ダ・レ・デ・モ一度だけ経験するのヨ~北京
一時期、中国に頻繁に来ていたのですがしばらくご無沙汰。
今回、飛行機の乗り継ぎの関係で久しぶりに北京に一泊 することに。前に来たのは、確か十年以上前。
たいていの国は多少のブランクで大きく変わっていることはないのだけれども、ここは中国。
以前ちょくちょく来ていたころも、半年も来ないと街並みが一変していたり、片道一車線 の道がいつのまにか太い幹線道路になっていたりと、随分驚かされた記憶があります。
(ちょうどそういう時期だったのかなあ・・)
なので、 街はカナリ変わっているだろうなと予想はしていました。
で、実際来てみると・・完全に浦島太郎。
何が変わったというより”原型はどこ?” みたいなカンジ。
運転手さんとのカタコト(単語並べるだけ)中国語会話?でようやく、今タクシーは天安門広場に続く北京のメインストリートを走って いるのがわかったくらい。
(昔ココけっこう通ったのだけど)
ホテルに着いてからも、ホントにここ中国?の印象。
レセプションのお姉さん の笑顔(美人でした)ベルボーイを始めスタッフ各々から感じられるホスピタリティと適度な緊張感。そしてグランド・ハイアットということも あるのでしょうが、皆さん流暢な英語。世界のどの大都市にあってもちゃんと五つ星として 通用しそう。
以前はかなりルーズでしたからねえ、北京のホテル。隔世の感です。
さすが一流(ホント!)という対応のコンシェルジュに夕食の予約を済ませて外へ。 同行している北京は初めてのH君のために北京のプチ観光。
北京のメインストリートをブラブラ歩きながら天安門へ。
H君は初めての天安門に感激しきり。
「いやあ、広いですね。ここが天安門広場、世界史の舞台に今僕はいるのですね・・」
天安門から故宮の中を通り抜け景山公園へ。景山公園は故宮を挟んで天安門とは反対側、故宮の出口の真ん前にあります。
公園と いってもちょっとした小山(丘?)があるだけなのですが、この小山の頂上からの景色が絶品。街の中心にある人工の小山なので回りは遮るものナシ、北京の 街を一望できます。
そしてここから見下ろす紫禁城(故宮)といったら・・。
当然、H君再び感激。
「うーん、何とも贅沢な景色ですね。見下ろす紫禁城が自分のモノのようです」
確かに。その昔、そういう 気持ちでこの景山を造ったのかもしれないネ。
帰りは故宮の側面を景山から逆に天安門へ。
この辺りは北京らしい雑然とした古い街並みが残って いるところ。四合院という伝統的な住居があったり、何をするでもなく通りで椅子に座っている人がいたり。細い路地の向こうに時間が止まっています。
まあ、時折踏みそうになる犬の落し物や何ともいえない匂いもありますが・・。
でもこの付近でさえアチコチで工事が進行中。だんだん昔の面影が消えてゆくのかな。 ちょっと残念。街が新しくなるのはしょうがないけれども、あまり小洒落ても・・。
ふと見ると、お堀の向こうの紫禁城の上にもうすぐ沈みそうな夕陽。 まさに一幅の絵。ホッとします。
北京が初めてのH君のために夕食は北京ダック。日本にも支店がある老舗。ホテルからの予約だけあってスムーズ に団体客のいない五階フロアーへ。
日本より脂が濃いカンジ(コチラの方が好き)の北京ダック一羽と他の料理もいくつか。それに陶器に入ったスペシャル な紹興酒をボトルで。それに当然青島ビール。
ケッコウ気持ちよく酔って、食べきれないほどの料理(中国ではキレイに平らげないで料理を残すのが礼儀)で 会計は全部で聖徳太子おひとり分くらい。老舗の高級店でこの値段。財布にやさしい中国、これは変わっていません。
当然H君も中国満喫、といってもいろいろな意味で。つまり・・。
レストランで席についてビールで乾杯。そして少しずつ料理が出始めたころH君の眉間にしわが寄り始め、口数が少なく なってきました。人間、機嫌が悪くなってきたシルシですね。
原因は心当たりがあるのですが、しばらくほうっておくことにしました。H君には 悪いのですが、中国初体験の人が怒り始めるのを見るのはチョット楽しいもの。
頃合いを見て軽く誘いのジャブ。
「H君ひょっとして機嫌悪い?」
(分かっていて聞く僕も意地が悪い。でも面白い)
「何なんですか、ここのウエイトレスたちの態度!愛想は無いし、料理だってコボレそうなくらい 乱暴に置くし。日本人だからこんな態度とられるのですか?腹立ちますよ!」
(ウンウン気持ちワカルよ。でも違うんだよね)
「いや、日本人だからという ことではなく中国ではこれが普通なんだよ。愛想がないのも、料理の置き方も」
そういっても納得しないだろうなと思ったら予想通り。
「でもここは老舗の有名な店ですよね。だったら、それなりのサービスがあってしかるべきじゃないですか!おかしいですよ!」
H君激高。
(いやー楽しい、 ゴメン!)
でもそれは日本での話。ここは中国、中国ナンデスヨ。
「だから言ったじゃない、中国では腹立つことが結構あるだろうけど怒ってはダメだよって。 H君も”郷に入れば郷に従え、まかせて下さい”って自信満々だったよね?」
(まあ、言うは易く行うは難し。分かっているけどチョットいじって楽しみます)
「それはそうですけど・・頭では理解していても腹が立つものは腹が立つんです!」
(イヤー、そうでしょう、そうでしょう)
誰でも最初はそうなんです。やたら腹が立ちます。
でも何度か中国に来ると不思議と慣れて腹も立たなくなります。 そうなってから中国初心者をみると”昔はああいうふうに怒ってたなあ”と余裕で楽しめるようになるのデス。
実は、街並みがガラッと変わってホテル もレベルが上がり、以前の中国流洗礼が無くなったのかとチョット心配?していたのですが、そこは中国。包み紙で中身が変わる訳ではありませんデシタ。
アリガトウH君、お約束通りに怒ってくれて。
おかげさまで、久しぶりの中国を楽しませていただきました。謝謝!
お礼に、昔お世話になった 金サン(優秀だったなあ)というガイドさんの名言を差し上げます。
以下、金さんのお言葉です。
皆さん日本の方々から見ると中国人の行動には腹の立つことがいろいろあるよう です。ホテルでもレストランでも、また、ただ歩いているだけでも。だから初めて中国に来た日本の方々、まず腹を立てます。
でも皆さん、怒らないで 下さい。
中国人は日本人の皆さんを怒らせようとしているわけではありません。ただ普段通りに生活しているだけです。
そして皆さん日本人は中国に いる間は少数民族です。
ほとんどの中国人が当たり前のようにしていることに、少数民族の皆さんが怒ったり文句を言ってもしょうがないでしょう?
だから皆さん、怒らないでください!
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