第9話 5日目 後半

あの後俺と神姬は教室に戻り、特に疑われること無くそのまま授業を受けた。

そして昼休み

俺は神姬に屋上で昼食を食べようと誘われた

屋上に上がると神姬が柵の前に座っている。

俺「待たせたな」

神姬「え!?ほ、ほんまに来てくれた...」

俺「え?」

神姬「いや...昔あまり約束守ってくれた事無かったから...」

俺「...」

俺は昼食を食べながら神姬の話を聞くことにした。

神姬「前言うたけど中学色々あってここに引越した話あったやんか」

俺「うんうん」

神姬「その理由の一つにわたしがクラスの奴らボッコボコにしたからやねん」

俺「え、神姬が喧嘩?」

神姬「せやで」

俺「なんで?」

神姬「転校する事決まったから最後に見返してやろうって思ってね」

俺「見返す...何かあったの?」

神姬「わたしには親がいないってだけで仲間外れにされてた話したやんか、他にも裏切られたりとか顔にボール当てられたりとか約束破られたりとかね、色々あったんよ」

顔にボール...めちゃくちゃじゃねぇかよ...

神姬「この世の中ってさ全て「=」で成り立ってると思わん?」

神姬が哲学的な事を言い始めた。

神姬「例えば1=1でさ、右辺に1足せば2=2になるやん?」

俺「う、うん」

神姬「例えば人殺すとその殺した人には刑罰が下るやろ?そうやってこの世の中は全て「=」で成り立ってるって思うんよ」

確かにそう言われてみればそうだ。

神姬「せやから、わたしはその報復としてボコったわけ」

俺「なるほど...てか神姬って喧嘩強いんだ」

神姬「中学の時は家にずっとおったから三味線、武道、バスケとか色々やっとったからかな」

俺「引きこもり...」

神姬「うるせぇ痛いとこ突いてくんなや」

やっぱり神姬と居ると何が楽しいな。

中学の時は誰とも話す事が出来なかったからこの場を楽しもうとしているのかもしれないな。

すると

???「コラコラコラコラコラーーー!!!」

俺「ん?」

神姬「ほひはん?(どしたん?)」

???「コラー!そこの2人ー!ここは飲食禁止です!さっさと出て行ってください!」

よく見るとうちのクラスの委員長であるメガネっ子の蔵王善子(ざおう よしこ)さんだ。

たすきには「委員長」と書かれている。

善子「何ぼーっとしるんですか!早く出て行って下さい!」

神姬「別に屋上でご飯食うくらいええやんかぁ」

善子「な、何を言ってるんですか!この私が委員長の役目を担うならば、この学校の校則は絶対に守らなければならないんです!」

神姬「はぁ、めんどくさっ」

善子「コラー!委員長に向かってその口の聞き方はなんですか!」

俺「だー、うっせぇな」

神姬「行こか」

俺達は委員長の指示に従い、屋上から出た。

そして5.6時間目の授業が終わり

学校の帰り道、俺と神姬は駅の近くのコンビニに行った。

「はい」

俺は神姬にスコールを買ってあげた。

神姬「別にわたしが払うのにー、お金返すわ」

俺「いや、いいよ。気持ちだけ貰っとく」

神姬「そ、そう?ほんまにありがとう!」

神姬の笑顔はほかの人と違ってなんか癒されるなぁ。

すると向こうから見覚えのある人が来た。

善子「コラコラコラー!!またあなた達ですか!コンビニで時間潰してないでさっさと家に帰って下さい!」

俺「はぁ、うるさいなぁ」

神姬「耳障りやわ」

善子「ちょっとちょっと!月詠さん!?耳障りとは何ですか!」

すると神姬が飲んでたスコールを俺に渡し、委員長に近づいていった。

神姬「ワレのその当たり方が気に食わんって言うとんやろうが」

善子「えっ、い、いやっそ、えっ!?」

神姬がさっきまで優しい子供みたいな感じだったのに一気にヤクザのような感じに変化した。

流石の委員長も怯んだ。

するとその隣に居たヤバそうな軍団6人がこっちに近づいてきた。

???「うっせぇなぁさっきから、おい、お前ら何してんだよ」

???「ここはアタシ達の陣地だ、さっさと出て行け!」

???「さもねぇとやっちまうぞゴルァ!」

???「痛い目に合いたく無けりゃでてけぇ!」

???「いや、やっちまった方がいいんじゃないっすか?」

???「そうだな...俺達の強さを思い知らせてやる」

おい、まじでやばいぞ。

俺達1年の中でも特にヤバイ奴らばっかじゃねーか。

すると1組のこの軍団のリーダー周参見 優希(すさみ ゆうき)が俺の方にくる。

俺の前に立つ。

じーっと俺の全身を見る

周参見「明日覚えてろよ...」

俺達「...(へ?)」

そう言って周参見達はどこかに消えた。

神姬「い、行こっ」

遼「お、おう」

善子「こ、怖かったああ」

それにしても

なんだったの!?

俺何もしてないぞ!?

明日絶対やべぇじゃん

そして委員長にはしつこく指導してくるなと説教し、そのまま歩いて帰った。

家に入ると佐奈凛がこたつにこもっていた。

そして俺達は神姬に今日の宿題を教えてもらって、1日を終えた。


しかし俺達は気付きもしなかった。

明日、神姬の恐ろしい1面を見ることになるなんて













































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