第13話 2度目
神姬「お、お邪魔しまーす」
俺は神姬を家に入れた。
俺「リビングはここだから」
神姬「思ってた以上に綺麗」
神姬はリビングにあるものを色々物色している。
そんなに俺の家の物が気になるのかよ
神姬「あれ?お父さんお母さんは?」
俺「スーパー長期出張中」
神姬「えっ、挨拶しようと思っとったのに」
俺「あ、挨拶!?」
神姬「これからも末永く宜しくお願いしますって感じで...」
俺「お前なぁ...」
俺は風呂の湯を沸かした。
俺「着替えとかは...って持ってないか」
神姬「下着ならあるで?」
俺「え!?神姬も!?」
神姬「え?わたしもって?」
俺「あぁ、いや何も...」
神姬「?」
神姬は何か不安そうな顔をしている。
何が不安なのだ?
俺「なぁ、神姬」
神姬「ん?」
俺「さっきから不安そうな顔してるけど...」
神姬「え、そ、そんな顔してるん?」
俺「うん」
すると神姬は
神姬「人の家泊まるの始めてやからさ...」
まぁ、中学あんな事があればそりゃそうだろうな...
俺「あぁ、なるほど」
神姬「まぁ、遼の家やから、なんか安心するわ...」
俺「な、なんかありがとう」
そして風呂が湧いたチャイムが鳴った。
俺「先どうぞ」
神姬「え、い、一緒に...」
俺「えぇ!?で、でも...」
神姬「あ、あかん?」
しかし俺はある事を思い出す。
「いつまでも一緒に居てあげるってのが答えのひとつじゃないかな」
俺「ま、まぁいいよ」
神姬「あ、ありがとう...」
そして俺と神姬は服を脱いで風呂に入った。
混浴は神姬とは2回目だ。
やっぱり神姬はいい身体をしている。
てか学校入ってから何回混浴してんだよ。
神姬「せ、背中流そか?」
俺「あ、あぁ」
俺は前のお泊まり会の時のように背中を流してもらった。
なんだろう、さっきから神姬が変だな。
俺はそのまま湯船に浸かり、体を洗う神姬をじーっと見ていた。
神姬「ん?ど、どしたん?」
俺「い、嫌、何も...」
俺は先に風呂を出た後、色々と考えていた。
もしかして、昨日のことがバレたのか?
そうなると俺殺される...なんてことはないか。
でも様子がおかしいよな...
すると神姬が上はシャツのままでスカートを履いて出てきた。
地味に黒に赤のラインの入ったブラが見えてる...いや、今はそんな事考えるのは無しにしよう。
そして俺は昨日の時のようにカルボナーラ...ではなく、俺が作った焼きそばと白ご飯を振舞った。
神姬「た、食べてええの...?」
俺「あぁ、もちろん」
神姬「あ、ありがと...」
神姬はバクバク食っていく。
そんなにお腹減ってたのかよ。
そしてすぐに食べ終わり、俺はお皿を洗っていた。
すると後ろから
神姬「あ、あのさ」
俺「...ん?」
俺は神姬俺にが何を聞くのか少しドキドキしていた。
神姬「今日...忍海ちゃんと何しとったん...?」
俺「!?」
俺は無言で驚いた。
嘘だろ!?
まさか神姬は全て見抜いたのか!?
俺はなんて答えようか迷っていた。
俺「な、なんで?」
神姬「だって一昨日ずっと忍海ちゃんと一緒におったしさ、制服やったし...佐奈ちゃんがそのこと聞いた時なぜか遼も反応したやんか、せやからなんかあったんかなって...」
あぁ、色々と見抜かれている
俺「べ、別にこれと言ったことは...」
神姬「ヤったん?」
俺「...え?」
俺は皿を落としてしまった。
いきなりそんな奇想天外な事聞かれたからだ。
神姬「お、怒らんから話してよ...」
俺「...」
俺は仕方なく今日あった事を話した。
すると神姬はホッとしている。
神姬「よかった、忍海ちゃんともうヤったんかと思ったわ」
俺「...え?」
神姬「だって恋人じゃない別の人とヤったらその人好きになってまうやろ?」
なぜだ
俺「なんで...」
神姬「ん?」
俺「なんで怒らないの...?」
神姬「だってわたしの事嫌ってへんのやろ?」
俺は驚愕している
神姬が怒らないからだ。
神姬「え?嫌いなん?」
俺「い、いや大好きだよ」
神姬「わたしはそれで十分やの」
俺「...」
気が付くと俺は涙を流していた。
神姬はそれに気が付いていたようだ。
神姬「ほんまよう泣くなぁ」
神姬は俺の涙をティッシュで拭いてくれた。
俺「あぁ、悪い」
そしてお皿を洗い終えてから歯を磨いて電気をすべて消して2階の俺の部屋に神姬を連れていった。
神姬「あれ、エッチな本は無いのか」
俺「ある訳ねーだろ」
神姬「もう寝るん?」
俺「べ、別に寝る時間は決めてないけど...」
神姬「んならさ、色々話そうよ」
俺「あぁ、いいよ」
そう言って俺と神姬はベッドに入った。
俺「神姬って誕生日いつ?」
神姬「あれ、言うてなかったっけ」
神姬はあれーと言いながら
神姬「わたしの誕生日は1月19日やで」
俺「おっけ、覚えとく」
神姬「遼は?」
俺「あれ?言うてなかった...」
神姬「真似すんな」
俺「ウィッス、8月17日だよ」
神姬「ほうほう、覚えとくね」
そして色々と俺の中学時代の事とかなんの列車が好きなのかを語り合っていた
そして俺はある事を思い出した
俺「なぁ神姬」
神姬「ん?」
俺「初デートさ、どこがいい?」
神姬「は、初デート!?え、そ、そんなん...」
神姬はなぜか照れ始めた。
俺「ど、どっか行きたいの?」
神姬「こ、恋山形に...」
俺「あぁ、あの駅か」
恋山形駅とは、智頭急行智頭線の駅で元々は「因幡山形」と言う駅名だったが、住民から「来い山形」という意味を込めて駅名が変更になった。
そして日本全国に4つしかない「恋」の付く駅名として有名なのだ。
駅舎諸共ピンクで駅名標はハートの形をしており、恋が叶うという噂や、この駅で結婚式が行われたというイベントがあったらしいらしい。
俺「俺と神姬にぴったり...?」
神姬「うん...やからそこに行きたいなって」
俺「ゴールデンウィーク行こっか」
神姬「せやね」
神姬は照れている。
そして話は光の話になった。
神姬「忍海ちゃんってそんなエッチな子やったんや」
俺「思ってた以上にな」
神姬はあの首絞めプレイ(?)の話を引き出してきやがっ...いや出してきた。
俺「光はすごかったって言ってたな」
神姬「首絞められながら触られる...萌えてくるな...」
神姬がそう言う
俺は何を思ったのか、無意識に
「してやろうか?」
と言ってしまった。
何してんだよと心の中で俺に殴って後悔していた
しかし
神姬「え...いいの?」
予想外だった。
俺「え、ほんとにすんの!?」
神姬「あ、あかん...?」
俺「や、やろうか...」
俺と神姬はベッドから出る。
神姬「どういう設定?」
俺「神姬が首絞められながらイかされて終わり」
神姬「わたしが一方的にやられるんかいな」
俺「そういう事、もちろん反撃はOK」
そして俺と神姬は了解して、戦い(?)が始まった。
すると神姬は早速責めてきた。
しかしいつもと比べるとかなり弱い。
俺は光と同様いたずらするように神姬の胸を揉む。
神姬「あぅっ」
俺は喋れる怪人の設定だ。
俺「おぉ、いい身体してるじゃねぇか...」
神姬「はっ...あん、は、離して...んん...うっ、あぁん」
俺はそのままシャツを上手く脱がしてブラだけの状態にした。
神姬は俺の手を払ってえいえいと殴ってくるが全く痛くない。
俺はその間に光にやったように神姬の身体をベタベタと触る。
神姬「はぁん...ん...このセクハラ野郎...!」
そう言って俺に蹴りを入れる。
俺「誰がセクハラ野郎だああ!」
その蹴りは俺の脹脛に当たったがその脚を俺が掴み上げて半Y字バランスの状態にさせた。
ほぼ光にやったことをしている。
神姬「やっ...離してよ...!」
俺「絶景かな絶景かな!(いい景色いい景色!)」
俺は神姬の足にキスをして脚を撫でながらアソコをパンツ越しに触る。
もう濡れていた、当然か。
神姬「ひぅっ、やめ...あぁ、あっ、ふっ、うっ、うはぁん...」
俺「なんだもう反撃できねぇのかよ」
神姬「あっ...力がぁ...もう...あぅ!」
俺「やれやれだなぁ」
俺は脚を離して神姬をわざと転倒させた。
ハァハァともう脱力しまくっている。
俺は神姬にゆっくりと迫っていく。
神姬「こ、来んとって...」
俺「フフフ...」
神姬はこっちを見ながら迫り来る俺から逃げて行く。
たまにスカートがめくれて黒に赤のラインが入ったパンツが見える。
「ひっ...い、嫌だ...」
ほんとに逃げる時の顔が色っぽいな...
そして神姬は反対を向いて逃げようとするが、もう目の前には壁が立ち塞がっていた。
神姬「そ、そんな...許して...」
俺「ハハハ、トドメだァ!(ラスボス風に)」
神姬「や、やめて...うぅっ...!!」
神姬の首を片手で絞め上げた。
もちろん緩めに。
神姬「うぅ...!くぅ...うはぁっ...うぁっ」
俺は神姬を強制的に立たせた。
そして絞めてる腕で神姬の片手を使えなくした。
神姬「うっ、あぁっ、は、離して...」
俺「今からお楽しみの時間だァ」
そう言って俺は神姬の脇を舐めながら胸を後ろから前へとしごくように揉む。
神姬「うっ、はぁんっ、あ...、はぁ、あん、ふぅっ、あ...」
神姬は1回しごくと溜めてた息を吐くように喘ぐ。
いいねぇ、可愛いよ。
俺「こんな悪魔のようなブラ付けてるお前が悪いんだよ!」
そのまま片方のブラをずらしてビンビンの乳首をコリコリしたり、摘んだりした。
神姬「やっ...うくっ、や、やめて...んはぁ、あっあぁ...ん」
そして神姬のお腹を撫でながら神姬のスカートを捲って悪魔パンツの上から神姬のアソコを弄る。
神姬「はぁっ...うっ...んはぁ!あっ、やぁん、あぁ...うあっ...」
もうヌレヌレだ。
俺「もうとろとろじゃねーか」
神姬「う、あっ、ダメぇ...あん、あっあぁ...」
俺は少しだけ強くいじりながら神姬の顔を舐めると、ビクビクし始めた。
それに俺の絞めてる手から神姬の手が離れた。
もう力が無いのか
俺「なんだ、もうイキそうなのか?(あぁ...可愛い)」
神姬「あっ、んぅっ、うぁっ、あぁ、もう...ダメぇん...い...うぅっイッ、ちゃう...!」
俺はそのままパンツ越しに神姬の割れ目をカリカリする。
神姬「あぁっ、あぁ...ダメぇっ、あっ、い、イクっ、イッちゃああああああっ!!!!」
神姬は絶頂に達した。
そして俺は神姬の首から手を離すとバタりと神姬は仰向けに倒れた。
「ゲホゲホッゲホッゲホッハァ...ハァ...んっ、ハァはっ、ハァっハァ...」
かなり気持ちよかったのか、口からよだれを垂らしている。
俺「すげぇエロい顔してるなぁ...」
俺は四つん這いになって神姬の顔を上から見た。
神姬「こえっ...やっはす、すごい...あぁ...(これやっぱ凄い)」
俺「すんげぇ脱力してるぞ」
そう言うと神姬は無言でズルズルとパンツを脱ぎ始めた。
え、こいつまさか...
俺はすぐさま神姬の手を止める。
神姬「もう最後までしようよ...」
俺「な、何言ってんだよ...」
神姬「だって...忍海ちゃん言うたんやろ?」
俺「え?」
神姬「続きはわたしとしてって」
俺「...」
それを聞いて俺は神姬のパンツをずり下ろした。
そして隣にある俺のベッドに寝かせて脚をM字に開く。
神姬「じ、ジロジロ見んなや...」
俺「前と同じ事言ってんじゃねーか...」
俺は少し神姬のアソコを直で触る。
神姬「あ、ふぅん...うっ、あぅ、あっ...」
糸を引くくらいの愛液が出ている。
俺のシンボルに念のためゴムを付ける。
ちなみにこのゴムはかなり前に佐奈から貰ったやつだ
断っておくが佐奈とはやってない
神姬「いいよ...」
俺「行くぞ...」
俺はゆっくりと神姬のアソコに俺のシンボルを入れる。
神姬「ふぁあ!?」
俺「痛く、ないか?」
神姬「ちょっと痛い...かな...でも大丈夫」
俺「奥まで入れるぞ」
俺はそのまま奥まで入れた。
神姬「あぁ!遼のがぁ...わたしんとこに入ってきてるぅ!」
俺「連結したな」
神姬「ここでそんなん言うなやぁ...」
神姬は顔を真っ赤にして早くして欲しそうにこっちを見ている。
俺「動かすぞ...」
俺がそう言うと神姬は頷いた。
そして俺は前後に腰を動かす。
神姬「あぁ!?なんやこれぇ!!ふぁぁあああ!?」
な、なんだ...これ!?
凄い...と、とにかく凄い
神姬は初めてだからか発狂している
もちろん俺も初めてだ
神姬「すごぃぃ!!あぁあ!!!おかしなりそうぅう!!」
俺「おぉ、俺もう来そうだ...」
神姬「わ、わたしもイッちゃう...あぅっ!遼!遼!好きやで!」
俺「あぁ...俺も大好きだぞ...神姬ぃ!」
神姬「わたしも!愛してるでぇえ!!!!」
そして俺と神姬は共に達した。
...
ハァハァと俺と神姬の吐息が聞こえる。
少し沈黙が続いた。
そして抱き合ってキスをした。
神姬「好き」
俺「大好き」
そしてゴムを外す。
ゴムは破れてなく、血も出てなかった。
俺と神姬は疲れ果てたのかそのまま眠りに落ちた。
そして朝。
俺「ん...」
神姬「zzz...」
俺と神姬は互いに抱き合って寝ていた。
よく見ると神姬の片方のブラがはだけていてパンツを履いていない。
俺は昨日そのままの状態で寝た事に気が付いた。
俺「おい、起きろ」
神姬「ん...ふぁああああーーー」
神姬はものすごく寝相の悪いおっさんのような感じのあくびをする。
神姬「おはよ」
俺「お、おはよ」
そう言って神姬は今の自分の身体を見る。
俺「洗濯するぞ」
神姬「そうせなあかんみたいやね」
そう言って俺はシーツ、神姬のバンツと昨日の洗濯物全てを洗濯機に突っ込んで、設定は新快速(一番早いやつ)にした。
神姬「うーん、なんか変な感じする...」
俺「少しは我慢しろよ」
神姬「めっちゃスースーする...」
俺「光と同じ事言ってる」
そう言いながら俺はホットケーキを神姬と俺の分で4枚作った。
神姬は目を輝かしてケーキを見ている。
俺「はいよ」
神姬「おぉ...」
そしてはちみつをかけてばくっと食べる神姬
俺「美味しい?」
神姬「全然美味しくなーi」
俺「完食してんじやねーか」
神姬「めっちゃ美味いわ」
そして食べ終わった皿を洗い、洗濯物をしまってリビングでぼーっとしていた。
そして俺は神姬に俺に尽くしすぎてることを言おうかとしたが何から言えばいいのか分からなかった。
すると神姬が突然俺を呼んだ。
神姬「わたしって遼に色々し過ぎてるんかな...?」
俺「...へ?(それ俺が言おうとしたやつー!!!!!)」
俺がそう言うと神姬は落ち込んだ顔をした。
俺「どうしたの?」
神姬は机に上半身を置いた。
神姬「と言うのもさ、佐奈ちゃんとか忍海ちゃんとか...まぁ色んな人にさ、遼に尽くしすぎなんとちゃうかって言われたんよね」
俺「お、おぉ」
神姬「わたしはさ、普通の事してるつもりやねんけどなんかやり過ぎって言われるからさ、遼はどう思ってんのかなって...」
やっぱ普通だと思ってたのかーい
俺「俺は...」
なぜかどうしても言葉が浮かばない。
神姬「俺は?」
なんて言おうかな...
こういう時は普通に言った方がいいのかな...
俺「俺も...尽くしすぎだと思うんだよね」
神姬「例えば?」
神姬は落ち込んだ顔でこっちを見る。
俺「それは...お弁当くれたりとか色々と奢ってくれたりとかさ」
神姬「それって普通じゃないん?」
俺「うーん...」
神姬「それって友達としてって言うか恋人同士なら普通じゃないん?」
俺は光の言葉を思い出す。
「神姬は俺に裏切られたくないから無理しすぎてるんじゃないのか?」
俺「神姬ってさ、俺の事疑ってるの?」
俺はストレートに聞く。
神姬は驚く。
神姬「ど、どういう事?」
俺「神姬って俺にそこまでしないと裏切られるかもしれないと思ってるから尽くし過ぎてるんじゃないの?」
俺がそう言うと神姬は目を逸らした。
神姬「そう...なんかな...自覚が無いんよね...」
やはりそうか
でも裏返すとだ
そこまで俺を愛してくれているってことだ。
俺「そこまでしてくれるのは俺からすると嬉しい。でも...」
神姬「うん...」
俺「上手く言えないけどさ、俺は...その...そこまでしなくても神姬を裏切る事はしない」
神姬は少しびっくりしている。
神姬「その...根拠は?」
俺はそれを聞いて腕を見せる。
俺「この腕輪があるからね」
神姬「あ...」
俺は神姬とお揃いの腕輪を手に取った。
俺「これ作った理由は覚えてるか?」
俺は神姬に聞く。
神姬「わたしと遼が恋人同士って言う証拠...」
俺「そう」
すると神姬は泣き始めた。
俺「何泣いてんだよ」
神姬「そ、そこまでしてくれたら...たまらんわ...」
神姬の頭をポンポン撫でながら抱く俺
そのまま30分が過ぎた。
30分後
俺「泣き止んだな」
神姬「う、うん」
時計を見るとまだ9時だった。
俺は神姬と一緒に鉄道写真を撮りたいと思った。
俺「茶畑にでも行かない?」
神姬「茶畑?どこの?」
俺「栃原の近くに有名な撮影場所があるんだ」
神姬「へぇ...行ってみたい」
俺と神姬は合意して外に出た。
そして昼ご飯をイオンに買いに行ってから尾鷲駅に行き、10時2分発の特急南紀で三瀬谷まで行き、バスに乗って栃原という駅まで行った。
この栃原駅の近くには茶畑があって川添方面に歩くと少し有名な撮影地なのだ。
そしてその茶畑に着く。
いい天気で踏切がいい味を出している。
.....。
ローカル線なのですぐに列車が来ると言う訳では無い。
普通列車に関しては新宮方面は13時33分
多気、亀山方面に関しては14時02分まで列車は止まらない。
ちなみに現在の時刻は13時丁度だ。
その間に昼ご飯を食べる。
神姬「あ!それわたしのやつ!」
俺「しーらねっ」
神姬「んならわたしはこれを...」
俺「おい!それ俺のやつ!」
しょーもない昼ご飯の取り合いをして列車が来るまで待っていた。
そして来る列車を神姬と一緒にスマホのカメラで撮っていた。
神姬「ここええとこやなぁ」
俺「お立ち台通信で見つけたんだ」
神姬「貨物終わってなかったらもっと賑わっとったんやろうなぁ...」
そのまま俺と神姬はベラベラ喋りながら17時14分の列車までずっと写真を撮っていた。
俺「そろそろ帰ろっか」
神姬「うん」
そして栃原駅に向かって歩いた。
夕日に照らされている神姬は本当に美しい。
なんだろう、泣けてきそうな感じだ。
そして新宮方面の乗り場に行くため跨線橋で反対側のホームに行く。
夕方の駅って雰囲気が良いなぁ。
しかもこうやって恋人同士で居るってなんてロマンチックなんだ!と思っていると神姬が俺に持たれる。
神姬「ずっとこうしときたいわ」
俺「お前の気の済むまでどうぞ」
そして列車が来た。
その列車に乗って少ししてから神姬が波田須で終電まで喋らへん?と提案してきた。
俺はもちろんOKした。
そのまま波田須駅に向かった。
数時間してから波田須駅に着いた。
降りるともう真っ暗だ。
波の音が聞こえてくるくらい静かだ。
すると神姬はいきなり線路に降りた。
俺「危ねーぞ」
神姬「...」
神姬は片側の線路に足を載せてバランスをとりながら歩いている。
俺は線路側に脚を出してホームに座った。
数分間お互い黙った状態が続いた。
そして神姬が俺の前に立った。
神姬の顔を見ると周辺が暗いからか、いつも見る顔より暗く見えた。
すると神姬は俺の名を呼ぶ。
神姬は下を向いていた。
俺はん?と返事をする。
「もう、わたし...わたしさ...」
神姬が口を震わせて話す。
そしてとんでもないことを耳にする。
「生きられへんかもしれへんねん...」
...え?
俺は自分が聞き間違えたと思った。
「今、なんて...?」
俺はもう一度聞く。
神姬は顔を上げて不安そうな顔でもう一度話す。
「もう、生きられへんかもしれへんの」
聞き間違えてなんかいなかった。
ていうか、何言ってんだよ
俺はなんで?と聞く。
すると神姬は口を震わせながら
「がんが見つかったんよ」
俺は目を見開いた
驚きが隠せない。
いや、待てよ
ウソの可能性もある
俺「う、嘘だろ?」
神姬「...」
俺「...な、なぁ...嘘、なんだよな?」
神姬「わたしは特別運が悪かったのか...分からんけど...今年の2月に乳がんが見つかってもうたんよ」
やはり本当なのか?
でも嘘だと考え辛い。
俺はなんて言おうか迷っていた。
すると神姬が追い討ちをかけるように
「余命はあと3ヵ月」
と言い放った。
俺は泣き出してしまった。
俺は神姬の前に立って肩を掴む。
俺「嘘だろ...嘘なんだろ!?嘘って言ってくれよ!なぁ!」
しかし神姬はそれを避けるように
神姬「ごめんな遼...これが現実なんよ...」
俺は泣きながら神姬を抱き締めた。
...う?遼?遼?
ん...
俺は目を覚ます。
目の前を見ると波田須のひとつ前の新鹿駅(あたしか)だった。
あれ?さっきまで見てた光景は...?
まさか夢?
神姬「遼?おーい」
俺「ん?あぁ、あ...悪い悪い」
神姬「どなえしたん?なんか変やけど」
俺「あ、あぁ...寝起きでな...」
神姬「そ、そうなんや」
俺は少し安心した。
本当に神姬にがんがあったら俺が俺でなくなってしまう。
そして列車は波田須に着く。
もう駅は真っ暗だ
波の音が聞こえてくるくらい周りは静かだ。
灯が虚しく点いている
なんかいい感じだ。
俺と神姬は駅のベンチに座った。
ちなみに次に尾鷲方面にくる列車は約2時間後だ。
俺「YouTubeでも見る?」
神姬「うん」
俺はスマホでYouTubeを開き、鉄道雑学や、心霊写真、前面展望等を見ながらベラベラ話していた。
でもあと50分も時間がある。
何をするか考えていた時に俺は神姬の頭をツンと指で突っついた。
神姬「ふにゃっ」
俺「ん?」
神姬「こんにゃろう!えい!」
俺「いてっ、やったなぁー?」
すると俺と神姬はツンツン大戦からこちょこちょ大戦になった。
そして気が付けば数十分が過ぎており、もうそろそろ列車が来る。
俺「俺の勝ちだな」
神姬「いや、わたしや!」
そして列車が来た。
俺はその列車に乗る
すると神姬が俺を呼び止める
割と真面目な声だ
神姬「明日...また会えるよね?」
俺「え?あ、あぁもちろん」
神姬「そ、そうやんね...おやすみ」
俺「あ、あぁ...おやすみ」
俺と神姬は手を振り合って列車が発車した。
それにしても...
どうしたんだ?
今日は変な事が多い
さっきのあれは何だったんだ?
よく分からんかったぞ
それに...あの夢は本当になんだったのだろうか
もし本当ならば大変な事だ。
待てよ?
まさか乳がんがあるという事を隠しているからああいう事を...
いやいや...そ、そんなことはない...そんなことは...な...
...
神姬に聞いてみようかな...
「神姬って病気持ち?」
後は送信を押すだけ...
...いや、止めておこう
あ、あるわけないよ
そんなのあったらさっきみたいにじゃれあえないし...
ま、変な夢を見たって事にしておこうか
そして家に帰り、布団にくるまって寝た。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます