第12話 意地悪な態度
家に帰り、部屋で俺はぐっすりと寝ていた。今日は誰もいない日なのだ。メイド達はいるが基本的に大きな騒動を起こさない。リビアも講師の仕事で最近家に帰っていないのだという。正直ざまーみろといいたいくらいだ。
朝の日差しはとてもいい物だった。
「ふぁー」
俺は伸びをして制服に着替えた。今日は初めての授業だ。まあ、高等級の最初の授業となると、3級の魔導しかやらないと思うが。
「さてと、いきますか」
俺が部屋を出ると、珍しく誰もいなかった。しかも、嫌な感じがするのだ。
「なんか気持ち悪いな」
「おや、起きたみたいだね」
そう言って優雅にティーカップを持った男がソファに座っていた。そいつには何やら見覚えがあった。
「誰だよ、お前。ていうか、人の家に何の用だし」
「酷いな。この前会っているじゃないか。もう忘れちゃったのかい?」
その一言でカリストファーの妹誘拐事件の時会った男の事を思い出した。
「あんときのキモイ男か」
「なんか扱い酷くない?」
「で、なんでここにいるんだよ。てかお前はだれ」
「まあ、お忍びで来ているんだ。僕はソロモン。一応魔界で魔術師をしているんだ。君の噂はかねがね聞いているよ」
なんかマイペースそうな顔つきしてんな。まあ、自称イケメンって言ってただけ顔立ちはいいけど。
「会ってどうするんだよ。俺今から学校なんだけど」
「まあまあ。ちょっとだけ待ってよ」
そう言うと、ソロモンとかいう奴は俺に紙を渡した。それには、名前がずらりと並んでいる。
「なんだよ、これ」
「まあ、それは後に知ることになるよ。それと、この事は誰にも内緒ね」
そう言うと、男は消えた。
「何だったんだ?」
学校につくとやはり俺は皆に見られていた。
「おはよ、ノア!」
「ああ」
「なんだ元気がないな」
「は?なんでお前に会って元気になんなきゃいけねぇの」
「ひでー!!」
そう言って歩いていると、アダムが挨拶をしてきた。
「おはよう、ノア」
「おはよ、アダム。今日もモテモテだな」
そう言って後ろを見ると、女子達が騒いでいた。下駄箱の中身を見ると、色々と入っている。
これは前世のやつでも一緒か。
そう言って俺が下駄箱の中を開けると、箱がドバドバーっと出て来た。
「そう言ってるノアもモテモテじゃないか」
「これどうすんだよ」
俺は取り敢えず袋を先生から貰い、その中に入れて”
「アダム、お前最近
「そう言うノアも
「るっせ!」
黒王子とか意味分からんあだ名をつける女子の神経が分からない。
「黒王子と白王子か。なんかそんな感じがする名前だよな」
「お前も
「まじか!?」
そんな他愛無い話をしながら俺達は教室に向かった。
「にしても、あれもあれで凄いけどね」
そう言ってアダムが指差したのはリビアの周りにいる女子どもの目つきだった。あ、嫌な目つきじゃなくてもっとこう、憧れーみたいな目をしている女子がウジャウジャいるのだ。
「あれは論外だ」
リビアと目があったが、俺はプイッと顔を他の方に向けた。
「そう言えば、俺達のクラスの講師って誰なんだ?」
「それは私だ」
そう言ってぬっと俺の横に顔を出した。
「わっ!リビア……先生。脅かさないで下さい」
「悪いな!ちょっとおちょくってみようと思ってさ」
「それなら俺ではなく、他の肩にやってみてはいかがですか?先生」
「お前しかやれる奴はいないだろ?」
「先生とあろうものが、一人の生徒を過剰に接するのはよろしくないと思いますが。それに先生の立場上でもよくないと思いますよ」
「……お前、先生に強調つけるな」
「おや。そんなことしてましたか?先生」
そう言うと、ムカムカした顔でリビアは俺を睨んでいた。俺は優雅に本を読んでいる。なんか勝った感じがすげぇな。
「お前最近私に冷たくないか!?」
「そんなことはございませんよ。おや、もう授業の時間です。自分の持ち場に戻ってはいかがですか?」
そう言うとリビアはイライラした顔で教室を出て行った。
「お、俺、ノアと喧嘩したら勝てない気がする」
「偶然だね。僕もだよ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます