上品に、わかっているけどつい・・ ニース・ホテル
エレガントなホテルは建物やインテリアだけでなく、そこに流れる雰囲気も上品。そして、そこにいるお客さんたちもまたエレガントで絵になること・・って、これ他人事ではありません。
そこに行けば誰でも絵の一部になるワケですからネ。そのときに備えてちょっと予習。
といっても、それほど難しい話ではアリマセン。求められるのは、キチンとした装いと落ち着いた立ち居振る舞い。これは欧米人でも我々アジアでも上品に見られる世界共通のマナー。
まあ、この辺はちゃんと意識している方が多いかと。でも気を付けなければいけないのは、無意識に、つい普通にしてしまうちょっとした事。
例えばロビーで“〇〇さーん”。自分では普通の声のつもりでも静かなロビーではよく通るもの。かなりの視線が集まってしまいます。けっこう気まずいですヨ。
でも、この類の”あ、やっちゃった”みたいなコトって言われて初めて“あ、そうか”となるのも確かなんですよネ・・。
フランスはニースでの事。
旧市街をみんなで散歩しながらショッピング。六月だったので、それほど暑くはなく絶好の散歩(ショッピング?)日和。お土産物屋さんや小物雑貨店、ブティックへ。
こうなると女性の皆さんはイキイキしますねえ。ホント楽しそう。
で、男性は付き人兼ボディーガード。といってもそんな大した事をするわけではありません。女性がショッピングに夢中になっていると、そのバッグを狙って近づく輩がお約束のように登場いたします。そんなとき咳払いして間に入るだけでだいたいが逃げていくので、そのお役目。
このときもいましたよ。
雑貨屋さんで品物選びに夢中になっているKさんの後ろに近づく若い男性。見るからに怪しげ。やはりチラッと周りを確認した後、男の手がKさんのバッグのファスナーに・・。
ボクはちょっと離れていたので“Kさん!”と少し大きな声を出しました(こういうときは躊躇なく大声でいいんです)振り向くKさん&手をひっこめるスリ男。
まあ、こんなことがしょっちゅう、ではありませんが時々はあります。
スリとのバトル?も無事終えてホテル到着。
宿泊しているのはニースのランドマーク的存在“ホテル・ネグレスコ”。世界的に有名なホテルです。
ニース海岸のメインストリートに面していて道路を渡れば砂浜という絶好のロケーション。当然、周りには沢山の人。
なので、買い物を終えてこのホテルに帰ってくるのは最高の気分。だって、多くの人がいる前でこのセレブホテルに入っていくんですからネ。なんちゃってセレブとしてはこのうえない優越感アンド快感。
で、ロビーに入ると外の喧騒とは打って変わって静かでエレガントな空間。このギャップが心地良いですネ。とりあえずソファに座ってひとやすみ。汗がスーッと引いていきます。
そこで仲良しのふたりが・・。
「あ、さっきのお店で借りたおカネ今返すわね」
「後でもいいのよ」
「忘れるといけないから今返すわ。ちょっと待ってね・・」
と、財布を出してお札と小銭をテーブルの上に置こうと・・。
それを見ていたYさん。
「ちょっとやめてヨ、こんな上品なホテルのロビーで小銭まで出しておカネのやりとりするなんて、みっともないわヨ!」
おっしゃる通り!
確かにセレブホテルのロビーのテーブルで小銭のやりとりは・・絵になりません。ふたりもハッとした様子ですぐに了解。
でも分かります、分かりますヨ。言われるとすぐ気が付くんですけど、ついねえ・・。
気を付けましょうネ、皆さん!
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