第17話 どこに行っても同じ事
決闘を断ってから数日、俺はあいつに何度も申し込まれた。マジでめんどくさい。他を当たってほしいくらいだ。なんでよりによって俺なんだ?訳が分からん。俺じゃなくても他の奴がいるだろうに。暇人なのか?そんなに俺の事が好きなのか?いや、考えただけで悪寒が走る。止めておこう。
「おい!いい加減に決闘を受けないか!!」
「何でお前の決闘を受けないといけないんだ。お前、暇人なのか?」
「なっ!!そんなことある訳ないだろう!?本を読むとか色々あるんだ!!」
「じゃ、本でも読んでいろよ。それに、お前は俺に勝てないぞ」
そう言うと、インテリ君は納得できないような顔で俺を見ていた。
「いやぁ!止めて下さい!!」
そう言って大きな声が聞こえた。女の子が髪を引っ張られていた。
「あんた、この私に歯向かってもいいと思ってんの?
そう言って女子は寝転がっている女子を蹴った。
「いじめか。どこに行ってもこれはあるんだな」
「は?それはともかく、俺の決闘を……」
俺はインテリ君を押しのけ、いじめをしているところに歩いて行った。
「おい、何してんだ?」
「
「お前、もしかしてその女子をいじめているのか?」
「あ、いえ。ちょっとじゃれていただけですよ?そんなあなた様が気にする事じゃ……」
俺はその女子のところに座り、ハンカチを渡した。
「大丈夫か?」
「なんで……」
「別になんでもない。俺の気まぐれで助けただけだ」
俺は立ってすぐに俺は周りの女子を睨んだ。
「で?お前らは何してんの。じゃれてるだけ?お前、なんでもかんでもそれで済むと思っているのか?ん?」
そう言うと、女子達は怯えた様子で座っていた。
「言っておくが、俺はこういうじゃれつきは嫌いだ。それに、お前らの根性もな」
そう言って睨むと、女子達は泣いていた。そして丁度いい所にアダムがやってきた。
「ノア。どうしたの?」
「ん?ちょっとお灸をすえてたんだ。俺、こいつを医務室に連れてくから」
「分かった」
俺は傷ついた女子を抱えて医務室に向かった。
「あ、アダム様」
「あーあ。思いっきりノアに嫌われちゃったね。もう貴族業界ではやっていけないよー?ご愁傷さまだね。それと、僕に媚びようとしても無駄だから。僕はノアの意見を尊重する人だからね。カリストファーも同様。君達みたいな下衆は一度痛い目を見た方がいいと思うよ。じゃあね」
医務室に着いたころにはおぶっていた女子は眠っていた。
「先生いねーのか。ま、勝手にベット使わせてもらうぞ」
俺はその女子をベットに寝かせ、”
「あ、あの……」
「なんだ?」
「ありがとうございました。助けていただいて」
「別に。俺はただ単に気まぐれで助けただけだ。お前だから助けたって訳じゃない」
そう言うと、女子は少し顔を暗くした。
「そうですよね。私なんかをノア様が助ける訳ないですよね」
あれ。ちょっときつく言い過ぎたか。
俺は女子の頬をパンッと叩いた。女子の頬は赤くなっていたが、それよりも驚きが買った様で口をポカンと開けていた。
「だから、俺が言いたいのはたまたま通りすがっただけだからそんな頭を下げるなって言ってんだ!」
「は、はい」
「そう言えばお前、名前はなんて言うんだ?」
「は、はい!アリサ=レーヴェンハルトと申します」
「そうか」
俺は少し失礼かとも思ったが何故さっきいじめをあっていたのか聞いてみる事にした。
「おい、なんでさっきいじめられていたんだ?」
そう言うとまた顔を暗くした。
「私の家、レーヴェンハルト家は昔は栄えていたのですが今は全然で。それに私はFクラスだし。1ヶ月後の
「それでいじめられていたのか」
「はい」
どこの世界に行っても家の事情が原因でいじめに合う奴はとても多いんだな。
「
そう聞くと、前に乗り出して答えた。
「はい!なりたいです!!」
「そうか。じゃ、来い」
俺は少女の腕を掴んで魔導場に入った。そこにはカリストファーとアダムがいた。
「あれ。ノアがここに来るなんて珍しいじゃないか。その子はさっきの」
「ああ。ちょっと俺達が戦ってるとこを見せようと思ってな。悪いがカリストファー、ちょっと相手してくれないか?」
「おうよ!」
そう言うと、俺は上着を脱いだ。
「お前らはそこで見てな」
俺はアダム達に言った。そしてすぐに魔導で対決が始まった。
「す、すごい」
「そうだね」
「天才は練習なんてしないんですね」
「それはないよ。あれでも影で努力してるんだ。とてもつらいことをやって来たんだ」
そう言った瞬間、爆発が起こった。それと同時に勝負がついた。
「ちぇー。負けたぜ!」
「でも、いい勝負だったじゃんか。もうちょい頑張るんだな」
「お疲れ様。はい、これ水分」
「さんきゅー。アリサ、お前はこれからカリストファーと戦ってみろ。そうしたらお前は多少は強くなる。それで、その後はアダムに魔導学を教えて貰え。朝は俺と体力基礎をする。そうすれば1ヶ月後の試験には合格するだろうな。お前はついてこれるか?」
「は、はい」
「そうか」
俺達はそのまま歩いて行った。
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