概要
笑顔の眩しいまっすぐ輝く女性、美里 響花(みさと おとか)。
光稀と仲の良い幼馴染でもあるバスケ部エース、中城 侑(なかじょう あつむ)。
光稀、侑と仲の良いカメラの魅力にハマった沢渡 透子(さわたり とうこ)。
そんな三人の行きつけカフェ【frappé】で働く瀧本 泉(たきもと いずみ)。
そして――家族の葛藤を抱える光稀の妹、越前 未来(えちぜん みく)とワタアメ。
光稀が響花に恋に落ちたことによって、複雑に絡み合い、交差していく6人の〈矢印〉。
季節の移り変わりとともに光稀の周りで巻き起こる家族の問題、将来の選択――
これらの困難に立ち向かい、少年はひとりの大人へと成長していく。
これはひとり
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- ★★★ Excellent!!!恋のゆくへは単方向だからこそ美しい
すれ違う想い、大切な何かが少しずつ歪んでしまう現実。個性的な登場人物たちがそれぞれが抱いている感情、そんな情景が複雑に交錯していく物語は、読んでいて切なくもあり、その矢印の行くへはどこに向かうんだろう、と読み手の心を揺さぶっていきます。
本作のタイトル「シンプレックス」から連想されるのは、想いや感情の双方向性と言うよりは、むしろ単方向性に垣間見る情景の美しさ。それぞれの“やじるし”は結局のところ、単方向でしかない。だがしかし、単方向だからこそ、大切な存在に気づくことができるのかもしれません。双方向では見失ってしまうものが確かにある……。一見すると逆説的なテーマではありますが、それこそが…続きを読む - ★★★ Excellent!!!シンプレックス→(“こめ”じるし)?!
日本人の主食といえば“米”である。我が国における稲作の歴史は縄文期まで遡る、という説もあるが、機能的で合理的な組織農業は弥生時代に確立したものといわれる。社会が上下関係で構築されるようになった理由であり、使う人間と使われる人間の区別が明確化したのもこの頃である。
米食文化は日本人の生活体系に様々な関わりを持つようになった。その代表例として“格差”がある。持つ者と持たざる者という両端を生み落とし、結果、社会が縄張り争いの場となった。持つ者は虐げ、持たざる者はそれに反発する。日本に限った話ではないが、こういった世間の構造は三千年を経た現代でも変わっておらず、ニュースでは頻繁に「格差格差」と騒ぐ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!最高の感動で綴る青春小説。やじるしに込められた想いにひたすら涙でした。
切ない心理描写と鮮やかな情景描写が巧みな作者さまによる、涙なしには読むことができない青春小説です。
物語は、高校三年生のみっくん(メンバーは愛称で呼ばせてもらいます)が、ある女性に恋をしたことで進んでいきます。
みっくんを支えるのは、同級生の活発な女の子のトーコちゃんと、イケメンだけど奥手のあっくん。さらに、三人が通うカフェで働く泉ちゃん。そして、訳あって心に傷を負ったみっくんの妹の未来ちゃんと、個性豊かなメンバーです。
ストーリーのベースは、みっくんの高校最後の一年間を綴る青春モノですが、舞台を盛り上げる為に用意されたのが、メンバーたちの想いを形にしたやじるしです。
そして秀逸な点…続きを読む - ★★★ Excellent!!!爽やかさと甘酸っぱさが程よい、フルーツティーのような作品です。
若者が織りなす、「矢じるし」の物語。
主人公の高校生は、年上のトリマーの女性に恋をします。
恋愛模様だけでなく、「家族とは?」「友情とは?」にも突っ込んだ作品です。
作中に描かれる小物のセンスが良く、こんなものに囲まれて生活したいと思ってしまいます。
現在20万字近くの大作ですが、読む手が止まりません。
爽やかで甘酸っぱい物語。
フルーツティーを味わっているようです。
作中のカフェ「フラッペ」にも行ってみたいです。
ティートリコを注文して、学校帰りにカフェに来る“彼ら”を遠目から眺めてみたくなりました。
……あ、泉ちゃん! ドリンクおかわりありますか🍹 - ★★★ Excellent!!!切なくも輝いている感動の青春恋愛小説! 泣ける!
かなり年上の綺麗なお姉さんに恋心を抱く、高校生の光稀くん。
そして光稀の親友、侑にトーコ。三人がいつも通うカフェで働く泉ちゃんも加わり、恋の矢印が複雑に絡み合うほろ苦い恋愛物語。
しかしこの矢印が一方通行ばかりで。。。
高校生らしい、純粋で不器用な恋愛が描かれていて、心が洗われてしまいました。
すごく切なくて、物語のあっちこっちで泣きそうになるシーンがたくさんあります。
キャラ一人ひとりの視点が切り替わる形で描かれているので、読者としてはキャラそれぞれの気持ちを知ってしまう。さらに各キャラの心情の動機付けとなるエピソードがしっかりしているので、それゆえに登場人物一人ひとりの辛さ、葛藤がひしひ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!やじるしと、やじるし。
青春の一年間を、そのまま描いたような一作。
甘酸っぱい恋、友人、家族と、主人公を取り巻く人物や環境について、とても自然に、細やかに描かれています。
青春とは、ときに優しく、そして苦しいもの。
その葛藤さえも、愛おしい。
様々な登場人物が向かう方向。それを示すのは、いつも、やじるし。
導かれるように、ときに自分で決断し、彼らは、進んでゆきます。
誰かを想うこと。
それは、やじるしの向く方を、見遥かすこと。
悩むこと。
それは、やじるしの意味を、考えること。
それらが、ときに重なり、交差してゆくのが、人の中で生きるということであり、きっと、彼らは、それをこそ求めているのでしょう。
…続きを読む - ★★★ Excellent!!!この人が大好き。真っ直ぐ走る矢印。
連載中の作品にもかかわらず、私は早々に星を連打してしまいました。
主人公は、越前光稀。にっこり笑うと、こぼれる八重歯が眩しい高校生です。
彼は、いつも大切な人達に囲まれています。
同級生の中城侑、沢渡透子。
行きつけの店の店員、瀧本泉。
光稀の妹、未来。
美しい春の風景の中で出会った初恋の人、美里響花。
六人の男女が持つ、気持ちの矢印。
その矢印を通してみえてくる、年頃にして味わう残酷な現実。
彼らが持つ事情や思いが作者様の溢れる表現力で彩られる物語です。
春から物語は始まり、一年をかけて傷付き、成長し、乗り越え、それぞれの選択を認め合う日々を経て、
最終章の【冬】の幕が上がろう…続きを読む - ★★ Very Good!!青春が、青春がっ! 眩しい…(>_<)
レビュー時点ではまだ4話。でも、高校生男子の初々しい初恋の様の悶えます。悶えまくってます!…危うく、ベッドから転がり落ちるところでした(笑)
この作者様のお話は人物が丁寧に描かれています。そして背景がしっかりと創りこまれているためか、皆が皆、とても魅力的なのです。
…みんなかわいいなぁ、とオッサン臭いコトをつぶやきながら悶えているのです。
魅力的なキャラクタがまだまだ出番を控えています。→(やじるし)の先に想いをはせて、彼たち彼女たちと一緒に青春を感じてみませんか?
…えぇ、もちろん私の青春はこんなに甘酸っぱくありませんでしたとも!!