第5話 試験の結果
俺は魔道場のベンチに座っていた。
「ノア!!」
「カリストファー。どうだった?」
そう聞くと、グーと前に出した。
「さすがだな」
「ったりめーだろ!」
そう言うと、俺は講師に呼ばれた。しかもその呼んできた講師は……。
「リビア様!?」
「よっす!若者たちよ!!」
そう言うと、あっさり顔を晒した。
「なんでそう簡単に顔を晒すんだよ。ほら、カリストファーがフリーズしてるじゃないか」
「悪い悪い。ま、
「何だよ」
そう言うと、思いっきり手を振りかぶって俺の背中を打っ叩いた。
「いっ!!」
「気張れ!お前なら出来る!なんせ爺さんの弟子なんだからな!!」
リビアはグーサインを前に出した。
「ったく。これはいつかし返すからな。行ってくるよ。次は俺のピースサインを見せてやる」
俺は門を歩いて行き、魔道場の中に入った。
「……」
無言のアリナか。とても強そうな名前だな。ていうか、なんでそんな名前になってるんだ?ま、後で聞くか。
「では、試験を始める。規則は特にない。自由に戦ってよし。だが、決して殺すな。始め!!」
そう言われた瞬間、先輩は手をかざした。
「”
「”
俺が魔導を出すと先輩は一歩後ろに下がった。すると、また手をかざした。
「”
「”
「な!」
先輩は驚いたような顔で俺を見た。
「先輩、もっと難しい魔導でかかって来ないと負けるますよ?」
「……どういう事かな?」
先輩は初めて口を開いた。
「だって、俺はあんたよりも能力は上。今のままじゃ絶対に勝てない」
「それは分からないよ」
「分かるんだ。だって、俺は7属性を掌握してるから」
そう言うと魔道場の中はざわついた。
「嘘。そんなことできる訳ない。全てを掌握するには修行で4年はかかる!」
「その修業を5年間やっていたと言ったら?」
「!?」
俺は頭の上に手をかざした。
「”我に呼ばれし水の精霊よ。我の応答に答え給え。そして今一度、その力を前に現れよ!!
そう言うと水の花が周りに咲いた。
「これは触ると致命傷になる物だ。まあ、観賞用として作られたんだが。風神よ、風しんによりその力を現せ。”
そう言うと水華は空に舞った。すると、その部分だけ焦げていた。
「それって古代魔導じゃ!?」
「爺ちゃんが使ってたから見よう見まねでやってみたんだけど。ちょっと俺にはあってないや。じゃ、終わりにしようか。”
そう言うと、先輩に向かって走って行き先輩を巻き込んだ。先輩は巻き込まれ、気絶した。
「止め!合格だ、シュレインゴッツ君」
そう言うと講師の先生は俺に紙を渡した。そして出て来た所から戻ると、カリストファーが俺を迎えた。
「すげーな!その紙、試験合格って意味だぞ!!」
「そうなのか。まあ、いいや。俺は取り敢えず帰るわ。じゃあな、カリストファー」
「あ、ああ。また明日な!!」
俺はカリストファーと別れて医務室に向かった。その理由はもちろん先輩の見舞いだ。さすがにやり過ぎた。
「失礼します」
俺が入ると、先輩は体を起こしていた。
「あれ、シュレインゴッツ君。どうしたの?」
「その、一応謝りたくて。女性を傷つけるのは本意ではなかったんで」
そう言うと少し驚いたような顔をしてからクスッと笑った。
「君はまだ10歳なのに年相応ではないね。なんだか同じくらいの男子生徒を相手しているみたいだ」
それはそうですとも。俺は実際17なんだからね!逆にそう感じなかったら俺どうなんの!?
「よく言われます」
「やっぱりー。あ、さっきの本気出してなかったでしょ。駄目だぞー、本気でかかって来ないと!」
「でも、先輩も本気でかかってませんでしたよね。お合いこですよ」
「ま、それもそうか」
俺と先輩は大笑いをした。
「多分、君が学年代表だろうね」
「え?」
「あの紙をもらったら代表として1年間学年代表になるんだよ。つまり、新入生代表として入学式で話すって事」
「あー、そうなんですか…ってえぇぇぇぇぇ!?」
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