第11話 鍔の製作
「3番・・・と」
全ての刀身を磨き終えたアッシュは次の作業へ移ろうとしていた
「さてと鍔やグリップの方を作りますか」
必要な鋼材とクリップ用にある程度加工された木材を取りに行き準備を始める
「これと…これ・・・・ああ、これも用意しなきゃな。ふぅ」
製作に必要な材料を揃え準備を整えひと息つきながら、実際の作業でミスをしない様改めてどんな設計にしたか振り返る
「・・・問題ないはずだ。よし!」
まず鍔の製作に取り掛かった
「まずは片刃の鍔からにしよう」
鍔やグリップのパーツは刀身に合わせて1セットづつ作る事にした。注文の内容からそれぞれ違う仕様にしなければならず、後で数字で印をつけるとは言え。パーツが混ざって混乱を避けたいからだ。何より自分の頭がこんがらがってしまいそうというのもあるが
「よしよし、ぶっ叩きますか」
鍔に使う鋼材を熱しては叩き、薄い円盤状に加工していく。部品が小さいので熱が通りが早く作業が楽だが、冷めるのも早いのでそこは注意しなければならない
「だいたい出来たし、穴開けるか」
鉄床の穴が空いている部分に熱した鋼材の中心が来るように置き、上から穴を開ける為のタガネを構え叩いた
「カン!カン!」
円盤状の鋼材に四角い穴を開けた。鋼材を再び熱してタガネを使って叩いた時の歪みを正す
「後は冷めるのを待って・・・」
鋼材が自然と冷めたら縁の部分をヤスリで整え
「ギリギリ・・・」
面を整える為、平らな荒い砥石の上に置き回す様に研いで円盤の面を平らにしていく
「シャコン、シャコン」
両面が研ぎ終わったら、細かい砥石で全体を仕上げる
「1番と・・・」
そして、汚れをふき取り鍔の刀身側の面に数字を書いて印をつける、印の位置も刀身の側面に書いた数字が上えを向いた時、鍔の数字が取り付けた時に同じ位置に来るようにする。これから鍔の刀身のタング部分が通る穴の部分をヤスリで削って正確に合わせるためだ
「さてと・・・」
鍔を万力で固定し穴をヤスリで削り丁度いい大きさにしていく。途中でタングを差し込みながら少しづつ丁寧に合わせていく。例えるならピタッと吸い付くようにだ
「カチン」
「よし!いい出来だ」
鍔を付けた時ガタつくなどもってのほか、ぴったりとすき間の無いように合わせないと、隙間から汚れが入り錆の原因になる
「片刃の鍔は完成だな」
鍔に焼き入れはしない、焼き入れをすると硬くなるが割れやすくなる。敵の攻撃を受けた時に鍔が割れたら手を破片で怪我する危険があるし、もちろん手に来る攻撃を防げない、割れるより衝撃で曲がった方がはるかにマシなのだ
「次はグリップを作るか」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます