第25話 見たことない一面
食事が終わり、俺は授業の移動をしていた。今回の授業は特別授業で王城の見学をするのだ。
「わぁ!すごぉーい!!」
「ってアカリ。お前一回来たことあるだろ」
「あ、そうでした」
そう言って全員で大きな声で笑っていた。だが、アダムはとても浮かない顔をしていた。
「さてと、いこーぜ!!」
「はい!!」
アカリとカリストファーは幼児の様にはしゃぎ始めた。
「アダム、どうした?」
「……え?な、何でもないよ?」
「そっか。それならいいんだけど」
俺はカリストファー達の後を追いかけて行った。なんか今日のアダムおかしいな。気のせいか?
「ノアー!早く早く!!」
「はいはい。分かったからはしゃぐのは止めろ。恥ずかしくないのか、18にもなって」
俺は冷ややかな目でカリストファーを見ていた。
「そ、そんな目をすんなよぉ!お前嬉しくないのか、王都の城に入っているのに!」
「まあな。俺、初めてこの城に来たって訳じゃないし。それに俺があの学校に行くことになったのは国王陛下が紹介状を書いてくれたしな」
「ま、まじかよ。本当は国王陛下様が紹介状を書いたって言う事に驚かないといけないんだろうけど何回もこの城に来ていることから驚いているからもう驚けない」
「うるせーな。あ!」
俺はある人を見付けて走って行った。
「ルークさん!」
「ん?ノアじゃないか。ああ、もしかして養成学校の城見学か?」
「はい!俺達高等級の1年は皆するみたいで」
「あそこに立っているのは君の友達か?」
「ああ、女の子の方は俺の義妹です。んで、こっちの赤髪は赤の他人です」
「おぉぉぉい!!」
「はっはっは。相変わらずだな。今日は訓練に参加するのかい?」
「そうですね。してみようかな、久しぶりに」
俺はあの無礼なおじさんのとこに行ってみる事にした。その間、カリストファー達は城内を探索すると言った。
「こんちゃーっす」
俺が挨拶すると、みんな手を止めた。そしてすぐに始めた。
「お久しぶりです、ノア様」
「あ、はい。あの、イアンはいますか?」
「ああ。イアンは今戦争の防衛に行っています」
「そうですか」
この世界にも戦争ってあるんだ。初めて知ったなぁ。
「戦争って言っても、国の奪い合いとかではなく単にお遊びみたいなもんだけどな」
ルークさん。戦争を間違ってもお遊びなんて言ってはいけない気がするよ。と俺は心の中で思っていた。そして周りにいた人達も思っていたであろう。
「ノアって尊敬してるやつにはとことん尊敬の念を送るよな」
「確かに。あたし、ノアのあんな顔見たことないし」
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