第25話 思い出作り

俺、光、澪、善子、愛、担任、小町、神姬のおばあちゃんは今高校の保健室に居る

おばあちゃん「...この事は...いつか遼君らにも話そうと思とったんよ...やっと今日言える時が来たから今日皆に来てもらったんよ...で、早速話に入るんやけど...その前に...今から言うことは...ショックを受けることになるかもしれへんのやけど...ええか?」

ショック?

何言ってんだよ...そんなのいいに決まってんだろ

俺「はい、もちろんです」

おばあちゃん「...結論から言うとやね...」

するととんでもない言葉がおばあちゃんの口から飛び出す


「神姬は...もう死んでるんよ」


...は?

な、何を言ってんだ...?

本当に頭逝ってんじゃねぇのか?

俺はそう思った

恐らく皆そう思ってる

しかしおばあちゃんの顔はさっきよりも曇る

おばあちゃん「8年前...遼君と神姬が出会った日の事覚えてるか?」

俺「はい」

おばあちゃん「...その次の日...神姬と別れてから...何があったか覚えてるか?」

俺「それは...知らないです...」

おばあちゃん「...」

黙り込むおばあちゃん

何か関係があるのか?

確かあの日って8月だったような...

するとおばあちゃんがカバンから新聞を取り出す

それを俺に渡す

...

そこに書かれていたのは

「JR関西線 列車脱線」

知らないなぁ...こんな事故あったんだ...

亀山駅を18時38分発の加茂行き列車が佐那具駅で分岐点に90km/hで突っ込んで脱線したという事故

死者は1人、負傷者は12人も出た

まさか...いや、そんな事は...

おばあちゃん「...その事故で...神姬は亡くなったんよ」

俺「...!?」

嘘...だよな?

そんなはず...無い...よな...

ま、まさか...

何言ってんだよ...全く...

...

今日で...お別れやね...

やめろ...やめろ...!!

思い出したくもないのに神姬と別れたあの日の光景が頭に広がる


アナウンス「間もなく18時38分発の加茂行きが参ります」


はぁっ...!!!

なぜか今になってそのアナウンスの声が響いた

...あの時...神姬達の乗った列車って...18時...38分...発の加茂行き...

つまり...該当車...

...

そんな...バカな...

神姬が...死者なのか...!?

おばあちゃん「恐らく...遼君はこの事故の事知らんかったと思うんやわ...その理由はわたしの能力で知り渡らんようにしたんよ。もちろん神姬の名前も能力で変えてる」

俺「じゃあ...神姬が今ここに居るのも...」

おばあちゃん「...半分正解やな」

俺「...え?」

おばあちゃん「今神姬がここにおる事が出来てるのはわたしの能力のおかげもある...ただ、もう1つあってやな...それは遼君という存在があるからや」

俺「え...ぼ、僕ですか?」

おばあちゃん「本来生き物は死んだらそのまま魂が霊界に行く...ただ、神姬は遼君に会いたいっていう気持ちが強過ぎてその魂が元々の神姬の姿に変わったんよ」

光「そ、それってつまり...神姬は神姬の魂そのものって事か!?」

おばあちゃん「そういう事や...もちろん神姬本人も自分が死んだ事も分かってないんよ...ただ...最近わたしも年でな...能力が年々弱くなってきてるんよ...あと持って1年しかないんよ...」

...

...嘘だ

...そんな事...ある訳...

俺「...もし...それを過ぎたら...神姬は...」

おばあちゃん「全て...姿形も...記憶も何もかもがなかったことのように消えてしまうんよ...」

......

皆黙る

これって...全て...嘘...だよな?

...

俺は未だに信じられない

おばあちゃん「それと...今日の事と関係あるんやけど...神姬の親が居らへん理由は知ってるか?」

俺「確か...自殺したって...」

おばあちゃん「せやな...わたしからそう言うたんやな...悪いんやけどそれは嘘やねん」

俺達「!?」

おばあちゃん「ほんまの理由は...父親の弟が両親を殺したんよ」

お、弟...?

初めて聞いたぞそんな事...

おばあちゃん「この事神姬知らんと思うんやけどね、神姬がまだ産まれて間も無い時に両親が川で父親の弟に刺殺されたんよ...動機は不明、なぜならその弟も殺した後に自殺したからね...で、何でそれが関係するんかって言うたら...今日の神姬が豹変したのもその弟の霊が原因やねん」

俺「と言うと...?」

おばあちゃん「今日はずっと君らの授業風景見てたんやけどね...遼君が神姬にボールを投げた瞬間、神姬に弟の霊が憑依したんよ...神姬が動けんかったのもそれが理由。それで保健室で暴れたのもその霊の仕業で...委員長?が神姬を気絶させてやっと止まった...その時にその弟の霊は神姬から離れたんよ」

俺「なるほど...」

おばあちゃん「ただ...その弟の霊は非常に厄介でな...元々わたしの能力で鎮めてたんやけど、年々わたしの能力が弱くなってきたのを感じ取ったのか、その霊の力が大きくなり始めてやな...4月に1回封印解かれて神姬に取り憑きかけたんよ...このままやとわたしの能力が切れる前に神姬がその弟の霊に殺められるかもしれへんのや」

俺達「え...!?」

4月...?あ...

光が俺の家に泊まった時...

あの日俺は変な夢を見た

そして朝に何かが進行している気がしていた

この事だったのか...

しかしことが重大過ぎる

神姬が...殺められる...!?

俺「そ、その霊は...神姬を恨んでいるんですか?」

おばあちゃん「...話した事がないから分からんけど...物凄く強い恨みの念を感じるんよね...こんな強い霊初めて見たわ...」

澪「あの...」

澪が恐る恐る口を開く

澪「ウチ...最近変な夢を毎日見るんですけど...関係あるんですか?」

おばあちゃん「...それはどんな夢?」

澪「なんか...人を殺したり殺されたりとか...グロい夢やったような...あ、後...1つ共通してるのがあって...


全ての夢に神姬が出てるんですよ」


俺「...え!?」

嘘だろ...澪も...!?

光「...実は...アタシも...」

善子「私も...」

担任「僕も...」

小町「私もよく見ます...」

愛「私もだわ...」

み、皆...!?

おばあちゃん「...そろそろ動いた方がいいかもしらへんな...」

俺「何か...関係が...?」

おばあちゃん「人は取り憑かれると悪夢を見る事があるんよ...ただ...物凄く強い念を持った悪霊は人に近づくだけでその人は悪夢を見たりするんよ...」

つまり俺が見た絞め殺した夢や癌の夢もその弟の霊の影響によるものだったのか...

澪「つ、つまり...その霊はまた神姬に...」

おばあちゃん「今はわたしの能力で神姬に近づけへんようにはした。ただ...これも一時的なものなんよ...」

俺達「...」

絶望感に浸る俺達

...いや、まだ絶望感に浸るのは早い

俺「...嘘ですよね?」

おばあちゃん「...嘘じゃな」

俺「正直な事言えよ!!!」

おばあちゃん達「!?」

俺「ふざけた事言うんじゃねぇよ...俺達を騙して何がしたいんだよ!!!」

光「遼」

俺「いい加減にしろよ...」

光「おい」

俺「舐めてんじゃねぇ」

光「遼!!!!!」

俺「!?」

光「...落ち着け」

俺「...あぁ」

おばあちゃん「そう思うかもしれへんけどなぁ...これは事実や...嘘でこんな事言うわけあれへんやろ?」

俺「...」

...少しカッとなりすぎたか

でも......

もし本当なら...筋が通っているな...

俺「...助かる方法は...無いんですか?」

おばあちゃん「...いい質問や。そのために皆を集めたって言うのもあるんよ...今年の9月の...30日なら...わたしの能力が満タンになるから...その日に弟の霊を降霊させてその霊を鎮める儀式を行えば...神姬は助かる。ただ、今のわたしの能力じゃ霊を鎮めることは出来ひんのよ...せやからその日にここに居る皆わたしの家に来て欲しいんよ...その儀式のやり方はその時に教えるわ、安心して...難しい内容じゃないから」

俺「...助かるんですか?」

おばあちゃん「ん?」

俺「神姬は...助かるんですか?」

おばあちゃん「...分からへん...でも...これしか方法は無いから...やってみるしかあれへんのよ...ただ...失敗すると同じく跡形もなく消えるんよ...」

そんな...

分からないなんて...

こうして話を終えておばあちゃんは保健室を出ようとする

すると突然出入り口付近で立ち止まる

おばあちゃん「この事...神姬には内緒やで...それと...神姬にはいつも通り接してあげてね。それが神姬本人の一番の幸せやからね...」

そう言い保健室を出るおばあちゃん

...俺達はぼーっと椅子に座っている

時刻は17時30分

...

綺麗な夕日が保健室を照らす

...なんだろう

夕日を眺めていると...悲しみが込み上げてくるような感じがした

...やっぱり...嫌だよ...

神姬と...神姬と離れ離れになるなんて...

気が付けば大粒の涙を机に流していた

澪「...遼、泣くなや」

横に座っていた澪が俺にそう声をかけるが我慢出来ない

すると澪が突然立ち上がる

...!?

突然俺の椅子を蹴飛ばして俺を床に転ばす

椅子は部屋の端っこに飛んでいった

担任「な、何やってんだ!?」

善子「澪さん!?」

澪「...ええ加減にせんかいや...いつまで泣いとんじゃボケェ!!!!!」

俺「...」

光「よ、よせよ!!」

愛「い...いくら何でもやり過ぎよ!」

澪「関係ない奴らは黙っとれ!!!!!」

座っていた椅子の柱に足を置いて俺を見下す澪

目を見るといつもより真剣な眼差しだ

澪「悲しいのは分かるわい...ウチだって悲しいわ...ただなぁ、まだ神姬が消えるって決まってへんのに何ボロボロボロボロ泣いとんじゃカスぅ!!!!ワレが神姬の彼氏ちゃうんかいや!!!初っ端からそんな丸腰で神姬助けれんのかいや!?あぁつ!?泣くんやったら神姬がほんまに消えてから泣かんかいやボケ!!!!!!!」

俺「うぉっ...!!!」

俺の腹を蹴り上げる澪

そして10秒くらい間が空いた

澪「...ワレの口は飾りかいや...?黙って聞いとらんと何か喋らんかいや!!!!」

そう言って澪が俺の腹をまた蹴り上げて俺をボッコボコに殴りまくる

俺は抵抗する気力も無く澪のサンドバッグになっていた

そして一区切りついた時に澪が俺に話しかける

澪「...ワレがウチを痴漢から助けてくれた時...ウチになんて言うたか覚えとうか?」

記憶を遡る俺

確か...痴漢を退治した後に澪が俺に抱きついてきて...俺にお礼を言って...

俺「...お、俺達が...澪を守る...」

澪「やっと口開いたか...せや、あん時ワレがウチにそう声を掛けてくれたんや...あん時の強いワレはどこ行ったんや?ワレが神姬の彼女なんやろ?せやったらウチの時よりももっと強い気持ちもっとかなアカンのちゃうんか?」

俺「...」

澪「...ウチの座右の銘は「願えば叶う」やねん。人はな?自分の叶えたい願いを強く願えば必ず叶うんや、せやから遼も神姬が助かるようにって強く願うたらええんよ。そんな丸腰で居ったらアカンねん」

俺「...願えば...叶う...のか...」

澪「せや。遼、ワレは1人ちゃう。ウチらが居るねん、ウチらも協力するから神姬との思い出いっぱい作ろうや。その方がええやろ?お互い遠慮し合ったって何も変わらんやろ?」

俺「...」

澪「はい!皆!悲しなんのは止め!悲しくなる暇あるんやったら神姬が助かるように強う願え!!そうすれば神姬は助かるしウチらも嬉しいし何よりウチらの大ファンの遼も喜ぶんや!!!」

俺「澪...」

光「へっ...ほんとお前は気楽な奴だな」

澪「何言うとんねん!!何事も気楽に考えな先に行けへんやろうが!!ほら、遼!ええ加減立たんかいやっ!!」

澪がそう言って俺の手を引っ張り上げて無理やり立たせる

そして俺達を円陣を組んで真ん中に手を差し出す

担任「よし...まだその儀式の日までちょっとある。その間に俺達で出来ることをしよう!!」

小町「神姬ちゃんとの思い出をたくさん作るわよ!!」

光「なんで小町と姫島がそんなに張り切ってんだよ...まぁ、その方がいいか」

澪「明日から神姬の為に...頑張るでぇ!!」

澪達は「えい!!えい!!おーー!!!!」

なんだろう、何かスッキリした気がする

俺は...色んな人から支えてくれている

光達、担任、小町...本当にありがたい

とにかく俺は神姬と一緒にいなきゃダメだな

学校から出て家へと帰る

風呂とご飯を済ませてこの日はすぐに寝た

深く考えても意味が無いと思ったからだ。


そして次の日

いつも通り起きて尾鷲駅に行く

気が付けば佐奈と凛との距離が離れている

そして列車が来て乗車すると爆睡している光と澪が座っている横が空いていた

そこに座ると寝ていた光と澪が目を覚ます

光「んっ...なんだもう尾鷲か...」

澪「あぁ〜...おはよ、遼」

俺「おはよ」

光「昨日は寝れたか?」

俺「あぁ、あんまり深く考えたって意味無いなって思って寝たわ」

そして列車が発車する

割と尾鷲から熊野市駅って長い

澪と光とおしゃべりしていると二木島で善子が乗って来て列車が波田須に着く

神姬が乗ってくる

俺達に気付いてこっちに来る

神姬「おはよ」

俺達「おはよ&おはようございます」

神姬「ん?どしたん遼?なんか暗い顔してるけど」

な、なんだと!?

嘘...顔に出てる...!?

俺「え、そ、そうかな?いつもこんな感じだけど...」

光達「...」

神姬「?んならええけど、でさでさ...」

何とか切り抜けた

しかし顔に出てるとは...

まずいな...

そして学校に着く

...何故か俺の隣を歩いている神姬をチラチラ見てしまう

それに気付いたのか澪が腕で俺を押す

澪「気にしとんか?」

俺「なんか...うん」

澪「気にしたら負けや」

俺「分かってるけど...」

澪「...」

そして教室に入って席に座る

神姬「...どしたん?」

俺「えっ、い、いや?何も?」

神姬「なんか変やで?」

俺「い、いや...別に...」

ダメだ...神姬を見てしまう

気にしちゃダメなのは分かってるのに

するとふと廊下を見ると澪、光、善子、愛を廊下に呼び出してコソコソ話している

何を話してるんだ?

地味にこっちを見る

俺の事じゃなかったらいいけど...

そして授業が始まる

1時間目は現社だ

先生「この問題分かる人〜」

俺達「. . .」

先生「じゃあ...今日は6月の6日...忍海さん」

光「は...!?その選び方やめてくれよ...選ぶなら後ろの奴にしろよな」

澪「じゃあ高千穂くん!」

俺「嫌だわ!!!!!」

生徒達「ハハハハ!!!」

先生「じゃあ高千穂くん!」

俺「何でぇ!?」

生徒達「フハハハハハハ!!!」

...あれ

澪と光って普段あんな事言わないのに

テンションが高くなってる...?

その後もそれが続いた

休み時間に光が俺の語尾にゃんを披露させてクラス全員大爆笑起こしたりとか、それを担任の授業中にして授業が成り立たなくなったり、昼休みに大和撫子達と一緒に鬼ごっこしたりしてこの日の学校は遊びまくって放課後は近くのイオンで大和撫子達と楽しくわいわい食事をして解散した

愛とは熊野市駅で別れた

神姬「そう言えば熊野の花火大会ってどうなん?」

俺「ググれよそんなことくら」

神姬「ワレのチンチン引きちぎん」

俺「非常に美しいです」

神姬「へぇ...そうなんや...」

光「行ったことないのか?」

神姬「せやねん」

俺「一緒に行こう(提案)」

神姬「嫌や(即答)」

俺「はああああああ!!?(聴覚過敏)」

光澪「うるせぇんだよお前ぇ」

善子「うむうむ」

澪「え?善子の事やで?」

善子「いや私何も喋ってないじゃないですかぁ!!」

俺「確か今年は8月17日にやるのか...って俺の誕生日じゃん」

神姬「おめでとう」

俺「その日になってから言えよ」

ほう...まだ神姬熊野の花火大会行ったことないんだ...

行きたいな...

俺達はそのまま来た列車に乗って家に帰った。


そして日は進み気が付けば7月になっていた

俺達は学校でもはっちゃけまくったり授業中神姬に...セクハラしたり休日は伊勢神宮や鈴鹿サーキットに行ったり蛍を見たりバーベキューしたりして遊びまくった

期末テストも俺の家に泊まり込みで皆と勉強してテストを終えた

そして期末テスト最終日の7月14日の金曜日

暑さも強くなって、虫の鳴き声が大きくなってくる

俺と大和撫子達はテスト終わりの記念として担任と小町と一緒に近くの俺達がたまに学校帰りに遊びに行く駄菓子屋で奢ってもらった

光「くぅ〜!!やっぱラムネは美味ぇ!」

澪「梅田に居る仕事帰りで居酒屋寄ったサラみたいやな」

光「何言ってんだよ!!暑い時はラムネ!!それ一番言われてるから」

小町「私達も飲みましょ?」

担任「あぁ、そうだな」

小町と担任がラムネをぐびぐび飲んでいく

澪「おい見ろやあれ...お化けがラムネ飲んどんで...」

光「うわぁ...なぁ、あのラムネの瓶...もしかして挟めるんじゃないのか?」

大和撫子達「ほんとだ!!!」

小町「な、何なのよアンタ達...」

善子「ほら、早く挟んでくださいよ!!」

小町「は!?」

光「早くしろ!ばらまくぞ!」

小町「し、仕方ないわね...」

小町がカッターシャツのボタンを2コ外して谷間を露わにする

そしてひょこっと挟む

大和撫子達「...い、行けた...」

神姬「わたしもやってみよ...」

光「アタシも...」

善子「私も...」

澪「ウチも...」

愛「...」

光達「すみませんでした」

愛「...分かればよろしい」

まじで愛以外の大和撫子達が瓶をおっぱいに挟み始めた

服の中でやってるから見えていないから大丈夫

善子「うーん...私は無理っぽいです...」

澪「...お!行けた!!!」

光「アタシもだ!!!」

神姬「わたしも行けたわ!!!」

俺「お前らなぁ...」

光「澪、それ陽矢に見せたらどうなるんだろうな」

澪「へ?」

善子「また襲われたりして...」

愛「あぁ、あの性欲旺盛な弟?」

俺「知ってるんだ...」

愛「もちろんよ、この間の体育委員会の時に弟から澪のケータイに電話が掛かってきたんだもの」

俺達「えっ」

澪「せや...いっちばん大切な会議しとる時に京阪京橋駅の上りの普通の発車メロディー流れたんやわ、それウチの電話の着信音やねん、んでケータイの画面パって見たら陽矢から電話かかってきとって失礼します言うて会議室出て電話出たら「声聞きたかっただけやで〜!!」って呑気な声で言うてきよってウチが「死んでまえカスぅ!!!くだらん事でかけてくんなやボケ!!!ワレのドタマかち割って脳みそチューチューすんぞ!!!」って言うて」

俺達「フハハハ!!!」

澪「電話ブチ切ってそのまま何もなかったように会議戻ったわ。流石に家帰ってどつき回したったけどな」

小町「へぇ...陽矢君ってほんと澪の事好きなんだね」

澪「ほんまうざいわ...昨日なんか一緒に寝てええか〜つってウチの部屋入ってきたり...」

その後も話が続く

光が優希を振ったと言う驚愕の事実と担任と小町が結婚する予定の話等、喋りまくった

そして俺達は駅で解散...と思っていた

神姬「ごめん、学校に忘れもんしたから取ってくるわ」

俺「何してんだよ〜仕方ない、俺もついて行ってやるよ」

光「次の列車まで30分か...まぁ、間に合うだろ、行ってこい」

そう言って神姬と走って学校に戻る

...あぁ...またチラチラと見てしまう

気にしちゃダメだって...

すると門の手前で突然立ち止まる神姬

神姬「...なぁ...遼」

俺「ん?」

神姬「...何か...わたしに隠してる?」

俺「え、え?」

顔を見ると割と真面目そうな顔だ

俺「い、いや...別に...何も無いけど...」

神姬「...良かった!」

俺「え?」

神姬「いやぁ、何かあったんかなーってずっと心配しとってん。何もなくてよかったわ」

...

何だろう...

何故だろう...

神姬の笑顔見るだけで...こんなにも胸が苦しくなるなんて...

神姬「よし、じゃあパッと行ってパッと戻ろ...!?」

無意識に神姬を抱く俺

口が止まる神姬

神姬「ど、どなえしたん...?」

俺「...ごめん、神姬の事思うと...こうする事しか出来なくて...」

気が付けば俺は泣いていた

俺「ごめん...こんな弱い俺でごめん...」

神姬「...ふふっ」

頭を撫でられて少し気が楽になった気がする

お互い抱き合ったまま時間が過ぎて行った。


次の日

俺は今優希達と一緒に松阪にある焼肉屋で晩御飯を食べている

男連中だけでの晩御飯だ

久しぶりだなぁ

優希「どうだ?美味いか?」

俺「めっちゃ美味しい」

優希「それは良かった!!」

太郎「そう言えばお前またテスト学年1位らしいな」

俺「まぁね」

そう、俺は中間期末共に学年1位なのだ

そこまで勉強して無いのに...なんて言ったら殺されるか

駿「勉強出来て顔も良くて性格も良くて柔道出来てダンス踊れる...万能じゃねぇか」

翔「いいよなぁ〜」

俺「大げさだなぁ...」

バクバクと肉を食ってお腹いっぱいの俺達

お金は優希達の奢り

ありがとうございます

店を出て近くの海岸で皆と世間話をする事になった

翔「そう言えばアイツに何てプロポーズしたんだ?」

優希「まぁ「付き合ってくれ」って」

翔「ほうほう...で?」

優希「で...?まぁ「そ、そんな言い方されたら照れるでしょ!!」ってツンデレ発動しまくってたな」

翔「ふむふむ、それで?」

優希「そ、それで...!?そ、その日ソイツの家に泊まったって感じ...だな」

翔「ふーん...んで?」

優希「ん、んで!?い、一緒に寝た...だな...」

俺達「あっそ」

優希「どうでもいいなら聞くんじゃねぇよ!!!!」

俺「ちなみにさ、ヤったの?」

優希「え、え!?」

優希が割とまじでテンパってる

これは...勝負ありか

優希「い、いやぁ...そ、そんなの...や、やるわけねぇよ...」

俺達「じー」

優希「...あぁ...ヤったさ...」

俺達「おぉ〜」

俺「どうだった?」

優希「いやぁ...いい声で喘いでくれるぜ」

俺「ちなみに名前なんて言うんだっけ」

優希「あかりだ」

翔「へへっ、光に振られて次は月だってよ」

俺達「はははは!!」

優希「何笑ってんだよ!!!」

実は優希は光に振られている

俺達も驚きだった

「お前と付き合うのはヤダ」と言われて振られたらしい

辛っ

優希は中学の時の友達の月という子と付き合っている

ちなみに不良ではないが愛みたいにツンデレらしい

そして話は俺と神姬の話になった

優希「最近神姬とどうだ?」

俺「普通に楽しくやってるよ」

戎「そう言えば最近光とか澪とかやけにテンション高いけどなんかあったのか?」

優希「あぁ〜そう言えばそうだなぁ」

俺「あぁ...特に...」

優希「ん?何かあるのか?」

俺「まぁ...色々とね」

優希「ほう...あんまり言わない方が良さそうな事か...まぁ、その事がどういうものなのかは分からんが、難しく考えない方がいいぞ?」

俺「え?」

優希「世の中ってな、複雑そうに見えて割とシンプル何だよ。ていうか俺が馬鹿だから複雑な所をシンプルそうに自分に見させてるんだけどな、そのおかげで俺は気楽に生きれてるんだ、だからな遼、難しく考えずに気楽に行けばいいんだよ。澪みたいに行けばいいんだよ」

俺「うーん...澪かぁ...」

太郎「ま、考え込まずに気楽なりゃいいんだよっ」

そう言って俺の背中を叩く太郎

俺「うおっ...お前限度って言うのがあるだろ...」

その後もワイワイ楽しく話していたら警察に帰れと言われたので仕方なく家の前まで送ってもらった

俺「今日はありがと」

優希「おう!またいつか行こうぜ!」

俺「おう、じゃ、おやすみ」

優希「じゃあな!!おやすみ」

そう言って家の門を開けた時だった

「さようなら、遼」

と小さな声が聞こえた気がした

俺は声のした方を見る

そこには優希達が居る

優希「どうした?」

俺「い、いやぁ...なんか声がしたからさ」

優希「?俺は何も聞こえなかったぞ?」

俺「あれれー...疲れてるな...今日はすぐ寝るわ」

優希「おう、じゃあな」

俺「おう」

そう言って俺は家に入った

優希達「...」


そして終業式まで学校は無いためとにかく皆と遊びまくった

...しかし、その時間も長くは続かなかった

終業式の1日前の夜

この日は名古屋に遊びに行った

家に帰ったのは23時

風呂に入って明日の用意をしていた時だった

神姬から電話が来た

俺「もしもし〜」

神姬「ごめんなぁいきなり、おばあちゃんが遼と電話したいらしいから変わるな〜」

ん?おばあちゃんが俺に用事?

何だろう?

おばあちゃん「遼君?...大変な事が起こったんやわ...」

俺「大変な事?」

おばあちゃん「前言うた弟の霊の力がいきなり物凄く強くなっとんや...このままやとわたしの能力が8月まで持つか分からんねん...せやから...明日儀式を開かな間に合わへんねん」

俺「...え?」

おばあちゃん「ごめんなぁ...いきなりで申し訳ない。でも...こうするしか無いんやわ...ごめんやねんけど他の子らにも言うといてくれへんか?」

俺「...はい...分かりました」

電話を終えた

...

嘘だろ...

明日...!?

明日で決まるのか...?

またあの時のように考え込む俺

いや、待て

大丈夫、願えば叶う

そう...きっと成功するって願えば大丈夫

...うん、そうだよ

そう思い込ませて皆に連絡してその日を終えた。





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