最高の感動で綴る青春小説。やじるしに込められた想いにひたすら涙でした。

切ない心理描写と鮮やかな情景描写が巧みな作者さまによる、涙なしには読むことができない青春小説です。

物語は、高校三年生のみっくん(メンバーは愛称で呼ばせてもらいます)が、ある女性に恋をしたことで進んでいきます。

みっくんを支えるのは、同級生の活発な女の子のトーコちゃんと、イケメンだけど奥手のあっくん。さらに、三人が通うカフェで働く泉ちゃん。そして、訳あって心に傷を負ったみっくんの妹の未来ちゃんと、個性豊かなメンバーです。

ストーリーのベースは、みっくんの高校最後の一年間を綴る青春モノですが、舞台を盛り上げる為に用意されたのが、メンバーたちの想いを形にしたやじるしです。

そして秀逸な点が、このやじるしが誰とも交わらない一方通行の想いであることです。

そうなると、仲のいいメンバーの絆にもヒビが入るわけなんですが、そのヒビを修復させていく過程は、本当に胸を打たれました。

ネタバレは避けたいところですが、一つだけ紹介したいシーンがあります。

それは、泉ちゃんが公園で主人公のみっくんにだけ涙を見せるシーンがあるのですが、このシーンはハンカチでは足りないくらいに泣かされます。ぜひ、バスタオルを持って探してみてください。

といった感じに、一年間を通して色んな事が起きますが、最後には読者さまに最高のプレゼントが用意されてますので、ぜひ、一年間彼らと青春の思い出を作ってみてください。

喜怒哀楽の宝石箱のような素敵な作品と、楽しい読書時間を本当にありがとうございましたm(__)m

感動モノが好きな方はもちろん、もう一度青春を過ごしてみたい方には特に自信を持ってオススメします!!

喜怒哀楽の波にホッと一息つかせてくれる、みっくんの愛犬ワタアメのかわいらしい動きも最高ですよ!

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