第2話 イレギュラーな能力
次の日、俺はガングと国について習っていた。いつも4時に起きてそこから走り込み、朝食を食べてからガングさんの授業なのだ。
「ノア、ここはしっかり覚えておいた方がいいよ」
「はい!」
「ガング、少しいいかい?」
そう言って出て来たのは爺ちゃんだった。今日は勉強の後、魔導を爺ちゃんに教えて貰う予定だった。
「今日は卒業授業じゃ。自分の作った魔導を見せてみなさい」
「分かった」
俺は指を前に出して銃の形を作った。
「”
そう言うと途轍もない早さで俺が放った弾は当たった。
「な、なんだ、あれ」
爺ちゃんもガングさんも目が点になっている。これを見るととても気分がいいな。
「ノア、さっきのは?」
「”
その説明を聞いていたガングさんはとても呆けた顔になっていた。
「それは、簡単に言っているが結構凄い物なんじゃない?」
「そうじゃ。高等テクニックがないとできない。……まさか!」
僕は思いっきり笑ってから手を上に出した。
「まだあるんだなー。”
そう唱えると、青い火の玉が上に上がって消えた。もう驚いたとかそんなレベルではない。天才的な魔導センスだ。
「の、ノア!こっちに来なさい」
言われた為、俺は爺ちゃんの傍に近寄った。爺ちゃんは俺の腕を掴んだ。
「”
爺ちゃんは驚いたような顔で俺を見た。
「て、天使級じゃと!?」
「天使級!?こんな幼いのにですか!?」
俺はその天使級の意味が分からなかったまだ習っていないのだ。が、イレギュラーと言うのは分かる。
そこから俺は休憩時間になった。
休憩が終わり、俺は爺ちゃんの所に行った。そこには、リビアもいた。
「リビア!なんでここにいるんだよ」
「爺さんに呼ばれたんだ。まあ、ちょっとな」
そう言うとガングさんは俺に近づいてきた。
「ノア、王都のファリファゴッセ魔導師養成学校に通う気はないか?」
「え?」
俺はよく理解ができなかった。まあ、確かにイレギュラーな力を見せられれば誰だってそう言うだろう。
「君はまだ5歳だけど、学校に通う力は十二分にある。それに学力だって吸収力が早いからすぐに追いつくだろう。なんなら私が推薦状を出してもいい」
「待って待って。推薦状ってガングさん、一体何者!?」
「言ってなかったかな?私はファリファゴッセ王国、国王だよ」
「ああ、国王なのか。ってえぇぇぇぇぇぇ!?」
俺は載りのいいリアクションをした。でも、誰だってそうなりますよね?ね!?
「じ、じゃあ、今まで俺は国王に授業を教わって立って事?」
「そうなるね」
爺ちゃんの知り合いってホント凄いな。改めてそう思った。まあ、爺ちゃんは賢者だし知り合いもでかいのは目に見えてたけど。
「それでグワム様。どうでしょうか?」
「うむ。行ってみるのも良いのではないか?この場所だけでは世界が広すぎる。いつかはわしからも離れて生活して行かなければならないしの」
「じゃあ、あたしも行く」
リビアは元気よくそう言った。が、俺達はそれを予想だにもしていなかった為ほおけた顔になってしまった。
「な、なんだよ!」
「いやいや、なんでリビアがくんだ?」
「えー?まあ、ノアの保護者としてだな」
それを聞いた瞬間、俺は俺を遊びつくす為の間違いじゃないのかと思ってしまった。
「爺さんもいいだろ?どっちにしろ、爺さんはここからあまり遠くで暮らしちゃいけないし。孫の旅立ちが早くなったと思えば!!」
「お前に任すのが一番心配なんじゃ」
爺ちゃんは溜息をついた。
「まあ、わしよりは使える。問題児じゃが」
「一言余計だ!」
リビアは大きな声で叫んだ。兎にも角にも、俺は魔導師養成学校に通う事になってしまった。
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