第4話 ファリファゴッゼ魔導師養成学校の試験
俺が馬車から降りると、またまたバカでかい家の門があった。
「こんなデカイもんほんとにいるのか?」
扉を開けようとすると自動的に開いた。
「お待ちしておりました、ノア様」
「あ!シシリア!久しぶり!!」
見たことある顔だった。この人は俺がまだ2歳位の時に世話をしてくれた女性だ。確か名前はシシリア=エリアンナ。俺が成長した後も何回か顔を出してくれたっけ?
俺は荷物をシシリアに渡して部屋に入った。
「さてと、勉強に専念しますか」
勉強をしているとあっという間に3日が過ぎてしまった。とうとう試験日だ。
「ノア様、鞄をお忘れなく」
「ありがとう」
俺が馬車に乗ると、メイドの皆は俺を見送ってくれた。
「行ってらっしゃいませ」
そう言うとシシリアがお辞儀をした。その後、全員がお辞儀をした。
馬車に乗っていると色々な人間が通っているのが見えた。庶民から王族貴族まで。とても賑やかだな。
「ノア様」
「あ、ああ」
俺が馬車を降りた。ほんとバカでかいわー。
「君も入学希望者?」
「え、ああ。そうだけど」
そう言うと、今気付いたかのように自己紹介をした。
「あ、ごめん。僕はリュートヘンデ=リューカス。よろしく」
「俺はノア=シュレインゴッツ。よろしくな」
俺は出された手を握った。
「それにしても小さいな。いくつなんだ?」
「ん?俺は10歳だ。飛び級でここに入学するんだ」
「え!10歳なの!?」
リュートヘンデはとても驚いていた。そんな珍しい事なのだろうか。飛び級なんてこの世界では当たり前の様な気がする。
「ノア=シュレインゴッツ君、付き合う相手を考えた方がいいよ」
後ろから声が聞こえた。振り向くと眼鏡をかけたいかにもインテリ系の男子が立っていた。
「なに?」
「君の隣にいるリュートヘンデ=リューカスは悪名高い。そいつといると悪名が君にも及ぶよ」
「ふーん」
俺は興味なさそうな声で答えた。
「正直、興味ない。忠告どうもありがとう」
俺はそのまま歩いて行った。
「ノア、あんな言い方!」
「いいだよ。それに、俺お前が何企んでるか知ってるしね」
そう言うとリュートヘンデは立ち止まった。
「何を言っているんだい?」
「お前は俺に近づいて取り敢えずの関係を取り持とうとしている。少なくとも俺よりも成績が高いと思っているから見下される心配はない。……じゃないか?」
リュートヘンデは図星を突かれたような顔をしていた。
「まあ、少なくともあんたよりも成績は上だと思うわ」
そう言って俺はそのまま歩いて行った。
試験は筆記試験と魔導師試験の2つがある。
「ノアー!!」
「なんだ、カリストファーか」
俺を呼び止めたのは俺の後ろで座っていたカリストファー=コンテェルだった。まあ、いわゆる筋肉馬鹿だ。
「なんだってなんだよ!お前筆記試験どうだった?」
「さあな」
俺はあっさりと受け流した。
「お前こそどうだったんだよ?」
「ま、まあまあ?」
「怪しいな」
「筆記は嫌いだ!魔導の方が俺は合ってる!!」
「次は魔導試験だぞ」
そう言うと一気にやる気が出たらしく、叫んでいた。
「ノア!対戦相手書いてあるぞ!!」
「はいはい。っと?俺はアリナ=シルフィード?誰だ?」
その名前を出した瞬間その場にいた全員は静まり返った。
「アリナ=シルフィードを知らないのか!?」
「ああ。そんなにヤバい奴なのか?」
「そりゃそうだ!だって
「ふーん。それは楽しめそうな相手じゃないか」
俺はにやりと笑っていた。さあ、相手になっていただきますよ、先輩。
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