第5話 刺突特化の特性
「じゃあ最後に、この刃のついてないヤツの特性を言ってみろ」
「へい、この針の様な刺突特化型の利点は何と言ってもその名の通り力強い突きが可能な事ですね。チェーンメイルの鎖を貫く事も可能な事からメイルブレイカーなんて異名があります。刀身が丈夫なら両刃や片刃のものでもメイルを貫けないことは無いんですが、刃が傷みますしコレより正確で力強い突きを出さないといけません」
「あとは?」
「刃物とは別の意味での丈夫さがあります。両刃でも片刃でも刃物である以上、側面からの力には弱いですが、この針の様な刀身ならどっから力を加えられても平気ですので棒術の様に相手に絡めたりして組技を仕掛ける事も出来ます」
「よし。このダガーは断面が三角形になる形をしているが他にはどんな形がある?」
「他だと角の無い丸いヤツと四角いヤツが一般的ですね」
「ああ、それで何でこのダガーは断面が正三角形になる様な形に作ってある?」
「刺した後に捻じって更にダメージを与えられますし、この方が丸い物より貫通力があります、三角形に削っている分鋭くなってますから」
「他に刺した後の傷口が塞がりにくいって理由もあるな」
親方はそう言うと粘土をもぎ取り、もぎ取った粘土を両刃のダガーで刺した後に抜いて刺し口が見える様に持った後握りつぶした
「この両刃だと刺されて緊張した筋肉が刃物を抜いた後の傷口を潰して塞いで出血を抑えてしまうが」
親方は今度は同じように刺突特化のダガーでもう一回やって見せた
「コイツだと筋肉が緊張しても角が潰れるだけで中心部分の傷口は塞がりにくい、結果出血が多くなる、まあ微々たる差だが」
オレは豚で試した時の事を思い出しながら言った
「あえて切ることを捨ててまで刃の無いこのダガーを選ぶ人が居る理由ですね。薬や魔法を使われると治っちゃいますけど」
「そうだ。今回は作らないが他にはどんなタイプがある?」
「後は四角や三角の物でも面の部分をえぐるように削り、角を鋭くして刃を無理やり付けた様なものがありますね。このタイプの刃は刀身の厚みが邪魔して深く切れませんが、あまり深く切らなくても狙えるスジや血管を攻撃するのに使えます」
「ああ、引っ掻く様に腕や顔を攻撃してけん制したりな、鎧を着てない相手には有効だ、刃がついている分貫通力も高い・・・・そう言えば」
「どうしたんです?」
親方は何かを思い出したように話し始めた
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