第11話 7日目

つんつん

何かがの背中をつんつんしてる

起きた。

まだ眠い

スマホで時間を見ると夜の1時だ。

「起きて」

後ろから声が聞こえる。

神姬だ。

布団をかぶって座っている。

俺「ん...なんだ?」

神姬「今日最終日やろ?」

俺「あぁ、そういえばそうか」

神姬「やからさ、一緒に星でも見いひん?」

俺「そんなに綺麗なの?」

神姬「めっちゃ綺麗」

俺は神姬に手をグイグイ引っ張られて2階に連れてかれた。

そして俺と神姬は窓の前に案内された。

神姬「こっから屋根に登るんよ」

俺「は!?屋根に!?頭y」

神姬「んー?ビキビキ」

俺「すみません」

そして神姬が先にはしごを使って上り、俺は神姬について行くように登った。

俺達は屋根に寝転ぶと

俺「うわぁ......」

空には今までに見たことが無いような星空が一面に広がっている。

周りに明かりがないし月がそこまで明るくないからだ。

それにしても綺麗だ。

俺と神姬は星座を言い合ったり新しい星座を作ったりして遊んでいた。

すると神姬が俺の肩に頭を当てた。

神姬「ねぇ遼、このまま居てもいい?」

俺「いいよ」

そして2分くらい経ってからの事だった。

神姬「zz...」

俺「神姬...?」

神姬「zzz」

寝た。

俺はふっとため息混じりの笑いを浮かべた。

まぁ、夜だから仕方ないか。

俺は神姬をおんぶして屋根から降りた。

そしてバカ2人が起きないようにそっと布団に神姬を入れた。

そして俺も布団に入る。

すると神姬がいきなり俺を抱き始めた。

どうしようか

向き合おうかな

でも寝れなくなるしなぁ...

とりあえずとりあえず向き合うだけ向き合うか

俺は神姬の方に身体を回した。

神姬はぐっすり寝ている。

「本当に可愛い顔してるなぁ」

神姬は俺のためにここに来た。

でもその間に絶対他の奴から告白された事は絶対あったはず。

それでも俺を選んでくれたのは本当に嬉しい。

神姬には親がいないから余計に寂しかったんだろうか。

今日で泊まり込みが終わるがこの先どうしようか

あ、初デートにも行かなければ。

そういえば神姬って誕生日はいつだ?

後で聞いておこう。

初デートの場所...ディズニーとか前みたいに大阪巡りとか映画とか鉄博とか...色々思い浮かべる。

どこが一番喜ぶだろう

やっぱこういうのって両者が行こうってなった所が良いのかな?

基本物事も両者がやろうと言った事はスムーズに進む。

とにかく何かしらの恩返しが出来ればいいな...

「わたしは遼と一緒に居るだけで幸せやから」

本当なのか?

俺はどうもそれが信じ難い

神姬は少し無理をしている気がする。

お弁当くれたり、色々奢ってもらったり。

もちろん俺は遠慮はしてるけど神姬はええのええのと必死に言ってくるから遠慮しずらい状況になるんだよなぁ。

そんなこんなで神姬に色々とお世話になっている。

今度は俺が神姬を守らなければ...。

俺は腕輪を眺めながらそう考えていた。

そしてそのまま俺は眠りに落ちた。


そして朝

俺達は普通に登校した。

教室に入ると

珍しく忍海が登校してた。

凛「あ!忍海ちゃんだ!おーしみちゃーん!!」

忍海「あぁ、凛かって、え!?」

凛「会いたかったよo...グハッ」

俺は神姬にもやった乳揉みの刑しようとする凛を水平チョップで止めた。

凛「痛いぃ...、もう!何すんねん!」

忍海「えっと、今のは...」

俺「あぁ、知らない方がいいよ」

凛「凛はただ忍海ちゃんがどんくらいおっぱいでかいのかこの手でかんじてみたかっただけやのにぃ!」

忍海「え!?わ、わたしの!?」

俺「うるせぇだまれ べしっ」

凛「あああ!!痛いい!むぅう!いいもん!神姬ちゃんに乳揉みの刑執行するもん!」

神姬「なんでわたしやねん」

佐奈「アハハ...ご、ごめんね?忍海ちゃん」

忍海「あ、あぁ、別にいいよ」

すると放送が流れた。

放送「生徒の呼び出しをします。1年1組 周参見 今宮 犬山 厚狭 2組 忍海 高千穂 月詠 3組 日根野 以上の生徒は、会議室に来なさい」

まるっきり昨日のメンバーだ。

俺「はぁ...」

忍海「行くか」

神姬「ふぁあああ ねむ」

俺達は奥の会議室に向かった。

するとそこには教頭、学年主任、担任と呼ばれた生徒がいた。

学年主任「そこに座れ」

俺達は椅子に座った。

するといくつか質問を投げかけてきた。

学年主任「お前達昨日何してた?」

俺達「...」

学年主任「言えないことをしたのか?」

俺達「...」

学年主任「いいから早く答えろ!」

俺達「...」

学年主任「まぁ、いい。こっちから話を進めるか」

すると学年主任が紙を持った。

学年主任「昨日の報告によると、放課後15時30分くらいに高千穂、月詠と周参見、忍海、犬山、日根野、厚狭、今宮で、喧嘩をした。これは間違いないな?」

周参見「おう」

学年主任「なんで喧嘩したんだ?」

周参見「俺達6人が月詠と高千穂に何もしてないのに喧嘩申し込んだんだよ」

学年主任「ほう...」

教頭「はぁ...」

教頭がため息をつく。

この教頭、生徒をバカにする事しかしない嫌な奴なのだ。

教頭「君たち、そんな事してて高校生として恥ずかしくないのかね?」

日根野「その話何回目だよ...」

教頭「うるさい!大体お前達は何も出来ないくせにそうやって調子に乗ってこういう悪事を起こすんだよ。はぁ、困ったガラクタだ...」

日根野「誰がガラクタだ!」

教頭「ふっ、弱い犬程よく吠えるというのはこういう事だな!ハハハ!!!」

俺「(ん?何か今の言葉聞き覚えがあるぞ?)」

俺はこっそりと机の下に手を出して携帯で調べた。

すると色々と出てきた。

この教頭の過去の事が。

神姬「何調べてんの?」

俺「後のお楽しみ」

学年主任「それに高千穂、月詠。君たちはなんでこんな奴らに喧嘩を売られたんだ?」

神姬「さぁ」

俺「知りません」

教頭「お前ら何でもかんでも知らないって言ったら済むとでも思ってんのか?」

神姬「いや、わたしらほんまの事しか言うてませんけど?」

教頭「なんだその口調は!」

神姬「普通の関西弁ですけど?」

教頭「ん?おい!君 さっきからなぜ下を向いている?」

教頭が俺に問いかける。

俺はどうしようか迷ったが

「よしっ」

反撃に出た。

俺「いやぁ、あんたのこと調べたら色々と出てきたんですよねぇ」

教頭「な、なんだいきなり」

俺「そのままですよ、あなたの悪事が出てきたんですよ」

教頭「貴様...」

俺は 「おっと?生徒に向かって貴様って何ですか?」

教頭「くっ...」

学年主任「高千穂、どういうことだ?」

俺「まぁまぁ聞いてくださいよ。この先生、過去に1年で何百人もの生徒を適当な理由をつけて退学とか謹慎とか停学にさせたりしてるんですよ」

教頭「ふっ、何を言ってるんだ。わたしがそんなことを」

遼「もちろん証拠はちゃんとありますよ?」

教頭「なんだと...?」

遼「今からその人と電話しますね...」

俺は皆の前に立ってLINE電話で中学の先輩に電話をかけた。

俺はスピーカーモードに変え、音が全員聞こえるようにした。

プルルルル...もしもし?

俺「もしもし?久しぶりでーす」

先輩「おお、久しぶり。遼じゃねぇか。で、いきなりどうした?」

俺「突然なんですか、先輩が通っていた高校の教頭の名前って覚えていますか?」

先輩「あぁ、あの理不尽野郎?確か膳所って名前じゃなかったかな?」

忍海「理不尽野郎...」

俺「ちなみに先輩はどんな理由で謹慎になったんでしたっけ?」

先輩「お前なぁ...確か1日遅刻して謹慎になったな、1週間」

6人「!?」

神姬「...」

先輩「しかもその時俺が反発すると弱い犬程よく吠えるって言ってバカにしてきたり、どうしょうもないガラクタとか言われたし」

学年主任「何か書類とか残っているか?」

俺「ちなみにその書類って残ってたりしますか?」

先輩「あぁ、あるよ」

俺はビデオ通話にしてみんなにその書類を見せた。

先輩「はい」

周参見達は物凄い顔をしている。

先生達も。

そこには「あなたは1週間、1日遅刻したため、1週間謹慎指導致します」と書かれた書類が映し出されていた。

教頭「ふ、ふざけるな!こんなの偽物だ!」

俺「何言ってるんですか、印鑑もあなたの名前もきっちりここに書いてありますよ」

先輩「え?今理不尽野郎の声聞こえたけど?」

俺「あぁ、今証拠として先輩に出てもらってます」

先輩「え!?お前それ事前に言えよな?あ、その理不尽野郎に言っといて」

俺「何でしょうか?」

先輩「今すぐ俺みたいな犠牲者が増える前に教師辞めて死ねって言っといて」

俺「わかりました、伝えておきます」

先輩「おう、また飯でも行こうぜ」

俺「またどこか行きましょ。じゃあ、また」

先輩「おう、じゃあな」

俺は通話を切った。

学年主任「教頭先生、事実ですか?」

教頭「...」

学年主任「教頭先生?」

教頭「...」

学年主任「答えて下さいよ!」

教頭「...」

今宮「おい、黙り始めたぞ」

周参見「あれ?立場逆転したぞ?」

教頭「うるさい...うるさい!お前達には関係ない!」

教頭は滝のような汗を掻いている。

俺「弱い犬程よく吠える。まさにこういうことですよ」

教頭「うるさい...黙れ!黙れ!お前達は所詮社会に出ても何も出来ないただの猿だ!携帯しか触れないただの猿だ!そしてそのまま死んでいくただのガラクタなんだよ!」

学年主任「なっ...今の発言は!」

教頭「少子高齢化だから子供に優しくしろ...?そんなことするからこういう事になるんだよ!だからこんなガラクタしか出てこないんだよ!」

俺「確かに、俺達はガラクタかもしれない。でもあんたは違う」

教頭は怯えている。

俺は強い口調で教頭を指差して

「あんたは大人としてどうしょうもない最悪なガラクタだ!」

と言い放った。

教頭はその場で尻もちをついた

学年主任「教頭、あなたには生徒よりもキツイ説教を受けてもらいます」

教頭「...」

教頭は学年主任と担任に連れて行かれた。

6人から盛大な拍手が起こった。

周参見「流石だ!」

日根野「よくやった!」

忍海「天晴れだ」

犬山「完全勝利だ!」

今宮「満点だ!」

厚狭「すげぇカッケェなお前!」

神姬「かっこよかったぞー」

俺「もっとちゃんと褒めやがれ」

すると学年主任が戻ってきた

学年主任「お前達はもう戻っていい、後みんなに伝えておいてくれ」

俺「ん?」

学年主任「今日の学校は1時間目で終わりって伝えておいてくれ」

俺達「っしゃああああ!!」

俺達は教室に戻り、みんなに連絡事項を伝えた。

そして学校が終わり、俺と神姬は学校から出た。

神姬「なんであの時教頭のことが分かったん?」

俺「うろ覚えだけどなんか聞いたことがあってさ」

神姬「へぇ、なんか探偵みたいやったで」

俺「え、そんなすごかった?えへへ」

神姬「何照れてんの?」

そしてそのまま駅近のコンビニに向かった。

学校終わってからのコンビニってなんかいいよなぁ。

疲れがどっと取れてリラックス出来るな。

神姬と俺はジュースを持ってレジに行く。

店員「お会計は別々ですか?」

俺「いや、一緒でお願いします」

神姬「え?なんで?」

神姬が驚いている。

そしてコンビニから出た。

「はい」

神姬が200円を俺に渡してきた。

神姬「さっきの買いもん代」

俺「え、え!?いや、いいよ」

神姬「なんで?遠慮せんでいいねんで?」

俺「いや、ほんとにいいから」

神姬「そう?」

そしてコンビニから出て、横でジュースを飲んでいた。

すると周参見たち6人と佐奈凛たちが来た。

周参見「おぉ、遼じゃねぇか 今日はありがとな」

俺「あぁ、ありがとう(遼って呼ばれた...)」

周参見「今から飯でも行かねーか?」

俺「お、俺はいいけどー、神姬は?」

神姬「ん?え、ええけど...」

俺「食べに行くってどこで?」

周参見「ラウワン」

凛「えっ」

佐奈「ラウワンって高茶屋の!?」

周参見「おう」

凛「こっから高茶屋の駅って130㌔やで!?」

忍海「心配はいらないよ」

忍海が指を差す。

そこは駅の前の自転車、バイク置き場だ。

物凄くでかいバイクがある。

軽く125cc以上はあるだろう

俺「嘘だろ...」

周参見「さぁ!行くぞ!」

俺「メットは!?」

日根野「あるよ」

俺「仕方ないか...」

神姬「大丈夫」

そして俺達は一応ブレザーは脱いでカッターシャツ状態になった。

俺は忍海のバイクに乗った。

凛は日根野

佐奈は周参見

厚狭は神姬

今宮は犬山

と言うペアになった。

「出発進行ー!」

とアホ2人の声が聞こえた。

そしてブンブンとエンジンのいい音を響かせて急発進した。

俺と忍海のバイクが先頭で一列に並んで走っている。

最初は90km/h程度だったが、俺はバイクに乗ったことがあまり無かったため、めちゃめちゃ怖かった。

するとヘルメットには無線が付いていた。

金かけてるじゃん。

俺「忍海ー」

忍海「なんだ?」

俺「は、速いんだが」

忍海「みんな、制限130!」

周参見達「はいよー!」

俺「ちょ?えぇえ!?」

忍海が90から130km/hまで速度を上げた。

俺「あれ?寧ろ速い方がいいかも」

忍海「そうだろ?案外安心するもんだ」

日根野「気持ちいいぜぇ!」

厚狭「ガンガン行くぞー!」

神姬「ふぅ...ええ眺めやわ」

今宮「おい!瞬!お前交代しろよ!なんでクソ重いお前が後ろ乗ってんだよ!」

犬山「戎、俺免許持ってない」

周参見「瞬って今体重何キロだっけ?」

犬山「85kg」

今宮「お前マジで降りろよ...」

俺「えっ、凛と同じ体重じゃん」

俺がふざけて言ってみた。

凛「あ?なんやとゴルァ、こう見えて150cmで50kgですけど」

俺「あれぇ?そうだっけ、まっまぁいいや」

凛「後で絞め殺す」

俺「許してくだs...」

凛「殺す」

周参見「おいおい、喧嘩すんのはよくな」

凛「あ?」

周参見「すみません」

こんな下らなさすぎる会話をしながら

俺達は高茶屋に向かった。

俺は無意識に道路の下を通る名松線や近鉄線の線路を見ていた。

すると忍海がもう一つのヘルメットの無線を設定し始めた。

「遼って鉄オタ好か?」

と聞いてきた。

どうやら俺と忍海以外聞こえなくしたようだ。

俺「えっ、そ、そうだけどなんで?」

忍海「佐奈と凛も好きって言ってたからさ」

俺「あぁ、あのバカ2人からか」

忍海「アタシの家はこの近くの権現前(ごんげんまえ)って駅なんだ」

俺「え!?権現前から通ってんの!?」

忍海「まぁ、名松線じゃないけど近鉄と紀勢線使ってね」

俺「朝とか早いんじゃ...」

忍海「4時半にはもう家を出てるよ」

俺「オレまだその時間寝てる」

忍海「羨ましい奴だ...でも、なんだかローカル線の駅って雰囲気が良いよね」

俺「え、忍海も鉄オタ...?」

忍海「まぁ、そこまで知ってるってわけじゃないけどかっこいいなぁって思うんだよね」

俺「おお、いいね」

少しグレてる鉄オタなんて初めてだ。

しかも女の子。

忍海「それで小学生の頃、いつも見てる風景じゃ飽きたから夜とかに勝手に家出て歩き回ってた時に周参見達と出会ったんだ」

深夜徘徊からその道に入っていったのか。

俺「そっからグレ始めたのか」

忍海「まぁね、小6でタバコ吸ったりして親に怒られたなぁ」

俺「えっタバコ吸ってんの!?」

忍海「一応アタシ達みんな吸ってるぞ?」

俺「バレたことはないの?」

忍海「そんなの何回もあるさ。中学の時は何回も停学になったりしたよ」

俺「大変だったんだなぁ」

忍海「その間にバイクの教習行って今こうやって走ってんだ」

俺「そこは真面目なんだ」

忍海「うっ、うっせぇな」

少し沈黙が続いた。

すると突然

忍海「なぁ、遼」

俺「ん?」

忍海「神姬とは最近どうだ?」

俺「まぁ、いい感じにやってるけど...」

忍海「ん?どした?」

俺「いや、実は...」

俺は忍海に最近神姬が少し無理しすぎている事を言った。

忍海「まぁ、昔あんな事があればそうなることも仕方ないと思うな」

俺「やっぱそうだよね...ってかなんで知ってんの!?」

忍海「神姬からLINEで教えてもらったんだ。でも今遼がしなければいけないことは疑いを取り除くことだぞ?」

俺「疑い?」

忍海「多分神姬はいつか遼に裏切られるんじゃないかと思ってて、それが嫌だから無理しすぎてるんじゃないか?」

そう言われてみればそうかもしれない

あの腕輪作った時も

さっきのコンビニの時もそうだったな。

俺「そう言われてみれば...」

忍海「だから、1番その疑いを取り除けるのはお前しかいないんだから、そうだろ?」

俺「うん...」

忍海「アタシは恋愛経験皆無だからちゃんとしたことは言えないけどさ」

俺「ん?」


「物事に答えなんて無いからね」


地味に忍海らしくない事を言った

忍海「結局さ、この世の中に絶対なんて無いのさ」

忍海が語り始めた。

忍海「この世の中は何が起こるか分からない、だから答えなんて無いのさ。恋愛だってさ、ほんとに何が起こるか分かんないじゃん」

俺「うん」

忍海「でも一つだけ答えがあるとするならー、いつまでも一緒に居てあげるってのが一つの答えじゃないかな」

それって...つまり神姬は中学はずっと1人だったから俺がずっと居てあげるだけでも充分ってことか?

うーん...恋愛ってほんとに奥が深い

忍海「ま、頑張れ アタシ達でよければ話聞いてあげるしさ」

俺「おぉ、ありがと」

そして松阪駅を通過した。

すると

忍海「...おい」

俺「ん?」

忍海「そこを触るのやめてくれないか?」

俺は忍海の肩を持っていた。

忍海「お前がこの間アタシに技掛けてからか知らないけどそこが痛くて仕方ないんだよ!」

あぁ、そう言えば俺忍海に浮き技したな

忘れていた。

でもそんな事言うと振り落とされるから

俺「それは受け身取らなかった忍海が...」

忍海「受け身ってなんだよ!中学の体育の柔道全部停学で消えたんだよ!」

俺「それはご愁傷様で御座います」

忍海「ま、またいつかでいいから柔道教えてくれよ...」

俺「え?」

忍海「だ、ダメなのか!あ!?」

俺「え!?い、いいよ」

忍海ってツンデレなのか?

見た目はただの不良女子高生のような感じだけど

中身はただの普通の女の子って感じだ。

しかしなんで彼氏ができないのか?

作らない主義なのか?

色々考えているうちに、俺達は高茶屋のラウンドワンに着いた。

この高茶屋駅、この地名の名前の由来は昔松阪から伊勢神宮に向かう参拝客が増えたため高台に休憩用の茶屋があったからこのような名前がついたらしい(諸説あり)。

佐奈「ああああ」

日根野「気持ちよかったあああ」

今宮「あぁ...しんどかったぁ」

厚狭「あああ、脚が痛てぇ」

すると1人だけ問題児が現れた

凛「あれ!?あれ!?メット外れへん!」

1人で暴れ回ってポコポコヘルメットを叩いている。

日根野「ったく何してんだよ...引っ張るぞー」

スポッ

凛「お?おぉ!?外れた!...あ」

凛が日根野の方を見る

日根野「両端を強く引っ張りながら上に抜けば外れるからな」

凛「あ...ありが、とう」

日根野「おう、ほ、ほら、行くぞ」

凛「...うん」

今宮「...」

厚狭「...」

犬山「...」

佐奈「...」

神姬「...」

俺「...」

忍海「...」

周参見「...これが恋っていうのか」

俺達「そういうことだ」

日根野凛「な、なんだよテメーら」


そして俺達はそのままラウンドワンの中に入った。

すると周参見がものすごく真面目に店員に話している。

今宮「あいつさ、会計の時とかタメ口じゃなくて全て敬語なんだ」

俺「ほぇー」

店員「10人ですね?」

周参見「はい、10人です」

今宮「な?真面目だろ?」

俺「おう」

向かったのはボーリング場...じゃなくてバスケットボールの所に来た。

俺「なんでバスケなの?」

今宮「今の人数見てみろ」

俺「10人...あっそうか」

今宮「そうそう」

バスケは基本5人チームで行う。

だからバスケを選んだのか

そしてチーム分けだ。

早速俺に神姬が抱き着いてくる。

恥ずかしいからやめろお。

そして忍海、日根野、凛が俺のチームになった。

相手は佐奈率いる周参見、厚狭、今宮、犬山でチーム分けが終わった。

ちなみに佐奈は中学の頃はバスケ部の部長だったのだ

俺?もちろんパッパラパーだ。

俺達はコートに入り、少しだけ練習した。

試合時間は前半後半合わせて1時間

そして最初のジャンプボールをする。

俺のチームは日根野が

相手は佐奈だ

そして試合開始

ボールを取ったのは日根野...じゃなく、佐奈だった。

そしてボールは佐奈の近くにいた周参見に行く。

「こっち!」と声を出す佐奈

周参見はボールを強く投げる

しかしそれを誰かがキャッチした。

神姬だ

神姬はそのまま佐奈、今宮、周参見を抜いていき3ポイントラインの外からシュートを放った。

サッ

ボールは吸い込まれるように入った。

今宮「やっぱり本当だったのか...」

俺「え?」

今宮「あいつ、確か小学生の頃「湊川の新快速」と呼ばれてた程バスケがうまかったって聞いた事があったんだよ」

俺「し、新快速...」

何が新快速なのかよくわからないがとにかく凄いということだ。

ていうかそんなに有名だったのか...

そして相手チームから始まった。

犬山が佐奈にボールを投げる。

佐奈はそこからどんどん迫ってくる。

日根野、忍海を抜き、俺と1対1になった。

佐奈はシュートを放とうとした。

そこで俺は高くジャンプしたが、佐奈は飛ぶ振りをしてそのまま俺の横を通過した。

そのままゴールの下から簡単にボールをゴールに入れた。

そして俺のチームから始まった。

すると神姬は物凄く深く構えてボールを投げた。

凄い、速いボールが俺の方に来るえ?ちょ、待て。

ボールが俺の方に来る

俺はそれに気付いてから急いで取る構えをした。

ドゥン!

俺の身体には今、柔道してなかったら死んでいたと確信するほどの衝撃が走った。

すると佐奈、周参見が迫ってくる。

そこに「こっちだ!」と忍海が手を振る。

俺は佐奈と周参見の隙間にボールを入れて忍海に渡した。

すると忍海はスラッスラと敵を交わしていく。

そこに今宮、犬山、厚狭、佐奈が囲む

ゴールからは少し離れている

すると忍海はちらっと日根野を見て、シュートを放った。

しかしゴールに入らずにこっちにボールが来た。

なるほど、わざと外したのか。

そして日根野はボールをキャッチしてその場からシュートを放ち、綺麗に決まった。

そして試合は点数の取り合いになり、残り1分まで点差はたった1で相手がリードしていた。

そして俺から試合再開

俺は凛にボールを渡した

すると凛は少しだが、ボールをスラスラと操り、敵を交わしていく。

そして3ポイントシュートを放った。

サッとネットとボールが擦れる音が響く、

見事だ

しかしその後すぐに佐奈に2ポイントを入れられて、結局同点に。

試合時間は残り10秒だ。

俺は急いで神姬にボールを渡す

神姬は相手ゴール側のコートからシュートを放った。

大きくボールは飛ぶ。

そして神姬はそのままタオル取って汗を吹き始めた。

周参見「は、入るわけが...」

厚狭「いや...あれは...」

神姬「フッ」

ボールは、綺麗な軌道を描きながらゴールに入った。

佐奈「すごい...」

観客「パチパチパチ!!」

ピピピピ...

前半終了だ。

結果57-60で俺のチームが勝っている。

それにしてもいい運動をした。

そして休憩交えての作戦会議だ。

俺「バスケ経験者どんくらい?」

神姬忍海「はーい」

翔「俺はテニス。一応バスケもやってたな」

凛「凛はちょっとバスケやってた。主は卓球やけど」

俺「なるほど...」

翔「相手チームは佐奈と戎と厚狭だったな。でも優希は小学校の時陸上やってたから中々運動神経はある。駿は...うん」

神姬「よし、攻め行きたい人?」

忍海、神姬、凛が手を挙げた。

防御は、俺、日根野、凛だ。


一方、佐奈軍団は

佐奈「神姬...凄かったな」

周参見「あんなシュート見たことねぇ」

今宮「とにかく攻めるしか無さそうだな」

犬山「俺は...」

厚狭「お前は防御!」

犬山「ウイッス」

厚狭「俺は攻めと防御両方行く」

佐奈「おっけー、っしゃ行きましょうか」


そして試合開始。

ジャンプボールは俺

相手は今宮

取ったのは...俺だ

凛にボールが行くがすぐに佐奈に取られる。

佐奈は物凄い速さでボールを送る

しかしそれよりも速い人がいた。

神姬だ

神姬は佐奈のボールを弾き、忍海の手に渡った。そして3ポイントシュートを放ち、決まった。

そして相手チームからのボールだ。

佐奈は周参見に渡し、ゴールに向かう。

すると目の前にいた日根野と1対1になる。

そして日根野は一瞬の隙を見て周参見からボールを奪う。

そして日根野は3ポイントを見事に決めた。

凛「翔やるやん!」

日根野「お、おう!」

しかし、また点数の取り合いになり、点差は2でこっちがリードしている。

直後に佐奈、厚狭が3ポイントを決め、点差は4に

時間は残り30秒だ。

すると神姬が手を振る。凛は神姬にボールを渡した。そしてゴールに近づく。

しかし目の前には厚狭がいる。

すると神姬はボールを背中に回し、後ろからシュートを放った。

鮮やかに決まった

凄い、一種の芸術だ。

点差は2点だ。

そして佐奈が周参見にボールを渡す。

残り10秒だ

周参見がボールをゆっくりと厚狭に渡す

時間稼ぎだ。

しかし神姬は咄嗟にボールを奪いに行き、わざわざ後ろにいた俺にパスをした。

俺のいたところはちょうど3ポイントラインの外側だった。

神姬「はやく!」

俺は

「もうどうなっても知らねぇええええ!!!」

と言いながらシュートを放った。

ゴールにあたる

クソッと思ったが。

忍海が俺の肩を叩く。

「おめでとう」

サッとネットと擦れる音が聞こえた。

入ったのだ

決まったのだ

勝ったのだ。

俺は「っしゃああああ!!!!」

と声を出して狂ったように喜んだ。

すると神姬と忍海と凛が来る

忍海「流石だ」

神姬「今日めっちゃかっこええやん」

凛「凄かったで!」

日根野「お前すげぇな..」

俺「いつもはこんなんじゃないんだけどね...」

凛「でも翔もかっこよかった!」

日根野「えっ、あぁ、ありがとう」

一方負けた佐奈チームは

佐奈達「むぅぅううう!!」

怒っていた。


そしてカラオケボックスに向かった。

空腹の俺達は次々と料理を注文し、バクバク食いまくった。

そして1人ずつ歌を歌うことになった。

まずは周参見からだ。

曲は徳永英明の壊れかけのRadioだ。

懐かしい曲だ。

しかしいかつい見た目とは裏腹に綺麗な歌声だ。

あの某猫型ロボットの剛田氏とは大違いだ。

続いて凛、今宮、佐奈、厚狭と続けて歌った。

そして神姬の番だ。

神姬は恥ずかしがっている。

神姬「ちょっと喉のチューニングを...」

そう言って「あーあ?あーあ!あぁー!あっあぁーあああ!!」と声を高くしたり低くしたりしてチューニングをしている。

歌う曲は魔法少女育成計画のOPの沼倉愛美の「叫べ」だ。

かっこよく疾走感のあるアニソンだ。

そして曲が始まった。

「今ぁーーーーーー」

力強い声が響く。

「叫べーーー! 嘘ばかり...」

なんともすごい歌手の様な声だ。

「超えるべき嘆きの嵐さぇ...」

サビも沼倉愛美の力強い声に負けない程の声を出している。

佐奈達は目を光らせて見ている。

そして曲が終わり、得点は98点!

すごい

凄すぎる。

そして犬山はゆずの「栄光の架橋」

忍海は鏡音リンの「東京ディディベア」

えぐいなぁ

よかったけど。

日根野は凛のいたずらで、ドラえもんの主題歌を歌った。

悪くはなかった。

そして俺の番が回ってきた。

俺は何にしようか迷った

実は俺、こう見えて歌手の声真似も特技の一つなのだ。

俺は今流行りのbacknumberの「ハッピーエンド」にした。

みんなの表情を見ると

「え、これ!?」みたいな顔をしている。

しかし神姬は何の曲か知らないのか首を傾げている。

「さよならが喉の奥に...」

俺は忠実に再現するつもりで歌う。

すると神姬以外全員馬鹿みたいに泣き始めた。

まだサビにも入ってないのに。

「青いまま枯れていく あなたを好きなままで消えて行く」

神姬以外はずっとわーわー泣いている。

しかし神姬はじっと画面を見ている。

そして最後の

「気が付けば横にいて...」に入った瞬間泣き声が2倍になった。

一番泣いているのは周参見だ。

俺は歌うのをやめようかと考えたが最後だから続けた

そして歌い終えた。

皆は未だに泣いている。

神姬はただ拍手している。

そして得点は98.1だった。

歌い終えても泣き止まない

どうしろというんだよこの状況。

佐奈「遼の歌声が泣けてくる...」

周参見「ある意味才能あるぞ...」

忍海「このアタシを泣かせるなんて...」

俺「なんか、ごめん」


その後みんな泣き止んで楽しく話をしながらバクバク料理を食いまくってラウンドワンを後にした。

お金は6人組が全て出してくれた。

俺佐奈凛神姬「ごちそうさまでした」

周参見「何言ってんだよ、これはお前らに対する礼だ!ありがとよ本当に」

6人組「ありがとな!」

俺「お、おう...」

神姬「何照れとんねん ぺし」

俺「いてっ」

時計を見るともう19時だ

俺はまた忍海にバイク乗せてもらった。

組み合わせは同じ...なはずだったが、今宮は佐奈、周参見は犬山に変えてもらった。

忍海「楽しかったか?」

俺「あぁ、クソ楽しかった」

忍海「また暇があればいつでもアタシ達は付き合うぞ」

俺「え?マジで?」

忍海「も、もし良かったらアタシだけでもいいけど...」

忍海がボソボソと何かを言った

しかし俺は聞き取れなかった。

俺「え?」

忍海「い、いや、何でもない」

ミラーを見ると忍海は少し顔を赤くしていた。

少し沈黙が続いた。

するといきなり

忍海「遼ってもう神姬とはヤったのか?」

俺「は、は!?やってねーよ!」

忍海「え、そうなのか?」

俺「まだですよ」

忍海「顔がそんな感じだったからつい...」

俺「俺はそこまで欲求不満じゃねぇよ(ヤリかけたなんて言えない)」

忍海ってほんとにただの女の子なんだな

見た目とは違ってなんかいいな

てか彼氏作らないのかな?

俺「忍海って彼氏作らないの?」

忍海「ふっ、アタシは簡単に彼氏は作らないって決めたんだ」

俺「なんで?」

忍海「アタシが中2の時に学校で嫌いな男子にいきなり男子トイレに連れ込まれてハメられそうになったんだ。それっきり彼氏作るのが怖くなってね」

俺「は、ハメられそうになったの!?」

忍海「いきなりトイレに連れ込まれて洋式便所の上で首を絞めながら片方の手で...まぁ、そういう事だ」

俺「えええ!?てかなんでバレたの?」

忍海「ハメられる一歩手前で首から手が離れた瞬間に大きな声で助けて!と叫んだら先生たちが来て発覚したのさ」

俺「なるほどな...」

忍海「嫌いな奴に触られたのは苦痛だったな」

俺「そりゃそうだろ」

忍海「このこと周参見達には内緒だぞ?お前に言うのが初めてなんだからな...」

俺「え!?そなの!?じゃあなんで俺に言ってくれたの?」

忍海「え、え!?それは...遼が知りたがっていたから...」

俺「あ、あぁ、わざわざありがと」

忍海「お、おう...」

俺は思った

「忍海って俺の事好きなのか?」

でもそれはそれで困ったな

あんまりその心を刺激するのは良くないよな...。

俺は敢えて何も喋らなかった。

すると横に紀勢本線の線路が見えてきた時だった。

忍海「おい!速度落とすぞ!」

周参見達「はいよー!」

俺「どうかしたの?」

忍海「そろそろじゃないかな...」

俺「え?」

俺は隣を見ると甲高い警笛を上げながら赤いディーゼル機関車が現れた

凛「おー!DD51や!」

日根野「おぉ、かっけぇな」

凛「せやろ!?翔もこのかっこよさ分かるやろ!?」

日根野「お、おう」

忍海「よかった...間に合った」

俺「久しぶりに見たなぁ」

俺は携帯を取って写真を撮りまくった。

神姬達も写真を撮りまくっている。

俺「なんで時刻知ってたの?」

忍海「ネットでそのスジ(ダイヤ)の書き込みがあったからさ」

俺「単機回送か」

忍海「そうみたいだな」

俺「それにしてもなんかDD51って惹かれるなぁ」

忍海「アタシもだ」

俺「え?忍海もそうなの?」

忍海「あぁ、国鉄時代から続く力強い走りがかっこいいなぁって...てか」

忍海が少し顔を赤くして声をモゴモゴさせている。

忍海「あ、アタシの事、忍海じゃなくてヒカルでいいよ...」

俺「え?」

忍海「だっ...だから!アタシの事は忍海じゃなくて光でいいって言ったんだよ!」

俺「あ、あぁ わかった...光」

忍海「うぅ...」

忍海はかなり照れている。

さっきから変だな

俺と居る時の光ってなんだかただの可愛い女の子って感じだ。

特別そういう風にしてくれてるのか?


そして俺達は波田須で降りた。

俺「今日はありがとな」

周参見「おう!また行こうぜ!」

光「また明日、遼」

佐奈「てか明日学校あんの?」

神姬「あるんちゃうの?」

凛「さてと、家に帰って荷物とらなきゃ」

俺佐奈「え?」

神姬「え?だってあんたら今日までやろ?お泊まり」

俺佐奈「...あ」

忘れてた

てっきり忘れてた。

どうしよう、あ、電車...

携帯を見ると22時38分だ。

最終電車は22時19分だ。

終わった。

俺「と、とりあえず家に戻るか...」

光「アタシで良ければ送ろうか...?」

俺「え!?いいの!?でも荷物...」

周参見「任せろ!」

そうか、周参見達のバイクが空いてるのか。

俺達は急いで神姬の家に戻り、纏めてた荷物を持ち、すゑ子おばあさんに「お邪魔しました〜!」と挨拶して給料はなんと1人15万円くれた。

やった、どっか行ける。

そして神姬と別れて急いで周参見達の所に戻った。

俺はまた光のバイクに乗せてもらった。

光「そう言えば...遼って家はどこなんだ?」

俺「尾鷲駅の近くだよ」

光「あぁ、尾鷲か」

そして俺を乗せた光のバイク先頭にまた発進した。

すると

光「なぁ、遼」

俺「ん?」

光「お前って神姬とヤったのか?」

ん?それさっきも聞いたけど...

俺「まだって言ったはずだけど...」

光「え?アタシ同じ事聞いてたのか?悪かった」

俺「べ、別にいいけど...」

光「でもなんでヤらないんだ?」

光は割と真面目な声でそういう事を聞いてきた。

返答に非常に困る

ヤリかけたなんて言えないからだ

俺「な、なんでってそりゃ付き合ってすぐにヤるってなんか嫌じゃんか」

光「勿体無い、あんなエロい体した女子高生なんて滅多に居ないんだぞ?」

俺「わ、分かってるけど...」

光「アタシが男なら3回はヤってるだろうな」

俺「え、光ってそんな奴なの?」

光「ち、ちげーよばか!」

俺「だから胸もちょっと大きいのか?」

光「...へっ!?」

光がちらっとこっちを見る。

光「あ、アタシってお、おっぱい大きい方なのか?」

俺「ちなみに何カップなの?(おっぱいって...)」

光「おい、女にそんなこと気軽に聞くんじゃねぇよ」

俺「ウイッス」

割と厳しめに怒られた。

しかし光は顔を赤くしながら

光「確かEだったかな...」

答えてくれた

それにでかいぞEって

俺「答えてくれるんだ」

光「お、お前が教えろって言ったから答えたんだぞ!」

俺「あ、ありがとう」

そして外の風景を見ていると

光「遼」

俺「ん?」

光「ずっと気になってたんだけどさ、その腕輪はなんだ?」

俺「神姬とお揃いの腕輪」

光「ペアルックってやつか」

俺「そそそ、この紫の玉神姬が選んだんだ」

光「恋人の証か?」

俺「そそそ」

光は羨ましそうな顔をしている。

光「アタシも誰かと付き合いたいな」

俺「周参見とかと付き合えばいいじゃん」

光「あいつらは他の学校の奴と付き合ってる」

俺はかなり驚いた。

絶対その彼女とかも悪そうな奴らばっかだろうな

俺「え、全員!?」

光「いや、翔、太郎が最近別れた」

俺「あ、だから凛が...」

光「そういう事だ」

俺「幸運を祈らなければ...」

そしてまた沈黙が続いた。

俺「周参見達とは中学違うの?」

光「そうだな」

俺「じゃあなんで周参見達と知り合ったの?」

光「最初はアタシと周参見と犬山だけだったけど沢山喧嘩していく内に増えてきて今は6人だ。その喧嘩したせいで三重県では有名になっちゃったけど」

俺「暴走族って楽しい?」

光「ぼ、暴走族!?人聞きの悪い事言うんじゃねぇよ!アタシ達はただのグレた奴らの集まりみたいなもんだよ」

俺「あ、そうなの?いっつもこーやってバイクを...」

光「お前なぁ...アタシ達は別にそこまで悪い奴らじゃねーよ」

そうなのか、内面はただのいいやつって訳か

俺「じゃあ前俺達と喧嘩したのは...」

光「あれはただ周参見がやってみるか!って調子乗っただけだ」

俺「そ、そうなのか」


一方、周参見と犬山は

周参見「ヘックション!」

犬山「風邪引いたのか?」

周参見「今なんか呼ばれた気が...」

犬山「気のせいだ」

周参見「だといいが...」


光「まぁ、学校なんかとは大違いなくらい楽しいな」

俺「そんなに?中学の時とか友達居なかったの?」

話は光の中学の話になった。

光「居たけど...学校行ったら毎回別室連れてかれるんだよね」

俺「タバコとか?」

光「まぁ、それと深夜徘徊とかコンビニの前で屯してたりとかで苦情が来ているって毎日説教ばっかでさ、しかもそのせいで元々友達だった奴がアタシの事怖いやつだと思って避け始めてさ、もう学校行く必要無いじゃんって思ったのさ」

俺「それで周参見達と遊んでたのか」

光「その方が倍楽しいんだよね」

俺「だから入学式から1度も来ていなかったの?」

光「そういう事だ」

なるほどな...確かにつまらない学校って行く気失せるのは分かるな

俺「でも今日来たのは...」

光「あれは...昨日凛から友達になろって言われたから...」

俺「嬉しかったんだ」

光「あ、当たり前だろ!?」

そして俺達は尾鷲駅前に着いた。

佐奈と凛の家は駅から少し離れた所にあるため、周参見達に送ってもらうと言うのでここで解散した。

俺も光に家の前まで送ってもらった

数分してから家の前に着いた。

俺「ありがとな、光」

光「うぅ...し、下の名前で呼ばれるのってな、なんか恥ずかしいよぉ...」

俺「めっちゃ可愛い反応するじゃん」

光「はっ!う、うっせぇよ!」

俺「このまま権現前まで行くの?」

光「え、え!?あ、あぁ...」

ん?

光がなんだか迷ってるような顔をしてコソコソしている。

何か俺に言いたい事でもあるのか?

俺「なぁ光」

光「ん、ん?」

俺「なんか言いたいことでもあるの?」

光「え、え!?」

俺「い、いやぁなんかさっきからコソコソしてるからさ...」

光「き、今日さ...」

俺「ん?」


「1日泊めてくれないか?」


俺は戸惑った。

あれ?バイクは?と思った。

光はある所に指差した

その先には燃料切れの表示が

なるほどな、仕方ない

俺「あぁ、いいよ」

光「ほ、ほんとにいいのか!?」

俺「だって燃料切れだし、1人で夜歩いてると危ないしね」

光「あ、ありが、とう」

そして光を家に入れた。


























































































































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