第14話 ソロモンの贈り物
俺は何人かに問い詰められた。
「ノア様はこの世の人間ではないと言う事なの!?」
「いや、俺の体はこの世界の物だ。でも、俺の意識は前世の別世界の物だ」
「まあ今までそんなことがあったとか言われてたし。でも、実物を見るのは初めてかも」
「なんだよ。お前ら全員何億年って生きてるんじゃないのか?」
そう言うと、アモンが答えた。
「いえ。私達は差ほど長寿という訳ではありませぬ。ですから見た事がないのは当たり前のことでございます」
そう言うと俺も納得ができた。まあ、悪魔と言っても案外命が続く訳じゃないのだ。
「さて、取り敢えず君達は地上に。ノアは家に帰った方がいい。あと、ちょっと目を瞑って」
ソロモンはそう言うと、俺の目にキスをした。瞳に。……え!?
「な、何してんのお前!!」
案外痛くないな。
「僕からの贈り物。君の右目は魔眼になったんだ。君は信じあえた72柱の能略を共有することができる。つまりアガレスと繋がった君はアガレスの能力である未来、現在、過去、対象物の生い立ちや行動などが自由自在に見える。ただし、条件として対象物を凝視する必要があるけどね。同じ人にでも何回でも使えるよ。あと、スペシャル機能として対象物の考えていることも分かるんだ!まだまだ色々と機能があるからよろしくね!まあ、これから大変だと思うけど頑張ってね」
そう言うと、俺は光に包まれた。
「あ、あと、72人はその指輪に入ってるから何かあったら頼るといいよ。じゃあね、また縁があったら会おう」
そうして、俺は魔界から地上に着いた。
そしてついた所はいつもの部屋だった。
「わお。一瞬か。まあ、いいか。学校いこっと」
俺は鞄を持って馬車に乗った。
学校に着いてからリビアに今日朝起こったことを話した。
「お前、ヤバい奴と関わったな。兎に角、この話は少なくとも王家の奴にはするな。あいつらは魔界を滅ぼそうと思っている。お前の力を利用するかもしれないからな。あと、混乱を避けるためにもその話はクラスメイト。いや、この学校の中にいる人間には絶対にするな。分かったな」
「ああ」
相槌を打つと、リビアは俺の肩をポンッと叩いてからそのまま歩いて行った。しばらくしてカリストファーとアダムが俺の前に立っていた。
「ノア、一緒に帰ろうぜ」
「ああ」
いつもの3人で帰る事になった。魔眼ってのは本当に使えるのだろうか。俺は試しにカリストファーを凝視してみた。
「な、なんだよ」
『なに見てんだよ。やっぱ今日ノアにあげようとしてたパフェがあったのに我慢できなくて食べたことがばれた!?いや、そんな訳……』
俺はハアと溜息を吐いた。
「なんで溜息を吐くんだよ!?」
「いや、お前は幼稚だなと思ってな」
「喧嘩売ってんのか!?」
そうして俺達は騒ぎながら帰った。
俺はそのまま冒険者ギルドに行った。その理由は自分が強くなりたいと思った願望だ。
「いらっしゃいませ」
「ギルド登録をしたいんだが」
「畏まりました」
俺は意識的に受付嬢を凝視してしまった。
『はぁ。子供がギルド登録なんてなめられたものね。経験不足ですぐ死んでしまうのかしら』
それが頭に流れ込んで来た時、俺は小さな声で言った。
「経験不足だったらここに来てねぇよ。人を見る前にその目を養えっての」
そう言うと受付嬢は驚いた顔で俺を見ていた。俺は笑顔で受付嬢を見ていた。
「も、申し訳ありませんが、こちらに手をかざしていただけますか?」
俺は言われるままに手をかざした。すると、光をだし、受付嬢は出て来たモニターみたいなものをずっと見ていた。
「うそ!こんなのある訳ない!!七属性を掌握しているなんて!?」
そう言うと周りの冒険者たちが騒ぎ始めた。受付嬢は何度も同じことをしていた。何回やっても結果は変わらない。
「悪いけどこれは本当だぞ。俺は生まれた時から七属性を極めて来たんだ。こんなの当たり前さ。早く登録してくれないか?」
俺は偉そうにそう言った。すると、俺の後ろに図体の大きな男が立っていた。
「お前、俺と戦え」
「受付嬢さん、俺早く帰んないといけないんだけど」
「無視するんじゃねぇ!!」
そう言うと大男は拳を上に振りかぶって落とした。俺は少し頭を横にずらした。
「ちっ!」
「おっさん。無暗に物を壊しちゃいけないってお母さんに習わなかったのか?」
「うるせぇ!さっさと俺と戦えって言ってんだ!!」
「なんでさ。お前と戦ったってメリットないじゃん。このままいけば俺はAランクの冒険者。見るからにお前はCランク。一目瞭然だろ」
そう言っても聞き分けのない大男は俺の胸倉をつかんだ。
「おいおい、服が伸びるだろうが」
「うるせぇんだよ!俺とさっさと……」
大男は俺の顔を見て固まった。それは俺が思いっきり睨んでいたからだ。
「離せ」
殺意の籠った声でそう言うと、大男は素直に離した。
「どうも。受付嬢さん、登録はもう済んだ?」
「あ、はい。こちらがギルドカードになります」
そう言うと受付嬢は俺に受付嬢にカードをもらった。
「ま、まて!!」
「分かってる。今日7時、ミレイゲ湿原で待ってる。決闘はその時でいいだろ」
そう言って俺はそのまま歩いて行った。
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