素敵な街、素敵なホテル、ちょっとイヤな奴 コルマール
あの街ではあそこを見て、あの店に行ってアレ食べて。ネットや雑誌で評判だけど実際はどんなだろう・・旅の計画は楽しいですよネ。
そこに“あのホテルに泊まって”もプラス。ゴキゲンなホテルに泊まれば気分もアップグレード。旅も更に楽しくなります。
そして今はオンライン上に情報はたっぷり。具体的に自分の好みのタイプを絞って探すことができます。そうすれば“あ、ココ泊まりたい!”という一軒が見つかるかもしれません。
そんなビビっとくるホテルがみつかったら、そこに泊まるためにその街に行くというのもアリ。行き先が決まってからホテルを探すのではなくホテルのある街に行くというスタイルの旅も楽しいですヨ。
コルマールという街とアルザスのワイン街道を知ったのもそのスタイル。
ドイツ・スイス・フランス三か国の国境近くのフランス側、コルマールという街に見つけたル・マレシャルというプチ・ホテル。ここにフランクフルトからスイスに向かう途中にちょいと寄り道。
外観はこの地方独特のコロンバージュという木枠と漆喰の壁。中世の“宿”を思わせる趣のある雰囲気です。そして部屋は童話に出てくる子供部屋のような可愛らしいつくり。運河沿いのレストランも雰囲気バッチリ。ローカル色に溢れていて、しかも上品。家族経営のいいホテルでした。
また行きたいなあ、ココ。娘さんも美人だったし・・。
で、コルマールの街。コチラも良かったんですよ。旧市街はコンパクトでぶらぶら散歩に最適なサイズ。しかもコロンバージュの建物が石畳の通りの両側に並んでいてホント中世の世界。魔法使いがほうきで飛んでいても驚かないかも。
ちなみにココは宮崎駿監督の「ハウルの動く城」のモデルとなったとか。なるほどネ。
そして街の郊外にはアルザスワイン街道。ワイン生産で有名な小さな村々が点在。田舎の美しい風景と美味しいワインが味わえます。
掘り出しモノと言ってはなんですが、思いもよらず素敵な街に遭遇。
もう少し長くいても良かったなあ。そう思うくらいコルマールへの寄り道は旅の印象的なアクセントになりました。
あ、でもコルマールでこんな事が・・。
「確かこの辺りはワインだけでなくジャムも名産だって聞いたわ」
Hさんがそんな事を言い出して旧市街をジャム目当てに散歩。
目指すのはジャムなのですが、なにせ中世の街並み。通りの両側は土産屋さんをはじめ可愛らしい店がズラリ。しかも、それぞれが街の雰囲気にピッタリの店づくり。
素通りなどはモチロン無理。皆さんそれぞれ好みでお立ち寄りです。
うーんジャムは・・と思っていたら、まあそこはウマクいくもの。立ち寄った一軒が食料品屋さん。
まあ、食料品屋さんなので地元のお客さん中心みたい。店の御主人とお客さんの会話がいかにもジモッピー。でも店のつくりは割とキレイにディスプレイされていて良い雰囲気。ジャムもかなりの種類取り揃え。
「どれもこれも欲しくなっちゃうわ。でもジャムとか缶詰は重いのよね。これからまだ先があるし持っていくのは大変。ここから日本へ送れないかしら?」
品物を見繕っていた一人がクエスチョン。
そこで僕が品のよさそうな初老の御主人に聞いてみることに。
そしたら・・。
「ああ、送れるとも。日本にだって世界中どこにだって送れるさ!そこの道をしばらく歩くと郵便局があるからな」
言い方はまあ、木で鼻をくくったようなというかなんというか。分かりやすく言うと人を小ばかにするような嫌味タップリ。
こちらのフランス語もたどたどしかったかもしれませんが、それにしても外国人観光客に対してホスピタリティのかけらもない態度。サイテー。
でも考えようによってはこれが素のフランス人?そういえばフランス人はあちこちで“いけすかない皮肉屋”って言われているもんなあ。
確かにこのオヤジ(品のいい・・から格下げ)外国人に慣れているパリや世界的な観光地ではなかなか出会わないタイプ。
コルマールは観光地といっても割とローカルだから“リアル・フランス人”に遭遇したのかも。
まあ、これも旅のスパイスということで・・。
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