第19話 製作終了

「ふー、終わった!全部終わらせたぞ!んっー」


 三本分の鞘を作り終え、オレは大きく背伸びした。後ろから親方がオレの肩をポンと叩き言った


「おう、終わったか。じゃあこの箱に入れろ、まとめて錬金術協会に魔術処理してもらうからな」


「へい、了解しました」


 ダガーを詰めようと箱に近づいた時、奥からブルーノ先輩た顔で出て来がやつれて、話しかけて来た


「おや、アッシュも今終わった所ですか?」


「あ、先輩、昨日は差し入れ有難うございました」


「ん?ああ、そう言えばそんな事ありましたっけ?ハハハ、どういたしまして、余り物の肉とチーズを挟んだモノですが」


 先輩の目はうつろだった


「疲れてるみたいですね先輩・・・後でスープでも作りましょうか?」


「いいですね、ごちそうになります。豆多めでお願いしますよ」


「たまには肉食え小僧、いつも仕事終わりにはくたびれやがって、もっと身体を丈夫にしろ!」


 奥から親方が袋を持って先輩に怒鳴った。先輩は親方の方を向いて挨拶する


「あ、お疲れ様です親方。親方も終わったんですか」


「おう、コイツだ」


 親方は袋から9本のダガーを取り出し机に置いた


「親方、オレが3本作ってる間に9本も作ったんですか!?」


「これでも少ないくらいだ。ほら小僧、お前が作ったのも出しな」


「はい、今持ってきます」


 そう言って奥に消えていった先輩は、台車を引いて現れた


「ガラガラガラ・・・」


「私の今回の仕事はこれです…よいしょっと」


 先輩は机に一本一本作ったダガーを置いてった、合計・・・


「16本!?こんなに作ってたんですか先輩!」


「小僧の仕事の早さはだけは一人前だ、もっと身体が出来てればなぁ・・・」


 そう言いながらボリボリと頭を搔いて愚痴った後に指示を出してきた


「ほれ、さっさと箱詰めしちまうぞ!ヒヨッコ、ちゃんとタグは付けたか?」


「あ、すみません、忘れてました!」


「なにやってる!さっさと括り付けて来い!」


「はい!」


 オレはタグをつけるのをすっかり忘れていた。オレは急いで紙で出来たタグに必要事項を記入して紐で自分で作ったダガーに括り付けた


「付けました!」


「よし、次は忘れんなよ!こっち渡せ」


「へい!」


 箱詰め作業をしていた親方にダガーをわたした、親方は受け取ったダガーを箱に並べ、蓋を閉めた


「うっし!後はコイツを運んでもらうだけだ」


「先輩はどうしたんですか?」


「寝てる!」


「うーー・・・」


 先輩は青い顔で床に倒れていた


「親方・・・これは気絶してるって言うんじゃ・・・」


「似たようなもんだ!それよりヒヨッコ!明日からしばらく小僧と一緒に戦術訓練をしろ、課題はファルシオンをメインにやれ」


「へい!次はファルシオンを作るんですね!」


「そうだ、それと作りが簡単なメッサーもな。依頼じゃなく練習用だがしっかりやれよ」


「へい!でも先輩、明日は大丈夫ですかね?」


「大丈夫にするためにやるんだ!もっと身体を鍛えてもらわないといけないからな!厳しくやらないとぶっ飛ばすからな」


「あはは…了解しました。じゃあオレ、スープ作ってきます」


「ああ!頼むぞ。俺も後でなんか作ってやっから」

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