国へと戻った太郎は、近隣で起きる少女失踪事件の手掛かりを求めて、仲間たちと共に豊後との国境である涌蓋山を目指す。
そこには仇敵森宗意軒が率いる、黒衣の集団が巣食っていた。
奴等の魔の手に落ちた少女お里を、果たして太郎は救い出すことができるのか！？

熊本県阿蘇郡南小国町に存在する夫婦滝――そこに伝わる太郎とお里の物語。