最高級ホテルでもなかなかご満足とは・・アマルフィ海岸・ラベッロ

 ホテル選びに参考になるクチコミサイト。一般的なホテルについてのクチコミは良かった点より不満だった事の方が目につきます。例えば、部屋に自分の欲しいものが揃っていなかった、とか狭かったとか。または朝食の種類が少なかった等々。


 まあ、これも当然。ホテルへの要望は人それぞれ。そのすべてをカバーするのはムリというもの。

 ですからホテルは多くの人が求める、いわば共通項のサービスを提供するということに。で、そこからこぼれた満たされない要望は不満として出てきてしまうというワケ。


 手っ取り早くこの不満を少なくするにはやっぱりおカネ。おカネを出すにしたがってホテルのグレードは上がり不満のタネも減ってゆきますからネ。


 でも、ニューヨークやパリなどの大都市で“ウン万円”も払ったのに期待したほど豪華なホテルではなかったという不満もよく聞きます。これはよくある勘違い。

 確かに支払う金額とサービスは相関関係。より多く払うとより良いサービスを受けられます。でも、希望するサービスが幾らで釣り合うかは別のハナシ。場所によって料金の“相場”というものがありますからネ。


 ニューヨークやパリでは一泊一部屋10万円クラスのホテルがゴロゴロしています。そんな相場のトコロでたとえ”ウン万円”出したとしても、他の場所でその金額に期待するほどデラックスというわけにはいきません。


 ただ、どんなに高いおカネを出して超デラックスホテルに泊まっても、結局ヒトは満足することはないんじゃないかと思うこともありますけどネ・・。


 小さな美しい街が点在する人気のリゾート地、イタリアのアマルフィ海岸。その断崖の上にある“天空の街”ラヴェッロ。そこに超のつくスーパーデラックスホテルが何軒かゴザイマス。

 その中の代表格のホテルに滞在したときの事。


 まあこのホテル、これぞ上流階級のリゾートという雰囲気。アマルフィ海岸を見下ろす素晴らしいロケーション。手入れの行き届いた美しい庭。そして、空と海のパノラマビューを借景にした天空に浮かぶようなプール。

 ホテル内も白を基調にした上品なつくり。全体に流れる雰囲気も軽やかで、ハンパな高級ホテルにありがちな威圧感などカケラもなし。わざわざ主張する必要のない“本物”の余裕なのでしょうね・・。


 部屋は海側のジュニアスイート。

 こちらも白を基調にしたリゾートらしいインテリア。このクラスではお約束?のリモコンでサイドボードから登場するテレビ。ひとつひとつの家具も昨日買った?と思うくらいピッカピカ。広い部屋なのにガランとした感じがしないお見事な高級感デス。


 しかもテラスつき。空と海の遠景を眺めながら芝生の端まで歩いて行くとアマルフィ海岸の絶景が眼前に広がります。まあ、テラスというよりは“専用庭”。

 最高です。


 朝食もゴキゲン。レストランのテラスでオムレツにはハムと何を入れるかとか、ゆで卵は何分にするとかカメリエーレにそれぞれ注文。アマルフィの海岸線を眼下に海風に吹かれながら、ノンビリ朝食。ここで何週間も過ごしたら社会復帰ムリかも。


 そんな、南イタリア随一の最高級ホテルでも朝食の会話で・・。


「素敵な部屋なんだけど床が基本タイルじゃない、ちょっと滑る気がして怖いのよね」


「そうそう、以前タイルにメガネを落として割ったことがあるから気になっちゃって・・」


「それとテラスの庭が広すぎるわよ。部屋のソファからは海がみえないじゃない?」


「そうよね、海をみるのにテラスの先まで行かなきゃいけないもの。あんなに広い庭必要ないわ」

 

 だそうです。


 まあ、チョイトお気に召さない程度なのでしょうけど自分の意に沿わないトコロは目につくもの。

 結局、どんなホテルに泊まっても求めればきりはないということ。


 満足するために必要なのは高級ホテルに泊まるおカネの余裕ではなく、多少の事はスルー出来る心の余裕のほうかもしれませんネ・・。

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