第9話 祖父は賢者
その後、俺は静かに家に帰り、休養を取った。明日はとうとう入学式。早めに寝なければならない。
俺がベッドに入ると、リビアが俺の部屋に入って来た。
「また抱き枕か?人にガキだなとか言ってたくせに、あんたもじゃないか」
「う、うるさい!!」
そう言ってリビアは俺のベットに入って来た。
「そう言えば、リビアは明日何時起き?」
「明日は5時起きだ。つまりお前よりも早く出ないといけないと言う訳だ」
「あららー。頑張ってねー」
「文末に棒が見えるぞ」
「あ、ばれたー?」
そう言って俺達は笑って寝た。
朝はとても清々しい天気だった。リビアは俺よりも早く出ないといけないのに俺に起こされちゃってるリビアの見送りをして俺は朝食を食べた。
「朝から大変ですね」
「まあな。リビアだし」
そう言うと、シシリアは俺をジッと見ていた。
「な、なんだ?」
「いえ、何でもございません」
「じゃ、俺行ってくるわ」
「はい、行ってらっしゃいませ」
そう言ってメリアンは綺麗なお辞儀をした。この世界の女性はお辞儀が上手いのか?
ここから学校まで馬車で30分はかかる。が、”
「着いたー」
俺が学校前で立っていると、皆俺の事を見ていた。あれ、俺なんかしたか?
そう考えていると、カリストファーが走って俺に近づいて来た。
「おはよう、ノア!昨日はありがとうな!!」
「別に」
俺はそっけなく言うとそのまま歩いて行った。
門前の掲示板に自分のクラスが書いてある。見ると俺は高等級1年Sクラスだった。
「よっしゃ!ノアと同じクラスだぜ!!」
「朝からうるさいぞ。それに、お前試験では5位だろ。そりゃSクラスになるぞ」
そう言うとカリストファーは頭を掻いていた。
「取り敢えず行くぞ」
俺が歩き始めると、カリストファーが後からついてきた。
教室はとても騒がしかった。俺は鞄を机の横に置いた。ここの机は横に長い机が使われている。なんか、アニメとかでよく使われてる大学の机だ。
俺が教室に入ると、辺りは静かになった。ジッと俺達を見ている。
「注目されてるな、ノア」
「え、俺なの?」
「他に何があんだよ」
まあ確かにそう言われてみるとそうか。まあ、そう言う事には正直興味ないし。そう思い、俺はリビアから借りた本を読んでいた。すると、前から声をかけられた。
「君がノア君かい?」
顔を上げると、そこには如何にも紳士的な男が立っていた。
「そうだけど。あんた誰」
「すまない、自己紹介がまだだったね。僕はアダム=レスティアン。アダムでいいよ。よろしくね」
「ああ。まあ知ってると思うけど、俺はノア=シュレインゴッツ。俺もノアでいい。よろしくな、アダム」
そう言うと、アダムは手を前に出した。俺もアダムの手を握った。アダムはこの入学試験で2位の成績だったらしい。まあ、そうでしょうね。
俺達は時間になり、体育館に向かった。すると、校門前が騒がしかった。
「騒がしいね。何事だろう?」
俺はまさかと思い、少し近づいてみた。案の定、爺ちゃんとルークが立っていた。そりゃ国内で一番強い賢者と王室騎士がいれば騒がしくなるわな。
「爺ちゃん」
俺は爺ちゃんの所に駆け寄った。
「おお、ノア。元気にしとったか?」
「ああ。それにしても、ルークさんが来るとは思ってなかった」
「お前の晴れ舞台じゃ。剣の師匠も連れてこないといかんじゃろ?」
爺ちゃんはドヤ顔で俺の顔を見ていた。いや、ドヤるとこじゃないよ、そこ。
アダム達の所に戻ると、皆は唖然としていた。
「ノア、君ってもしかして、グワム=シュレインゴッツ様の孫なの?」
「もしかしなくてもそうだぞ」
そう言うと、その場の皆は驚いたような顔で俺を見ていた。まあ、言うとこうなる事は予想してたからいいけどさ。
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