第10話 訓練試験!?
入学式が終わり、俺は爺ちゃんを家に招いていた。が、なんでこいつらがついてくるんだよ!?
「は、はじめまして、自分はカリストファー=コンテェルと申します!賢者様に会えて光栄です!!」
「お初にお目にかかります。僕はアダム=レスティアンと申します。御目に描かれて幸いです」
「わしも、ノアの友人に会えて嬉しいよ」
爺ちゃんは嬉しそうにそう言った。
「で、何でお前らがいるんだよ。てか、呼んでねぇよ」
「そ、そんな冷たいこと言うのか!?」
「どうせお前らは爺ちゃんを目当てで来たんだろ?じゃあ、さっさと帰れ」
俺は2人を追い出した。正直、めんどくさかったのだ。入学式を終えて、すぐに俺はクラスの奴らに囲まれてしまったのだ。すっごくめんどくせぇ!!
――1時間前――
「ノア君、あの賢者様の孫なの!?」
「通りで名前同じだと思った。まあ、それだったら試験で一番は納得だわ」
「それはそれは。名前が一緒ってだけでいい思いをしてるな」
そう言ったのはリュートヘンデ=リューカスだった。まあ、初対面の時自分の考えていることを当てられたら本性を見せざるを得ないよねー。
「別に。俺は普通に生活してるだけだ。お前と違って、親の名前を過信してないからな。それに、名前なんてどうでもいいだろ。俺は俺だ。じゃ、爺ちゃん待ってるから行くわ」
俺は鞄を持って教室を出た。すると、カリストファーとアダムもついてきたって訳だ。
「仲が良いようじゃのぅ」
「は?誰が誰と」
「ノアがあの子達とじゃよ」
俺は耳を疑った。まあ、確かにあいつらとは結構仲がいいと思う。が、爺ちゃんにも言われるなんてそんなあからさまだったか。
「そんなことない。それにあいつらは1週間前に会った奴らばかりだぞ?そんな早く似出来る訳ないない」
「でも、リアムとシャーロットとは1日で仲良くなったではないか。お前はコミニケーション能力に長けているからの。1週間で仲良くなるのはざらじゃろ」
爺ちゃんは何でも分かったような顔で俺を見ていた。この顔には俺は敵わない。俺だけじゃなく、リビアもそうだ。
「爺ちゃんはこの後家に帰るのか?」
「まあの。わしが外に歩きまわっていると今日みたいに騒がれかねない。明日、ガングに会ってから家に帰るとするよ。あ、そうそう。ノア、明日は制服で前に立っていなさいよ」
「何で?」
「国王の面前に私服はなかろうて」
「あ、俺も行くのね」
そう言うと、爺ちゃんはほっほっほと笑い部屋に入った。爺ちゃんはやっぱり変わってないな。
翌日、俺は外で制服を着て立っていた。すると、爺ちゃんも後から屋敷を出た。
「さて、行こうかの」
「ああ」
俺は馬車に乗った。昨日は疲れ過ぎて話せなかったが王都で会ったことを向かっている途中で話していた。王都の事、学校の事、講師の事などなど。
そんな他愛無い話をしていると城に着いた。
「ここに来たのも何年振りか。昔を思い出すのぅ」
そう言うと、城の玄関は開いた。すると、中から人が爺ちゃんに抱きついた。それは俺に初対面で切りかかって来たアイーダだった。
「おお、アイーダ。元気にしていたかい?」
「はい!グワム様!!」
この前会った態度とはえらい違いだな。こいつ、明らかに俺の事が嫌いだ。その女の子は俺を見てプイッと顔を反らしてしまった。まじこいつムカつく。
爺ちゃんは国王のいる書斎に案内された。俺は取り敢えず城の中を探検していてもいいと言われたので、城の中にある王室騎士の訓練所に行った。その目的はもちろんルークに会う為だ。
中をのぞいてみると練習をしていた。俺が腰についた剣を触ると、後ろから殺気を感じて剣を鞘から抜いた。
「ひゅー。お前、こんな至近距離でも分かんのか。すげーな」
「褒めてくれでありがと。でも、いきなり斬りかかってこようとするのはよくないと思うよ」
俺は嫌みたっぷりな言い方で言った。が、その男はがっはっはっは!と爆笑していた。
「お前、面白いな!気に入ったぞ。今から稽古が始まるんだ。お前も参加すればいい」
そう言うと、俺の頭を鷲掴みして訓練所の中に引いて連れて行かれた。
「エリック!遅いぞ。今何時だと思ってんだ!」
「悪い悪い。さっきドアの前にいた奴スカウトして来てよ。こいつだ」
そう言って俺は放りだされた。見回してもルークはいない。ちぇ、来た意味なかったか。
「いって!」
「なんだ、入団希望か。ここでは試験がある。お前にはそれを受けて貰うぞ」
そう言うと、男は後ろを向いて誰が俺の相手をするかと選んでいた。
「イアン。前に出ろ」
そう言うと、オレンジ色の髪色をした女の子が立っていた。歳は18くらいだ。
「はい!」
「今から対決をしろ。剣では危ないからな。木刀でやってもらう」
「はい!」
「え、俺やるなんて一言も……」
「よーいはじめ!!」
俺の話に聞く耳持たず、なんか始まってしまった。
「やー!!」
そう言うと、男の子は俺に剣を出して切りかかって来た。
「おっと!」
俺はそれを軽快に避けていた。この人の立ち筋は決して悪いものではない。が、くっそ早い連撃を受けている俺には遅いのだ。
「今戻った。……何をしているんだ?」
「入隊希望者を試しているんです」
「ほぉ」
俺は全ての攻撃を避け、剣を前に出した。
「よっこいせ!」
男の子の木刀と俺の木刀が当たる音がこの訓練所に響きわたっている。
「くっ!」
「おりゃ!」
俺は思いっきり上から振り下ろすと見せかけて剣を回し、柄の部分を男の子の腹に思いっきり叩き込んだ。すると、その男の子は倒れた。
「止め!」
そうして入って来たのはルークだった。ルークを見た瞬間、全員が畏まっていた。
「どう考えたってこの子には勝てないぞ。何故なら私が剣術を教えているのだからな」
そう言うと、全員がザワザワと騒ぎ始めた。
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