明日 会えるよね
祇園四条
第1話 出会い
「いつまでも、一緒だよ?」「当たり前じゃん、離れる訳ねーだろ」「チュっ えへへ」「〇〇の唇いつもチリ柔らかチリリリーいなーチリリリーン!!」
チン!
「うるせぇな、、」
いつものアラームに起こされて少しイライラするが今日はいつもと違う
「またあの子か、、」
さっきまで見ていた夢に出てきた女の子の事を思い出す俺。
俺の名は高千穂 遼(たかちほ りょう)普通の学生、電車が好きなのは幼馴染みである佐奈、凛しか知らない。
「ってもうこんな時間!?急がなきゃ!」
ドタバタと真新しい制服を着る。そう俺、家の下には幼馴染みである凛と佐奈が待っているからだ。
「おそーい」
「いつも遅いよね」
「あ、黒コッペ加えて出てきた」
「おえんおえん(ごめんごめん)、えんあうえいえああおおうあっあっあ(変な夢見てたら遅くなっちゃった)」
「いいからそのパンはよ食えやー」
2人からある意味必殺技(?)の平手打ちを頭に喰らい、パンを飲み込む俺、あぁ、2人から平手打ち喰らうなんて幸せ者だなぁと思った。すると佐奈から
「ていうかまた遼変な女の子の夢見たんだ」
「、、、え?」
「なんだっけ、黒髪で、腕に紫の玉がついた腕輪してて、おっぱいデカくて可愛い感じの子だっけ、ちょっと前遊びに行った時も言ってたじゃん」
そういえば翌々考えればほぼ毎日その夢をみている。
「あぁ、ほぼ毎日この夢見てるんだ」
「毎日見てる夢を忘れるとか...仕方ないか、バカだもんね」
「はぁ!?お前らに言われたくねぇよ!こー見えて俺は中学ずーーーっと数学のテスト90点以上だもーん!」
「佐奈50点、、」
「凛常ひな祭り(33点)だったわ、、」
「うわーん!負けたあああ」
フハハハと悪魔の笑いをかますと2人からまた必殺技である平手打ちを全身に浴び、また俺は幸せ者だなぁと思う駅までの通学路であった。
三日月 凛(みかづき りん) 遼の幼馴染み、おチビちゃん。おバカさん。だが交通の事は学校No.1と中学の時に言われていた。
滝茶屋 佐奈(たきちゃや さな)優等生、凛と同じく遼の幼馴染み。しかし、マヌケな所が多すぎて頭の良さが評価されない欠点がある。なぜか電車好き。
朝の尾鷲駅は通学、通勤通学客で溢れている。田舎のくせに割と多い事にびっくりだ。電車到着、停止位置よし、ローカル線という事もあってディーゼル車両が良い雰囲気を醸し出している。
そして俺たち3人は席に座り、どんな担任が着任するのかとか、どんなクラスメイトなんだろうとか語り合っている。
「はだす、波田須です」
というアナウンスが流れ、駅に着くと、とある1人の女子高生が乗車した。
「佐奈の制服と同じだ」
なんと同じ学校の制服を着ている。
珍しい、波田須駅はこの紀勢本線の中でも秘境駅と呼ばれて乗客も少ないのに、いや、ほぼ全ての駅は少ないか。
それにしてもその女子高生は黒髪の少女で顔立ち、体つきも非常に良く、身長は普通くらいの二次元キャラのような人だった。
しかしどこかで見たことのあるような顔だった。
まさかあの夢と関係あるのか?
どっかで会ったことがあった?
誰だったか今一度考え込む。
「..う?遼?」
「えっ」
「もう!なにぼーっとしてんの!熊野ついたよ!」
「あぁ、悪い悪い」
俺は急いで車内から降り、改札を出た。
そして駅から徒歩数分で高校が見えてきた
「着いたー」
「わーい」
俺たちの通う学校は熊野高校という学校だ。
そして校舎に入り自分がどのクラスなのかを確認し、教室に入り、席に貼られている名前を見て着席する。
俺達は3組まであるうちの2組だ。
「うっわ、また3人一緒じゃん」
「ある意味すごいよね、これで小中合わせて10年記録続いてるよ〜」
「しかもまた近くかよ」
俺の席は机はグランド側で後ろから2番目の2人で1つの机で俺の後ろに凛、佐奈がおり、隣は空いている。
そう、小学6年、中学3年間もこの2人と同じクラスなのだ、そしてなぜか近くになったり同じ班にもなったりする。
「月詠 神姬」
俺の隣の席に名前が貼られている。
珍しい名前だなぁと思っていたその時
「あ」
佐奈の視線の先を見る。
あの人がいる。
そしてどんどん近づいてくる。
「嘘だろ」
「まさか」
「いや、そのまさかだ」
俺の隣に座ってきた。
(なんだろう、緊張感がやべぇ)
頭の中でそう思い始めた俺。
そのせいか、さっきまで続いていた3人の会話がピタリと止まった。
するとその女子高生が上半身を机に倒し寝始めた。
3人は小声で
佐奈「え、まってぐっすり寝てる」
凛「、、、胸でっか」
俺「トイレ行けねぇ」
凛「トイレぐらい我慢しなよー」
俺「いや、腹痛がああ」
佐奈「ならジャンプすれば、、」
俺「いや、馬鹿じゃねーの!?今ここでジャンプしたらある意味事件になるよ!?」
佐奈&凛「、、、」
俺「なんか反応してよ!」
こんなノリツッコミを毎日毎日繰り返している。それが俺たち☆なんて言ってる暇は無いと思っていたら担任の先生らしい男性が入ってきた。
「はーいみんな席着いてー」
「えっもうこんな時間かよ」
時計を見るともう8時35分になっていた。
周りを見るともう新入生のみんなが席に着いている。
「じゃー挨拶しよっか、起立!」
その男性が合図を出す、みんな一斉に立つ、しかし1人立たない人がいた。そう、その人だ。
今もぐっすり寝ている
「君、起こしてやって笑」
先生は笑いながら俺に起こしてあげてと言う。
背中をトントンしたり頭をツンツンしたりしたが起きる様子は全く無い。
おーいって耳元で声を掛けると「はっ!」と目を覚ました。物凄く眠そうな顔をしている。
そして挨拶が終わり、俺は高速で下痢止めを飲みら入学式の行程を話し、体育館に移動した。
"赤川 拓也" ハイ!
俺のクラスの呼名が始まった、待ってる時間が長すぎて眠くなる、しかも運悪く最後のクラスである。隣を見るとあの人がいる。寝ている。そろそろ俺の番が来る。起こしてあげる。またさっきみたいにはっ!と起きる。そして、
"高千穂 遼" ハイ!
今年一の声が出た自信がある。ていうかこんな所で一番の声が出たって意味無いと思っていたら、
"ツクヨミ カムイ" ハイ
俺は脳に電流が走ったような感覚に襲われた。
「カムイ」
そうだ、あの人の名前は「カムイ」だった。
でもそんなことありえるのだろうか、俺は考えた。そんな今流行りのファンタジーな映画のような事がほんとにありえるのだろうかと。
しかし1つ違う点がある。
紫の玉の腕輪を付けていない。
そして式が終わり、俺は教室の席に着いた。
「嘘だろ、、」
俺は今までこういうミステリアスな事は信じていなかった。
そして、カムイが隣に座る。そしてまた寝た。
そして先生から学校の説明、明日の予定等の話が終わり、その日の学校は終わった。
家に帰ってからベッドに寝転ぶ俺。まさかこんなことがあるだなんて、、と途方に暮れていた。「まぁ、とりあえず新しい学校生活頑張るか、、」と心に言い聞かせてその日を終えた。
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