ダガー製作開始

第7話 書類から依頼者を分析、設計

 親方の質問に無事答えられたオレは、注文書を三枚渡され、実際に作ってみる様にと言い渡された


「ほれこれが注文書の写しだ。ここに書いてある寸法道理に好きに作ってみろ」


「オレの好きに作っていいんですか親方?」


「ああ、俺達は手を貸さないないからそのつもりでな。俺は自分の仕事に取り掛かる、しっかりな」


 そう言うとオレの返事も聞かず親方は後ろを向いて行ってしまった


「へ、へい!うわー…いきなり一人かぁ、今まで二人の手伝いしかやってこなかったけど、いざとなったら緊張するなぁ」


 オレは注文書の内容を確認した。そこに記されてる寸法や要望を見て、この注文をした人物がどんな戦闘スタイルか推測したの・・・だが


「これは・・・見本に持って来た三本ほとんど役に立たないじゃないか」


 注文書を一枚一枚見た限り使用者の性格が良くわかる内容だった、が、それだけアクが強かった。何も考えずに持って来た見本を参考に作っていたら失敗していただろう


「初めからこんな罠を仕掛けてくるなんて・・・親方が直ぐに仕事に行ったのは罠に自分で気づくか見るためか。おっかねぇ」


 注文をよく聞いて使用者に合った物を分析し製作するのは当たり前だが、その当たり前をちゃんとやるか見るためのテストだろう


「こんな罠、普通引っかからないが…もし引っかかってたら、ここを追い出されても文句言えないよなコレ・・・いかん!いかん!」


 簡単に躱せる即死級の罠のプレッシャーを振り払い、紙を三枚用意し、もう一度注文書を見ながら簡単な設計図を描いた


「カキカキ、カキ………」


「この人は…たぶん順手で使うから・・・普通は逆手だよな?て事は・・・・どう折り合いをつけたもんか・・・この人は・・・ふむ、次・・・うわー脳筋かこの人」


 とりあえず、どんな設計にするかまとまった。精密な製図を描いたわけではない、要点が分かればいいと割り切った絵を描いただけだがコレで十分だ


「よし!先ずは刀身から作るか」

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